第18話
はい、お久しぶりの作者です。
日本でも少しずつコロナが増えてきてますね。
対策しろ‥と言われてもマスクが‥消毒液が‥
やっぱり家から出ないのが一番なんですかね。
なんやかんやありながらも私たちは初めての依頼を終えて宿屋へと戻ってきた。
「はぁ~っ‥なんかどっと疲れちゃったわ~」
かえって来て早々私はベッドの上に倒れこんだ。
柔らかい感触を全身で感じてついつい眠くなってきてしまう。
「今日はいろいろありましたもんね~‥スラちゃんは疲れてませんか?」
「だいじょうぶっ。」
私の隣のベッドでミラがスラちゃんを撫でている。
宿屋の人にもちゃんと使い魔登録の証を見せたから快く受け入れてもらえた。
「夕食はまだみたいだからちょっとスラちゃんのことを調べてみよっか。」
「そうですねっ」
私はミラが抱えていたスラちゃんを見つめる。
‥‥確かオリジンスライム?っていうのに進化したって言ってたわよね。ステータスはどんな感じになったのかしら?レベルも99になったはずだから結構強いと思うんだけど‥
「スラちゃん、ステータス見せてくれる?」
「わかった!!」
スラちゃんがそう答えると私の前にステータス画面が表示された。
「えっと‥?なになに‥」
名前 スラちゃん
年齢 生後2ヶ月
種族 オリジンスライム
性別 無し
職業 使い魔
level 99/99
HP 20000
MP 30000
ATK 15000
DEF 20000
MDEF 25000
AGI 10000
スキル
体積変化 10/10
物理無効 10/10
熱耐性 10/10
魔法 08/10
吸収 10/10
分裂 10/10
再生 10/10
言語理解 3/10
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「うん‥‥うん‥‥‥まぁヤバいわね。」
控えめに言ってかなりヤバいステータスをしている。
どのステータスも一万超え‥全ステータスにプラス五千のボーナスステータスがついている私といい勝負だ。
つまり、私以外この街でスラちゃんと戦える人間は存在しない程強くなってしまった。
「ふぇ~‥スラちゃん強いです~」
「すらちゃんつよくなった!!ごしゅじんのおかげ!!」
ぴょんぴょんとスラちゃんはベッドの上で跳び跳ねる。それはもう‥さぞかし嬉しそうに。
「それにスキルも優秀‥物理無効に熱耐性、魔法のスキルレベルもかなり高いわ。」
物理攻撃が効かない上に炎魔法も効かない、挙げ句の果てには魔法のスキルレベルも高い。
まぁ私だったらこんな魔物絶対相手にしたくないわね。
「魔法のスキルレベル8って‥いったいどんな魔法が使えるのかしら」
今の私でさえ魔法のスキルレベルは5‥‥賢者のジョブの人は平均9~10って聞いたことがあるから、今のスラちゃんはそれに匹敵しうる魔法の使い手なのは間違いない。
「みずまほーぜんぶつかえる!!」
ぴょんぴょんとベッドの上で跳び跳ねてアピールするようにスラちゃんは言った。
水魔法全てかぁ~流石魔法のスキルレベル8ね。
やっぱりとんでもない‥MPが三万もあるからほぼ無尽蔵に魔法は撃てるはず。魔法使いのジョブの人達が泣くわね。
「あ、だったらリフレッシュも使える?」
「つかえる!!」
「じゃあ私とミラにかけてもらえない?」
「わかった!!」
そして私とミラの足元に一つ魔方陣が現れ、心地の良い霧が私達を包む。
「はぁ~さっぱりしたっ♪下手に水浴びするより断然こっちの方がさっぱりするわね」
「凄いですっ服の汚れとかも全部落ちちゃいました!!」
リフレッシュはかけた相手の体を浄化する魔法。お風呂がないとき等とても役に立つ魔法だ。
