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第13話

一週間ぶりの作者です。

中には毎日別の作品の前書きを見てくれてる人もいるかも知れませんね。

まぁ、なにはともあれ今回もよろしくお願いいたします。

私とミラはスライムを討伐するために街から少し離れた森へと向かっていた。

その道中‥


「んむむ‥アイテムボックスッ!!」


歩きながらミラが空間魔法のアイテムボックスの詠唱を練習している。

しかし、まだ使えるようになる気配はない。

まだコツが掴めていないようだ。


「ミラって魔法を使うとき何をイメージしてる?」


「魔法を使うとき‥ですか?う~ん‥詠唱に夢中で何も考えてないです。」


「多分魔法が発動しにくいのはそれが原因ね。魔法はどんな魔法を使うかっていうイメージが大事なのよ。例えばミラが今使おうとしてるアイテムボックスは、私は別の空間に大きな穴があるイメージを頭で思いながら使ってるわ。」


魔法はイメージが大事だと良く私に魔法を教えてくれた先生が言っていた。

イメージするとしないとでは魔法の威力も発動しやすさも段違いだと私はずっと教えられてきた。


「まぁ試しに少しイメージしながら使ってみたらどうかしら?」


今のミラの魔力だったら使えない魔法はほぼないだろうし、案外簡単に使えるようになるかもしれない。


「わかりました‥イメージ‥」


助言通りミラは目を閉じ頭のなかでイメージを思い描く‥そして呪文を唱えた。


「アイテムボックス」


その瞬間ミラが手を伸ばした先の空間がバチバチと音を立ててパックリと口を開けた。

成功だ。


「ね?簡単でしょ?」


「ほ、ホントにできちゃいました‥」


まさか一発で成功すると思っていなかったのだろう。ミラは驚き目を見開いていた。


「一回成功すれば後は慣れるだけよ。まぁ試しにそのバスターソード仕舞って、もう一回出す練習をしてみたらいいんじゃないかしら?」


「わかりましたっ!!頑張りますっ」


それから森に着くまでにミラは繰り返しアイテムボックスの魔法の練習を重ねた。

そしてスライム等の魔物が生息している森に着く頃にはスムーズに物を出し入れできるようになっていた。


「さてっと‥着いたわね。」


「この森にスライムがいるんですよね?」


「えぇ、そうらしいわね。ただゴブリンとかもいるらしいから気を付けないとね。」


「うぅ‥緊張してきましたっ」


「大丈夫よ、スライム位ならそのバスターソードを叩き付けるだけで倒せるわ。」


それにミラのステータスなら素手でも簡単に倒せるはずだ。

緊張しているミラを安心させながら辺りを散策していると‥


「あ‥あそこ見える?」


私は茂みの奥を指差す。

そこには一匹で行動しているブルースライムがいた。

ちょうどお食事中のようね。


「見えます。あれを倒せばいいんですよねっ?」


「そうよ、ただ‥」


と、私が言いかけた時には私の隣にミラの姿はなかった。

まさかと思いスライムの方を見てみると漆黒のバスターソードを大きく振りかぶったミラがスライムの背後にいた。


「ん~‥やぁッ!!」


可愛い掛け声と共に振りかぶられたバスターソードがスライムに向けて振り下ろされる。

ズガアァァン‥と言う辺りを揺るがすような轟音とともにバスターソードがスライムに直撃した。

攻撃が直撃したスライムはスライムコアごと跡形もなく消え去り、そこにはバスターソードがめり込みヒビが入った地面だけが残った。


「やった!!倒せましたお姉様っ♪」


地面に深々とめり込んだバスターソードを引き抜きミラは大喜びしている。


「おめでとう‥って言いたいところだけど、ミラ今回の依頼の目的を覚えてるかしら?」


「えっと‥スライムコア?の回収でしたっけ?‥‥あっ!?」


ハッとなりミラは先程スライムがいたところを探すが当然そこにはスライムコアはない。

スライムもろとも消え去ってしまったからね。


「ま、次少し手加減してあげればいいじゃない?まだまだこの森にはスライムなんていっぱいいるしね。」


しゅん‥と落ち込んでいるミラの頭をポンポンと撫でながら私は言った。


「うぅ‥気を付けます~」


それからまた森を歩いているとまたスライムを発見した。


「こ、今度こそスライムコアをゲットですっ!!」


そう意気込んでミラは再びスライムへと向かっていった。

そしてまたバスターソードを振り下ろしかけたその時ピタリと手が止まる。


「お姉様‥これどうしたらいいんですか?」


「‥‥?どうしたの?」


「この子がテイムしてほしいって言ってるんですけど‥」


プルプルと震えているスライムを指差してミラは言った。


「えっ!?」


まさか‥テイマーでもないのにスライムが自分からテイムしてほしいなんて、そんなことがあるの?

