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第27話

はい、作者です。大絶賛スランプに囚われてます。スランプってどうやれば抜け出せるんですかね‥

『熟練度が1上昇したためボーナスステータスを付与します。』


耳掻きを終えた私の頭の中に聞き慣れた声が響く。


「またいつものやつ‥‥今回は新しいスキルは無しなのね。」


ステータスを確認すると更に+5000のステータスボーナスが付与されている。


「いったいどこまでこのステータスは上がるのかしら‥‥」


無尽蔵に上昇を続ける自分のステータスを見て半ば呆れながら一つため息を吐き、ステータス画面を閉じる。


「はぁ、ま‥いっか。さぁミラ、スラちゃん明日はまたギルドに行かないといけないんだから私達も寝るわよ。」


「「は~い」」


考えたいことは山ほどあるが‥今は明日に備えるため私達はベッドに横になり一日を終えるのだった。


「「‥‥‥‥」」


「お、お父さん?お母さん?」


真っ暗な場所に立っている僕の前にお父さんとお母さんがどこからか現れた。


「ど、どうして何にも喋らないの?」


「「‥‥‥‥」」


目の前の二人は僕が話しかけてもなにも反応せず、ただただずっと僕のことを冷たく見下ろしている。


「やめて‥‥やめてよ」


二人にやめてとお願いするがその冷たい視線は僕から外れることはなかった。それどころか、もといた群れの顔見知りの面々が一人‥また一人と現れ冷たい目線を注いできた。


「やめてよみんな、そんな目で見ないでよ‥‥もうやめてよッ!!」


その場にうずくまり、その冷たい視線に耐えていると不意に声が暗闇に響いた。


「‥‥‥ル‥‥‥‥エルッ!!」


僕の名前を呼ぶ声が聞こえたと同時に暗闇が弾け、僕は現実へと引き戻された。


「うっ‥あ、アリシアお姉さん?」


「大丈夫?ずいぶんうなされてたみたいだけど‥悪い夢でも見た?」


目を覚ますと周りにはアリシアお姉さんとミラお姉さん、そしてスラちゃんが僕を囲んでいて、心配そうな表情を浮かべて僕の顔を覗き込んでいた。


「う、うん‥ちょっと怖い夢見てたんだ」


「そう‥‥怖かったわね。でも、もう大丈夫よ。」


体を起こすとアリシアお姉さんがやさしく僕のことを抱き締めてくれた。トクン‥トクンとアリシアお姉さんの心臓の音が聞こえる度に心が落ち着くのがわかる。さっきの夢とは違ってとっても暖かい。

そしてアリシアお姉さんは僕が落ち着くまでやさしく抱きしめ続けてくれた。


「落ち着いた?」


「うん、もう大丈夫。そ、それで‥あ、あの‥アリシアお姉さん?」


「ん?どうしたの?」


「一つお願いがあるんだけど‥いいかな?」


「何かしら?私にできることなら何でも言って?」


何でも‥と聞いて安心した僕は勇気を出して言った。


「あ、あの‥これから一緒の寝床で寝たいんだけど‥‥だめかな?」


「ふふっ、わかったわ。じゃあこれからは一緒に寝ましょっか。」


にっこりと微笑みながらアリシアお姉さんはポフポフと僕のことを撫でてくれた。頭を撫でられる気持ちよさと快くお願いを聞いてくれたことに安堵していると‥僕のお腹が突然きゅるる~と可愛い悲鳴をあげた。


