第12話
一週間ぶりですね作者です。
最近インフルエンザや新型のコロナウイルスが流行ってきているので皆様もお気をつけ下さい。
ギルドを出て街に出てきた私達はあるお店へと向かっていた。
「そういえばミラはどんな武器を使いたいとかあるの?」
「う~ん‥私武器とかって使ったことないんで特にこだわりはないです。逆にお姉様のオススメとかってありますか?」
「オススメ‥オススメねぇ~」
ミラはマスターファーマーだからある程度農耕器具の扱いには慣れているはず‥っていうかほぼマスターしてるはずよね。
それを含めて考えると、案外斧とかハンマーとかを使わせたら馴染みやすいかも。
「私はミラの職業を考えたら斧かハンマーが合ってると思うけど‥まぁ、武器屋に行っていろんな武器を触ってみた方がいいわ?それで自分に合ってるのを選べばいいのよ。」
「わかりました!!」
それから少し歩くと武器屋の看板が見えてきた。
私自身こういうお店は初めて来るから少し楽しみね、どんな武器が置いてあるのかしら?
早速中へと入ると中にはずらりと剣や斧等様々な武器が並べられていた。
「いらっしゃい、武器をお探しかい?」
「えぇ、この子に合う武器が欲しいのだけれど‥」
私達を出迎えてくれた店主らしき人にこちらの要望を伝えると
「任せな、そんぐらいお安いご用だ。そっちの嬢ちゃんは見たところ剣とか武器ってもんを扱ったことがねぇな?」
「あっ‥は、はいっ!!」
「ほんじゃま‥まずはいろんな武器に触ってみるこったな。あぁ‥安心してくれまだここに並べてあるやつらは刃を丸めてあるからな間違っても切れたりしねぇよ。」
ミラの不安を見抜くように店主は言った。
にしても親切な店‥普段からミラのような客を扱い慣れているのかしら?
そしてミラはいろんな武器を手に取ったりしているなか、ある一つの武器を手に取った時表情が変わった。
「わ、私これがいいですっ!!」
「じょ、嬢ちゃん‥よくそれを片手で持てんな、一応そいつは今並べてある武器の中でも一番重量級のもんなんだが‥」
ミラが手に取ったのは大剣‥バスターソードと呼ばれる刃渡りが2m近くあるとても大きな剣だった。
刃の厚みもかなりあるし、相当重いはずの代物をミラは片手で軽く持ち上げている。
「だ、ダメ‥ですか?」
「い、いやぁ!!ダメってことぁねぇが‥嬢ちゃんそいつを持ってちょっとこっちに来てくれ。」
そう言った店主に私達は店の裏へと案内された。
店の裏は少し広い空き地のような場所になっていて、木偶人形や射撃用の的が何体か並べてある。
「そいじゃあ、そいつを振り回してみてくんねぇか?」
「わかりましたっ!!‥‥えいっ!!」
ミラはまるで細い木の棒を振り回すが如くバスターソードを振り回した。
振る度にバスターソードが風を切る音が辺りに響く‥
その姿を見て店主はあんぐりと口を開けて固まってしまっていた。
「こ、このぐらいでいいですか?」
「あ‥あぁ、十分だ。」
あれだけ激しくバスターソードを振っていたというのにミラは息一つ乱していない。
これもレベル99の恩恵なんだろうか‥
「な、なぁ嬢ちゃん‥一つの質問なんだが、もっと重いヤツでも振り回せそうか?」
「う~ん、多分大丈夫だと思いますっ。」
「そ、そうか!!じゃあちょっと待っててくれ!!」
ミラに確認すると店主は駆け足で店へと戻っていった。
「ミラ‥あなた凄いじゃない。こんな大きいの普通扱えないわよ?」
「えへへ♪これもお姉様の耳掻きのおかげですよ~」
ミラのことを褒めていると、店主がなにかを引きずってこちらへと戻ってきた。
「んぎぎ‥!!っハァッ、ハァッ‥」
店主が引きずってきたのは真っ黒な刀身のバスターソードだった。
引きずる度に床と擦れあい火花が散っている。
「だ、大丈夫ですか?」
「あ、あぁこいつが例のもんなんだが‥持てそうか?」
ぜぇぜぇと息を切らしながら店主はミラに問いかけた。
「よっ‥」
ミラは店主からその黒い刀身のバスターソードを受け取り片手で持ち上げた。
「これ、振ってみてもいいですか?」
「ま、マジかよ‥好きにしてくれ。」
呆ける店主を背にミラは軽くそのバスターソードを振った。
その瞬間ゴウ‥と凄まじい剣風が辺りを駆けめぐる。
「これ凄い手に馴染みますねっ♪」
一つの剣を振ったミラはこちらを振り返り満面の笑みを浮かべて言った。
「ははっ‥とんでもねぇな。そいつを軽く振り回すとは‥」
店主があんなに重そうに引きずってきたバスターソードを軽く振り回したミラを見て思わず店主は笑いがこぼれてしまっていた。
「ねぇ、あのバスターソード‥魔鉄でできてるんじゃないの?」
私は真っ黒な刀身のバスターソードを見て、店主に問いかけた。
「おっ!?嬢ちゃん‥よく知ってんなぁ。」
「残念だけど‥あの量の魔鉄を使ってる武器を買える位のお金は持ち合わせてないわよ?」
魔鉄は普通の鉄と違いとても重い物質で、鉄よりも圧倒的に価値が高い。
あのバスターソードを見る限り刀身の殆どに魔鉄が使われているから相当の値段がつくはずだ。
「あぁ、それなら心配すんな。どうせ誰も使いこなせねぇから売れねぇと思ってお蔵入りしてたヤツだ。そっちの嬢ちゃんの今後に期待して餞別でくれてやるよ。」
「ホントにいいの?」
「あぁ、いいとも。ただ‥あのバスターソードのメンテナンスをすっ時ぁ俺に任しちゃくんねぇか?」
魔鉄は持ち主の魔力に反応して少しずつ変化していく物質だ。
恐らく店主はミラが使う魔鉄のバスターソードがどんな風に変化していくのか気になるのだろう。
「それぐらいでいいならお安いご用よ。」
「契約成立だな。」
そして店主は魔鉄のバスターソードにしっかりと刃をつけてミラに手渡した。
「ほいよ、嬢ちゃん。大事に使ってやってくれや。」
「はいっ!!ありがとうございました!!」
「また来るわ。」
「おうっ!!気ぃつけてな!!」
店主にお礼を言って私達は店を出た。
「えへへ~♪あの店主さんいい人でしたねっ♪」
「そうね、大事に使うのよ?」
「もちろんですっ!!」
ミラは今背中にバスターソードを背負うような形で持ち運んでいる。
それのせいで少し歩きにくそうだ。
「ミラ、歩きにくそうね?」
「ば、バレちゃいました?」
あはは‥と苦笑いしながらミラは言った。
「私が収納して上げるわ。貸しなさい?」
「すみません‥お願いします~。」
そして私はミラから魔鉄のバスターソードを受け取る。
相当ステータスが上がっているのにそれでも重い。
こんなのをミラは振り回していたのね‥
ミラのすごさを改めて感じ、アイテムボックスにそのバスターソードを入れた。
「後でミラにも空間魔法を教えてあげるわ。その方がいいでしょ?」
「はいっ!!」
「ふふっ♪じゃあ武器も調達できたし、早速スライムを倒しに行きましょっか。」
そして私とミラはスライムを倒すために街の外を目指して歩き始めた。
次回ミラvsスライム!?
お楽しみに‥