その真意を確かめるためにミラの方へと近づくと、ピコンという音とともに私の目の前にステータス画面のような物が表示され、そこには‥スライムが服従を望んでいますと書いてあった。


「‥‥これ、テイムじゃなくて服従契約の申し入れね。」


「服従契約ですか?」


「えぇ、テイムは魔物と心を通わせないとできない契約なんだけど‥服従契約は魔物の方から自ら奴隷になるっていう宣言よ。私も経験するのは初めてだわ。」


テイムは魔物と対等な友好関係を結ぶ契約だが、反対に服従契約は魔物との奴隷契約だ。

初めての経験に戸惑っていると‥


『服従宣言から90秒が経過しました。沈黙は了承とみなしブルースライムの服従が承認されました。これよりブルースライムはアリシア・モドレット、及びミラに絶対の服従を誓います。』


と、頭の中に天の声が響く。


「えっ!?ちょ‥」


90秒以内に決めなきゃいけないなんてそんな時間制限あったの!?


「お姉様‥この子どうするんですか?」


「どうするも何も‥ねぇ」


私の足にスリスリとすがり付いていたスライムを両手で持ち上げる。


「あなたは本当にこれでよかったの?」


私達の言葉が理解できるかはわからないがスライムに問いかけるとプルプルと震えた。

良かったということなのだろうか‥


「ま、可愛いペットって思えばいっか。」


この特徴的なまん丸ボディはなかなか可愛い。

それに抱き締めるとひんやりとしてて気持ちいい。


「ミラも抱いてみる?」


「はいっ♪」


私はミラにスライムを抱かせてあげた。


「ふわあぁ~‥ぷにぷにで気持ちがいいですね~♪それにひんやりしてて気持ちいいです~」


「あんまり強く抱き締めちゃうと死んじゃうかもしれないから気を付けるのよ?」


それぐらいスライムはか弱い魔物だ。

扱いには気を付けてあげないと。

服従契約とはいっても奴隷のように使うのは可哀想だからね。

それに奴隷とか私嫌いだし‥

そしてスライムとともに森を歩いていると目の前に新たなスライムが現れる。


「あ‥いたいた。」


今度こそスライムコアを‥とミラがバスターソードを構えると、私が抱いていたスライムがピョンと飛んでそのスライムの前に立ち塞がった。

何をするつもりなのかと二人で見守っていると、現れたスライムに向かって思い切り体当たりを始めた。


「た、戦ってくれてるわね‥」


「スライム同士の戦いってこんな感じなんですね~、私達のスラちゃんがんばれ~!!」


私達が見守るなか数分後、遂に私達のスライムが相手のスライムを体当たりで打ち砕く。

そしてスライムコアを抱えてこちらに戻ってきた。


「頑張ったわね、ありがとう。」


スライムコアを受け取り、ポンポンとスライムの体を撫でた。

でも、多分この子だいぶ傷付いてるわよね‥

これ以上戦わせちゃうと死んじゃうかも。

かといってスライムってどうやったら回復するのかしら?

悩んでいると私はある方法を思い付いた。


「耳掻きすれば回復する?」


でも、スライムに耳ってないわよね‥

物は試しと耳掻き棒を手に持ちスライムを太ももの上に乗せると、スライムの体の構造が私の頭に流れ込んでくる。


「ここに入れればいいのね‥」


スライムボディのある一点、どうやらそこが音を感じ取る器官のようだ。

私はそこにゆっくりと耳掻き棒を挿し込んで軽くクチュクチュと掻き回す。

気持ちがいいのかだんだんとスライムはとろけ始めた。

そしてちゅぽんと耳掻き棒を引っこ抜くとスライムの体が緑色の光に包まれた。

スライムが仲間になりました。

果たして耳掻きをされたスライムはどうなってしまうのか‥次回をお楽しみに

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