「わぅ‥」


「ふふっ朝ごはん食べに行きましょっか?」


「うん!!」


僕はアリシアお姉さんに手を引かれ朝ごはんを食べに向かうのだった。


そして朝ごはんを食べ終えた私達はギルドへとやって来ていた。受付へと向かうとお馴染みの受付嬢が早速闘技場へと案内してくれた。


「ね、ねぇアリシアお姉さん‥これからなにをするの?」


「ふふっ♪エルの特訓よ?」


「特訓!?よ、よし‥僕頑張るよっ!!」


特訓と聞いた瞬間にエルはキラキラと目を輝かせる。実はもう既にエルはレベルが99になっているのだが‥この事は敢えてまだ伝えていない。

そして闘技場が見えてくると中央にナジルが立っていた。彼は私達に気が付くとこちらに歩みより声をかけてきた。


「おぅ!!わりぃが先にちょっくら体暖めさせてもらったぜ?」


「待たせたみたいでごめんなさいね?」


「いんや、体を動かす時間ができたからな気にすんな。で?今日の俺の相手は‥‥‥っておい、まさかそこのちびっ子じゃねぇだろうな?」


エルのことを指差しながらこちらを見てくるナジルに私はにっこりと微笑み返した。


「もちろんこの子よ?」


「はぁっ!?」


「あ、あのっ‥よ、よろしくお願いしますっ!!」


驚くナジルの前でエルはペコリと頭を下げる。ナジルは一瞬思考停止した後私に突っ掛かってきた。


「お、オイッ!!」


「何よ、不満なの?」


「そういうことじゃねぇ!?俺ぁ‥手加減はできねぇ質なんだぞ!?」


「あら、偶然ね~この子も手加減はできないのよ。」


冗談混じりで笑いながらも私は一瞬真剣な口調で彼の耳元でボソリと囁いた。


「‥油断してるとホントに死ぬわよ?」


「~ッ!!‥‥へっ、じゃあわりぃが遠慮はしねぇかんな。」


私の忠告を素直に受け止めたナジルはクルリと背中を向け闘技場の中央へと戻っていった。

さてさて、じゃあこっちもエルに作戦を伝えておきましょっかね。


「エル~?」


「わぅ!?な、なに?」


「そんなに緊張しないでいいわ。エルはただ思いっきり踏み込んであの人に向かってパンチすればいいのよ。」


ガチガチに緊張しているエルに拳を突き出す動作をして見せる。するとキョトンとした表情を浮かべた。


「そ、それだけでいいの?」


「えぇ、それだけでいいわ。何も難しいことはしなくていいの。」


「わかったっ‥」


エルに作戦を伝えていると待ちきれなくなったのかナジルがこちらに叫ぶ。


「おーい!!まだかぁ?」


「さっ、エル行けるわね?」


「うん!!頑張るよ」


ポンと背中を押してエルを闘技場の中央へと送り出す。そして二人が中央で向き合った。


「さぁ‥来なちびっ子!!」


ナジルは剣を抜かずちょいちょいとエルのことを挑発する。まだ余裕ぶっているナジルを見て私は思わずクスリと笑ってしまった。


「わぅ~‥‥負けないもん!!」


まんまとナジルの挑発に乗ってしまったエルは私の言うとおり地面を思いっきり踏み込んだ。その瞬間‥エルの下の地面が大きくへこみクレーターができる。


「ッなぁっ!?」


その衝撃で体勢を崩したナジル。そしてエルは私に言われた通り踏み込んだ後には思いっきり拳を振りかぶり、ナジルへと振り下ろした。


「ん~っ‥‥たぁっ!!」


掛け声は可愛いが‥その拳の威力はまったくと言っていいほど可愛くはない。ナジルでもまともに喰らえば‥‥終わりね。


「チィッ!!」


しかしナジルは経験からそのエルの拳の脅威を感じとり、即座に体を捻って攻撃をかわした。


「わっ!?」


攻撃をかわされたエルは体勢を崩してしまう。再び体勢を整え、ナジルに向かおうとしたエルだったが‥


「ちょっと待った!!ここまでだ。」


ナジルの制止の言葉に不服そうにエルは首をかしげた。


「わぅ‥なんでっ!?」


「これ以上やったらここがぶっ壊れちまう。」


ちょんちょんとナジルは今自分達が立っている地面を指差す。


「ふぇ?ってえぇ!?」


ナジルの指摘でようやくエルは闘技場の有り様に気が付き、驚きの声をあげた。どうやらナジルの挑発で少しの間我を忘れていたみたい。

さて、決着も着いたみたいだし迎えに行ってあげようかしらね。クレーターの中心にいるエルの元へと私は向かうのだった。


それではまた来週のこの時間にお会いいたしましょ~

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