だが、一見簡単そうに見えるこの魔法‥水魔法の上級魔法に分類されている。私も役に立つから‥と覚えようとしていたのだけれどスラちゃんが使えるみたいだから、もう覚えなくてもいいわね。
ラッキーラッキー‥と思っていると私たちの部屋のドアがコンコンとノックされた。
「ご夕食の準備ができましたのでホールの方までお願いします。」
「あっ!!ご飯できたみたいですよお姉様っ」
「そうね、スラちゃんのステータスとかもわかったしちょうど良い時間ね。じゃ、皆で食べに行きましょっか」
スラちゃんを両手で抱えて私とミラは宿屋のホールへと向かい、夕食を済ませた。今日のメニューは海老がたっぷりと入ったピラフだった。バターの風味と海老の風味がマッチしてとても美味しく満足のいく料理だった。
スラちゃんも人間の味覚を感じる器官の舌を再現して料理を食べていたようで私達しか聞こえない小さな声で美味しいと言って食べていた。
そして夕食を食べ終え部屋に戻り‥
「っはぁ~お腹一杯です~」
部屋に入るなりミラはぼふっとベッドにうつ伏せに倒れこんだ。
「昨日のシチューも美味しかったけど、今日のピラフも美味しかったわね~。良い料理人を雇ってるのねこの宿。」
「すごいおいしかった!!すらちゃんあんなのはじめて!!」
ぴょんぴょんと跳び跳ねて全身で喜びを表現するスラちゃん。そりゃあ‥ただのスライムだった頃なんてその辺の草とか水とか食べて生きてたはずだから、こんなのに出会う機会なんてなかったでしょうね。
まぁなにより満足してくれたようで良かったわ。
「さてっと‥後は寝るだけなんだけどその前に‥ミラちょっとまた頭を貸してくれる?」
「また耳掻きしてくれるんですか!?」
ベッドにうつ伏せになっていた体をガバッと勢いよく起こし、私の方を見つめてくるミラ。
「耳掻きって言えば耳掻きなんだろうけど‥今日はちょっと変わった耳掻きをしたいのよ」
「変わった耳掻き‥ですか?」
「そっ、このスラちゃんを使ってね」
そう、せっかくスライムのスラちゃんが仲間になってくれたから‥スライム耳掻きをやってみたい。
前世日本ではASMRなんかでスライムをぐちゅぐちゅする音はあっても、実際に生きているスライムを耳の中に入れることはできなかった。いわばこれはこの世界でしかできない耳掻きなのだ。
「‥?スラちゃんを使うんですか?」
「まぁ実際にやってみた方が早いわよ。ほらここに頭をのせて?」
おそるおそるミラは私の太ももの上に頭をのせる。
「さ、じゃあスラちゃん。私の思った通りに体を動かしてね?」
「わかった!!」
私はスラちゃんを抱えてミラの耳の上に置く、そして頭で動きを想像する‥
「ひゃあっ!?み、耳に冷たいのが入って‥ぐちゅぐちゅって‥‥あ、で、でも気持ちいい‥かもです。」
スラちゃんの体の動きと私の思考がリンクしているのを感じる。そしてちゃんと思い通りに動いているのもわかる。もっと言えば‥スラちゃんの感覚も伝わってきている。
リフレッシュで耳の中も綺麗になっているようだから軽くマッサージする程度で良いわね。
それから少しの間ミラの耳のなかマッサージして、スラちゃんを引き抜いた。するとちゅぽん‥という音ともに耳からスラちゃんが出てきた。
「どうだったミラ?」
「はふぅ~‥すごいよかったれすぅ~」
どうやら満足してくれたようだ。
「じゃあ次は反対の耳ね、ほらごろんして?」
そして私は体の向きを変えたミラの反対の耳もスラちゃんでマッサージした。
すると私の頭の中に声が響いた。
『熟練度が1上昇したためボーナスステータス及びスキルを付与します。』
皆様体調にはお気をつけてお過ごし下さい。
それではまた来週お会いしましょ~




