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第22話

一週間ぶりの作者です。全国に緊急事態宣言が発令されて皆さん暇を持て余していると思いますが‥

外出は自粛しましょうね。

その暇な時間を少しでも私の小説を読むことで消費していただければ幸いです。

かくして村長から鍋を貸りた私はミラを探すために再び村の中を歩いていた。

辺りをきょろきょろと見わたしながら歩いていると、ある家の軒先に村人と楽しそうに話しながら食事をしているミラがいた。

どうやら仲良くなった村人にいろいろとごちそうになっているみたいだ。


「ミラったら‥‥本来の目的忘れてないかしら」


まぁもし、ミラが本来の目的を忘れててもこっちで役立ちそうな情報は集められたから別に気にしないけどね。

ミラの方へと向かって歩みを進めていると彼女はようやくこちらに気がついたようで、立ち上がり手を振って私を呼んだ。


「あっお姉様こっちです~!!」


「はいはい、今行くわ。」


そして合流できた私達は早速集まった情報を共有する事から始めた。


「それで、そっちは何か情報は集めれた?」


「もちろんですよ~!!さっき私に美味しい料理を振る舞ってくれたお母さんがいろいろ知ってて、なんかそのワーウルフはお肉が大好きみたいですよ?」


「肉が大好き?」


ワーウルフならどの個体も肉は大好きだと思うけれど‥

そう思っている私にミラは続ける。


「はいっ!!しかも生の肉じゃなくて干し肉とか、そういうのが村から頻繁になくなっていたそうです。」


生の肉じゃなくすでに加工された肉だけを判別して盗みを働いていたってことか‥

普通のワーウルフだったら生の肉でも何でも食べると思うのだけれど、やっぱり突然変異の個体だから食べるものも違うのかしら?村長もけっこう農作物の被害を訴えていたし‥野菜も肉も食べるなかなか健康志向のワーウルフなのね。


「なるほど‥ね。他に何かわかったことはある?」


「他はですね、そのワーウルフの身長‥‥というか体長?がわかりましたよ。このぐらいの小さな子供位の大きさらしいですっ!!」


そう言ってミラは自分の胸のした辺りに手を置いてだいたいこのぐらい‥とワーウルフの体長を表してくれた。

意外にもミラの方でも有力な情報が集めれていたようで一安心ね。


「私が集めれたのはこのぐらいですね。お姉様の方はどうですか?」


「私の方は‥‥」


私はミラと村長から聞いた情報を共有した。


「‥というわけ。」


「ふぇ~‥‥じゃあ夜に待ち構えてた方が良いんですかね~」


「うぅん、多分そのワーウルフはこの村にはもう自分か食べられるような食料が無いってわかってるだろうから‥待つよりも私達の方から出向いた方が良さそう。」


「ということは‥‥今から行くんですね!?」


「そういうことっ♪さっ道が暗くなる前に行きましょ?」


「はいっ!!」


そして廃鉱山へと向かおうとしていた時‥


「ハァ~、ったく今日も見つかんなかったな。」


「てかホントにいんの?例の突然変異のワーウルフってやつ、こんだけ探して見つからないなんてさ~ちょっと信じられねぇよ。」


村の入り口から、わらわらと武器を装備した一団が村の中へと入ってきた。

どうやら彼らが私達と同じ依頼を請け負っているパーティーのようね。


「お姉様、あの人達って‥」


「うん、多分私達と同じ依頼を請け負って来た冒険者ね。にしても今帰ってくるってことは‥」


もしかするとこの人たちはこの村の人たちから何にも情報を仕入れてないのかもしれないわね。情報収集もせずに探しに行くなんて‥‥この人たちよく今まで依頼をこなしてこれたわね。

こんな人たちでもゴールドになれるのね‥もしかして腕っぷしだけでのし上がってきたのかしら?だとしたら彼らから学べることはそんなに多くはなさそうね。

内心少し彼らにがっかりしていると彼らの一人がこちらに気が付いたようで声をかけて来た。


「お?あんたたちも例のワーウルフの依頼を受けてここに来たクチか?」


「そうよ、あなたたちはさっきまであそこの廃鉱山でワーウルフを探してたのよね?」


「あぁ、二日前から探してもうあの山はほぼすべて探しつくしたはずなんだが一向に見つからねぇ。」


ポリポリと彼は頭を掻きながらぼやく。そんな彼にパーティーメンバーの一人が飽き飽きしたような感じで声をかけた。


「おいダリル~もう今日は休もうぜ?一日中歩き回ってっ疲れちまったよ。」


「クレイ、別に先に戻って休んでていいぞ?」


「おっ!?マジで?じゃあおっさき~!!」


クレイと呼ばれた人物は疲れていると言っていたのがウソのように元気に走って村の中へと駆けて行ってしまう。その姿を見て私の前に立つダリルと呼ばれた男が大きくため息を吐いた。


「はぁ~‥ったく調子のいいやつめ。まぁ、つうわけで俺らは今日は上がらせてもらうぜ。あんたたちもまぁ‥気ぃつけてな。」


そう言って彼も先に走っていったクレイという男を追いかけるように村の中へと入っていった。


「行っちゃいましたね‥」


「そうね、じゃ私たちも行きましょ?」


彼らと別れた後私達は向こうへと見える廃鉱山へと向かって歩き出した。

そして廃鉱山の麓にて‥


「お、お姉様‥な、なにしてるんですか?」


「なにって‥ミラが見ている通り夕食の準備よ?」


「こっ‥ここで夕ご飯食べるんですか!?」


「あら?嫌だったかしら?」


ミラににっこりと笑いかけながらも私は料理を作る手を止めない。何せこれが私の考えている作戦だから。

恐らくだけれど今のワーウルフは相当おなかがすいている状態だと思う。

死にそうなぐらいおなかが空いている時、目の前で武器も装備してない女性が野外でいい匂いのするご飯を作っていたら‥多分来てくれると思うのよね。


「まぁまぁ、おいしいの作ってあげるからちょっと座って待ってて?ねっ?」


「う~‥わかりましたぁ~。」


「ありがとね。あっそうそう多分私たちのほかにもう一人お客さんが来るけれど‥絶対に武器を抜いちゃだめよ?」


「えっ!?それってどういう‥」


ミラがそう言いかけた次の瞬間‥私たちの近くにあった茂みががさりと音を立てた。

それではまた来週のこの時間にお会いいたしましょ~

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