ゲーセン
ランジェリーショップに入っていった妹を見送った俺はハンバーガーショップにて、期間限定のチーズメガ盛りチーズバーガーを食べていた。
うん、とても美味しい。メチャクチャな量のチーズがかかっているのに、くどくなくて食べやすいし濃い味のソースもチーズの香りを引き立てていてすごく良い。
セットのポテトも食べようと、紙袋に手を伸ばすとリリィが店に入ってくるのが見えた。
袋も何も持っていないようだが、買うのはやめたのだろうか?
「ねぇお兄ちゃん!水色とピンクどっちが好き?」
「緑」
「違う!水色とピンクだったらどっちの色のブラの方がいいと思うか聞いてるの!!どっちか選んで!」
似合う色を決めかねて迷っていたようだ。買うのをやめたわけではなかったらしい。
だからと言って、どうしてそれを俺に聞いてくるのだろうか……?自分で決めて欲しい。
なんでかって?妹の下着姿を想像する兄は普通に気持ち悪いだろうがっ!!
そして、声がでかい。もう少し静かにできないのだろうか?
「おにーちゃん!無視しないでっ!お兄ちゃんならどっちのブラをつけてる私が見たいの!?」
切実に静かにしてほしい。周りの人がチラチラとコチラを見ている。
絶対に、『え?あの人、妹の下着選んでんの?きもっ』とか思われている。
こやつは恥ずかしくないのだろうか?ハンバーガーショップのど真ん中で自分の将来つける下着の色を叫んでるんだけど。
こんなことを考えている間にも、リリィはギャアギャアと騒いでいる。
多分、ちゃんと答えないと一生進まない感じだ。まあ、好きな色を答えるだけだ。断じてリリィのつける下着を想像して選ぶわけではない。
……まあ、どちらかというと水色の方が似合う気はするけど
「…………水色?」
「わかった!水色にするね!!」
わざわざ小声にしたのに…なんでわざわざ大声で言うんだ…
しばらくして、小さな袋を抱えたリリィが店から出てきた。
なぜか、スーッと近づいてきたリリィが俺の耳に手を当ててきた…耳に当たる息が生温かくて少しこしょっぐたい
どうでもいいことなのだろうと思いつつ、何を言われるのかと、少し身構える……
「お兄ちゃん、さっき測ってもらったら、サイズ一個上がってたよ」
「しらねぇよ」
本当にどうでもいいことだった。
誰が興味あるんだ、妹の胸のサイズとか。
いや、全く興味がないわけではない。ないけど!そう言うこと想像する兄はキモいだろ!?
えっと、確か前、Eになったって言ってたから…ABCD・・・F!?
F!?
驚きすぎて、一瞬リリィの胸元に視線が吸い込まれた。
「お兄ちゃん、えっち…」
「い、いや!見てない!見てないぞ!?お兄ちゃんを信じろ!?」
「ふーん?見てもいいんだよ?お兄ちゃんなら」
頬を染めながら、チラリとコチラに視線を向けてくるリリィ…無駄にエロい…
ど、どこで覚えたんだ!そう言うの!!
お兄ちゃんそういうのあんまり感心しないかも!
無言のまま、少し歩いて俺たちはそう言う雰囲気に…
「わっ!おにーちゃんゲーセンいこゲーセン!FPSやりたい!」
ならない。なるわけがない。俺がならせない
「時代はFPSだよ!FPS!」
「いや、ゲーセンにFPSはないぞ」
「え…?ないの?」
リリィが、がーん!と言う文字が背後に見えそうな表情でピシッと固まった。
そ、そんなにショックか?確か家にSwatchあるだろ?APEYとかやればいいんじゃないか?
「じゃ、じゃあ太鼓の玄人する…え?これはあるよね?」
「大丈夫だ。あるぞ」
うわ、うちの妹…可愛い。テンションが上がっているのか、歩くたびにぴょこぴょこと効果音がなりそうだ。
多分目を離したら連れ去られるな…可愛すぎるもん
太鼓の筐体にたどり着いたリリィは、バチをめっちゃ真ん中で持って叩き出した。
うーん下手くそ…重なっていない太鼓ですら三個に一個くらいミスっている…
のだが、太鼓叩くたびにすっごい。何がとは言わないけどすっごい揺れてる。何がとは言わないけど。
「見てお兄ちゃん!クリア!!」
「おぉ〜すごいなぁ」
難易度普通をギリギリでクリアしていた。
リリィ…お前案外鈍臭いんだな…
その後、なんとか3曲クリアしたリリィは、肩で息をしながら振り向いた。
「はぁ、はぁ…お兄ちゃんも、やる?」
「いや、俺はいいや。他にもやりたいやつあるのか?」
「じゃあ、UFO取りたい!」
「UFO…?」
「ゲームセンターにはUFOがいるって先生が言ってた!」
……多分、UFOキャッチャーのことを言ったのだろう。
うちの妹はサンタさんがいるとまだ信じているタイプのピュアな子だからな。
すんなり信じてしまったのだろう。
…FPSに続いて夢を壊すのはなんだか良くない気がする
「あー、このゲーセンにはいないんだよな…UFO」
「え、そうなの?」
「あぁ、結構レアなんだ」
「そっかぁ、じゃあクレーンゲームでお菓子とろっ!」
食べ切れるかわからないくらい大量のガムと干し肉を手に入れた。
これ、母さんに怒られそうだな…




