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第35話

35話目


皆さんコロナにはお気をつけください。

 そして次の日の早朝‥‥


「ふぁぁぁ‥‥。」


 馬車乗り場へと向かう途中私の隣を歩くエルが大きなあくびをしていた。いつもよりもかなり早起きをしちゃったからまだ眠いみたいね。ちょっと無理させちゃったかしら。


「ごめんねエル、ちょっと眠いわよね。」


「あ、うぅん!!大丈夫だよ!!心配しないで?」


「無理はしないでね、もしあれだったら馬車の中で寝てても大丈夫だから。」


 どうせここから王都まではかなり時間がかかるしね。いまだ眠気が抜けきっていないエルの頭を撫でていると、後ろからレイラにぎゅっと抱き着かれた。


「じゃあ私はアリシアちゃんの膝の上で寝てもいいかしら~?」


「ダメに決まってるでしょ!!まったくもう‥‥」


レイラの独特の絡みを退け、私たちは場は乗り場へと向かう。その途中一つ気になったことがあったので私はレイラに問いかけることにした。


「ねぇ、そういえばだけどレイラあなたの魔法で王都までひとっとびできないの?」


「できるわよ?」


けろっと答えるレイラ。


「じゃあその魔法で私たちごと一気に王都に飛ばせないの?」


そう問いかけるとレイラは露骨に嫌そうな顔をして答えた。


「えぇ~それじゃあ旅の面白みがないじゃない?せっかくアリシアちゃんたちと旅ができるのに~絶対いやっ!!」


子供のようにプイっとそっぽを向いてしまうレイラ。どうやら是が非でも私たちと馬車の長旅を楽しみたいらしい。


「まぁいいけどね。私馬車の旅は嫌いじゃないし‥‥ねっ。」


そんなことを話しながら歩いているとあっという間に馬車の乗り場へと着いてしまった。まだ早いせいか私たち以外にほかのお客さんは見えない。

ちょうど馬の世話をしている騎手に私は話しかける。


「ちょっといいかしら?この馬車って王都行き?」


「はい、王都行きの直行馬車でございます。」


どうやらこの馬車で合っているらしい。直行馬車というのはどこの村にも寄らずに一直線に王都へと向かう馬車。だから一番速く王都に着くことができる。


「あともう少しで出発いたしますので中へ乗ってお待ちになってください。」


言われた通りにみんなで馬車に乗り込み、話しながら待っていると前のほうから声が聞こえた。


「それでは走り出しますので‥‥席に深く腰掛けてくださいますようお願いいたします。」


その声が聞こえた後、騎手が馬に乗ったようで馬の声も聞こえた。いよいよ出発するらしい。


「いよいよですねお姉様。」


「そうね~まっ気長に馬車の旅を楽しみましょっか。」


どうせここから何時間もかかるだろうしね。そしてガラガラと音を立てて馬車が進み始めると私の隣に座るエルが私の膝の上にポフっと頭をのせて大きなあくびをする。


「ごめんアリシアお姉さん‥‥ちょっと寝てもいい?」


「いいわよ。少しゆっくりしてなさい。」


「うん‥‥ありがと。」


そうしてエルは私の膝の上で眠りに落ちてしまった。やっぱり少し朝起きるのがが早かったのが効いちゃってたみたい。

寝ているエルの頭をポンポンと撫でているとミラの腕からスラちゃんが飛び出し、私の隣にすり寄ってくる。そして小さな声で言った。


「ごしゅじん、すらちゃんもかまってかまって!!」


「あ、ごめんねスラちゃん。最近構ってあげられなくて‥‥ほらおいで?」


腕を差し出すとスラちゃんは私の胸にぴょんと飛び込んできた。


「えへ‥‥えへへあんしん。」


やっぱりスラちゃんは少し体温が低くてひんやりしていて抱いていて気持ちがいい。思えばエルが仲間になってからというもののろくにスラちゃんのことを構ってあげれていなかったかも‥‥。


「う~‥‥お姉様もてもてです~。」


私の正面に座るミラが少し羨むようにこちらを見つめてきた。するとそれに便乗するようにレイラが言った。


「ね~?私たちも構って欲しいぐらいよ~ねっ?ミラちゃん」


「ホントですよ~。」


じと~‥‥っとこちらを見つめてきた二人、この二人ほんっとに仲が良いわね。


「レイラにはもう十分構われてあげたでしょ?それにミラにだって毎日構ってあげてるじゃない。」


「それじゃ足りないんです~!!」


「もっと過激に構ってほしいのよね~?」


「はいっ!!」


もっと過激にって‥‥ねぇ。


「ミラ、レイラに変な刺激受けちゃダメよ。レイラも変なことをミラに植え付けないでよね。」


二人にそう指摘していると、馬が突然嘶きを上げて急に馬車が止まった。


「‥‥何事?」


突然の出来事にとっさにアイテムボックスから剣を取り出し構えていると、前から騎手の焦ったような声が聞こえた。


「お客様魔物です!!強行突破しますのでしっかり掴まっていてください!!」


「その必要はないわ。私に任せておきなさい。スラちゃん、ちょっとエルをお願いね。」


私の膝枕の代わりにスラちゃんにエルの枕がわりになってもらって私は立ち上がる。そして二人に声をかけた。


「二人とも、もし私よりも多く魔物を倒せたら‥‥()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」






それではまた来週のこの時間にお会いしましょ~

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