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涙色ピック  作者: カツ丼
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歌うのが好きだから、それ以外に何かあるの?

二日後、部活動紹介での演奏。

無事に一曲終えて、ボーカルを募集していることも言い、軽音楽部の紹介は終わった。

「栄治ぃ、コレで食い付く奴いるのか?」

さぁ、一種の賭けさ。と返して、大池は学食を買いに行った。


この日はまだ三時限授業期間だったので、たくさん練習できる。問題は、学食のおばさんがおまけしてくれた焼きそばパンだ。四人分のつもりで買ったが、「あんた、食べ盛りだね〜もう一つおまけしとくよ」と勝手に一つ増やされ、消費法を考えていた。量も多く、とても一人で二つも食べられない。痛む可能性もある。

悶々としていた時、突然ドアが開いた。


自然な金髪に、凛とした立ち姿。

「君だよね。部活動紹介の時のリーダー」

呆気にとられていたが、その女はズケズケと部室に入る。

バンッと机に叩きつけたのは、入部届けと書いてある紙。

「15HR(ホームルーム)浦部(うらべ)香織(かおり)。軽音楽部入部を希望します!」

「とりあえず…入部動機は…」

「ボーカル募集してるって言ったよね。何だっけ、ビートナンチャラだっけ?歌うのが好きだからさ」

「…それだけ?」

「そ、それだけ。歌うのが好きだから、それ以外に何かあるの?」

大池にとっての彼女の第一印象は、「ゴリ推し性悪っぽい」だった。

まあいい。これで5人だ。


午後1時半から練習が始まった。ただ、集合は1時だった。浦部の紹介をするためだ。

先に全体に紹介して、その次にバンドごとの練習場所に移動する。その日は吹奏楽部が休みで空いている第1音楽室(イチオン)に移動した。

「待ってる間に動画で演奏見たけど…完成度は高校生バンドとしては上出来だね。でも、ギターがヘタッピ過ぎてウザい!ドラムもサイレントドラムだから音量補正入ってるけど、実物叩いたら音小さいと思う!ベースもキーボードも楽しんでない!楽譜ガン見してる!」

「…すんません」

「落ち込んでないで!ギター以外は自信持てればいい!そっちだけで音合わせて。ギターは完全下校ギリギリまで特訓!」

いい人なのか、悪い人なのか…

結局、大池以外は普段同様5時に練習を終えて、大池は8時前まで特訓して行った。

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