終わりの始まり
蝉の声とともに太陽が暑く照り輝いている中、むさ苦しい男子どもと俺、一茅和人は午後のプールの授業を受けていた。
「おい、和人。やっぱ最高の眺めだよな。」
とアホらしい会話をしかけてきたのは、同じクラスの親友、成田一正だ。
「そういうの興味無いし」
「つれないなぁ〜、あっ!東雲さん良いよね!あのボディ、最高だぜ!」
「お前なぁ…凜、結構気にしてんだぞ…」
東雲凜、同じクラスの女子で、真っ黒のポニーテールである。性格は規律正しく凛としている。そして、俺の幼馴染でもある。
「あっ、そういえば和人と東雲さんって幼馴染だっけ。良いなぁ…羨ましいぜ!俺もあんな幼馴染いたらなぁ…」
「いたらいたで困る事も結構あるぞ。」
「なんでさ?」
「そりゃ、お互いの事を良く知ってるからってのもあるしそれに……っとにかく色々あんだよ!」
「おい、なんだよその間!さてはお前、東雲さんの事好きなのか?!」
「っばか!ちげぇよ!」
「ちぇ、面白くねぇなぁ。」
こんな感じでプールの授業が始まろうとしていたとき、突然、頭の中に何か不思議な映像が流れた。
「助けて…!」
「……!?」
頭の中で誰かが助けを呼んでいた。一体なんだ?と思いつつ、頭の中に流れた映像をもう一度思い出しつつ確認した。
すると、助けを呼んでいたのはプールの中だった。
プールの中?俺はどこか嫌な予感がした。
もしかして、本当に誰かプールの中で溺れてるとか?でもそんなことありえない。夢でも見ていたんだ。
しかし、授業の終わりに先生が不安そうな顔をして、
「おい……菅谷どこだ……?」
俺は嫌な予感がした。
さっきみた映像で、誰かが溺れていて死んでいた、そして今菅谷君がいない。
俺は先生に断り無しに立ち上がって恐る恐るプールの中を覗いた。
するとその中に、溺れ死んでいた菅谷がいた。
そう、嫌な予感が的中してしまったのだ。俺は、
「先生、菅谷がプールの中で……」
俺はそういうと、先生を含めみんながプールの中を覗いた。
すると、発狂する人、泣き叫ぶ人、体調不良になるものなど、クラスのみんなは狂ってしまった。
「おい、一体どうなってんだよ……」
一正もそういって下を向いてしまった。
俺は酷い罪悪感と悔しい気持ちでいっぱいだった。
悔しい気持ちで押しつぶされそうになった。
そして、一つの疑問が浮かんだ。
さっき見えた映像は一体なんだったんだ?
まるで未来でも見えていたかのようだ…
しかしこのときはまだ、和人は想像も出来なかっただろう。
これから先、とんでもないことに巻き込まれるだなんて、そして、絶滅の淵に立たされるなんて思ってもいないだろう。
そして、世界の真髄まで辿り着かなければならないだなんて……