MGUBU
めるに連れてこられた部屋には一機のBUが置いてあった。
「……なんか、さっきのより細くない?案外近くで見たらこんなもんってだけ?」
「これは、最新型です!」
「最新…?」
「そうですッ!MGUBUです!」
MGUBU…だと!?
…………なんか、すごく…響きが悪いな…
「それはなんの略なんだ?」
「も《M》のご《G》っつう《U》ごきやすい武《B》装した宇《U》宙服ですね」
「ものごっつの部分絶対いらないじゃん。MUBUの方が響きいいよ。なんならUBUでいいだろ」
「なんか、長い方がかっこいい気がしたです」
……中学生男子みたいな価値観ッ!?
「で、さっき画面に映ってたのとどう違うんだ?」
「それはですね…すごく動きやすいですっ!」
「それは名前で分かってんだわ」
「あとはすごく防御力が貧弱です!」
「チェンジでッ!!!」
「無理です」
なにが悲しくて動きやすいかわりに脆弱なものを着て戦場に行かなきゃならねぇんだよ…
「ほら、さっさと着替えて乗り込むです」
「え、着替えるの…?えっち……」
「戦争に行く前に死にたいみたいですね?」
渡されたピッチピチの黒タイツに着替えると、めるに促されてコックピットに入る。
中に入ると、なぜか使い方がわかる気がした。
『MGUBU起動します……』
ウィーンと言う起動音とともに、あたりが青白い光に満たされる。
制御棒を握ると、脳内に勝利への道筋が浮かび上がる
「おいおい、まじかよ……」
万能すぎないか?『英雄の素質』さんよぉ…こんな馬鹿でかいロボットすら才能の範囲内なのかよ?
「める〜ちょっと自信出てきたわ」
「急にどうしたですか…?あ、それは試作品だから壊していいですよ」
「壊れる前提の宇宙服を着せるのはどう言うつもりなんだ…?」
てか、壊れたら死ぬんじゃないの?ねぇ、めるさん?目を逸らさないで?ねぇ、「『有人飛行』があれば宇宙空間だろうがなんだろうが生きていけるですし」じゃないから、俺多分それまだできないから、ねぇ?
切実な訴えを完全に無視された俺は、砲台的なものにセットされ、宇宙船の前方から射出されて外に出たMGUBUに乗せられていた。射出された勢いそのままに、グルングルンと回転するMGUBUの中で俺はガチャガチャと制御棒を弄ってなんとか体勢を立て直す。
「なんか、アーケードのロボットゲームみたいな感触っ!ちょっと楽しい!!」
『エルスくんはそこらへんに散らばってる宙賊の機体の残骸とかから使えそうなの持ってきてです。ヴォルが守ってくれるはずです』
「分かった〜」
襲われる心配はないらしいから、適当に飛び回りながら、回転しているモーター的なものや、線が切れていないなにに使うのかはわからない複雑な機械を回収した。
BUの背中に取り付けられた籠もいっぱいになったし、そろそろ帰ろうかな
「……って、あれ?」
……ここどこですか?
ま、迷子のお知らせDEATH!!
し、死ぬっ!?そ、そうだっメルに連絡を……
「無線的なものは………あ、切れてる…」
切れてるぅぅぅぅ!!絶対メルさんもキレてるし!!ヤッベ!まじやべってこれまじで
どうしよ?宇宙1日目で遭難しちゃったZE⭐︎
銀河は超えてないはずだからそんなに遠くはないと思うけどNE⭐︎
「とりあえず、きた道を戻ってみるか…?」
振り向いて、戻ってみたが結局自分がどこにいるかをさらに見失う結果になった…
…遭難したら、その場から動かない方がいいってのは本当だったようだな。奇しくも、雑学の真実を見つけてしまったようだ。
ふっ罪な男だぜ、全く……メルさん、いつきてくれるかなぁ…
「どうしよう…だれか〜助けて〜」
『マップが使用できますが、使用しますか?』
「……マップあるの?」
『本機が移動した際に取得した情報に基づいてマップを作成しました』
「有能だっ!」
すげぇ!さすが最新式っ!!紙技速攻(笑)とか宇宙用投身自殺機とか言ってごめん!!本当に!!
MGUBUさんが出してくれたマップを見ながら戻っていると、半壊したでっかい宇宙船が漂っているのを発見した。
「…あれ、お宝ありそうだよね」
急いで帰らなきゃだけど…マップあるからもう迷わないし…もうすでに遅れているんだから、寄り道したってあんまり変わらないよな…?
よっしゃ!突入しよう!男は夢と希望を追い求めて偉大なる海に飛び出すんだいっ!!
「お邪魔しまーす!」
宇宙船の横に空いた穴から、中に侵入する。
おぉぉ!すごい!!なんかめっちゃ成金って感じのものがいっぱいある!!
中に置かれている物の中から高そうなものを片っ端から籠に突っ込んでいく。
なんか、すっごい金色の盃とか趣味の悪いクリスタルの骸骨とか銀色の龍が巻き付いた剣とかがあった。
最後のはかっこいいから貰えそうなら寮に持って帰る。玄関に飾ってあるのをみて、はしゃぐルナの顔が目に浮かぶようだぜ。ふぅ(気だるげでダウナー気味のかっこいいため息)
「他には何かないかなぁ……」
がたんと、後方で何かが倒れる音がした。
「だれだ…?」
振り向くと、一体のBUがこちらに銃口を向けていた
「テメェ…軍の奴だな?だがよォ、こんな狭い場所じゃあ俺様のレーザー銃で蜂の巣になるだけだぜェ?わざわざこんなところに入ってきた自分を恨むんだなぁ!ヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」
BUの搭乗者と思わしき人間の声が聞こえると、銃口が光ってレーザーがこちらに向かって飛んできた。
ヤッベェなんかめっちゃはえぇ!?
バチりと、視界が歪んで今に戻る…
「あっぶねぇっ!?」
「なんで避けれるんだよっ!?」
ら、ラプラスさんっ!!あんた、あんた本当に頼りになるよっ!!
『ラプラスの悪魔』のおかげでレーザーを避けられたことに安堵しつつ、3番格納庫から刀を取り出す。
俺の背丈の1.5倍くらいの刀身は、人間が持つには大きすぎるがBUが持つにはちょうどいいサイズだ。
「あ゛ぁ゛?テメェ…舐めてんのか?」
「え、なにが…?」
突然怒り出した相手に俺は困惑する
「刀よりどう考えても光線剣のがつえぇだろうがッ!」
「あ、そう言うこと…?なんか慣れてる方がいいかなって…」
「そんな懐古爺以外つかわねぇよおなハリボテじゃあ、光線剣よりもつえぇレーザー銃に太刀打ちできるわけがねぇがなァ!」
うっわ、なんか、きもい…銃撃ちながらあヒャヒャヒャて笑ってる…きっも
光線銃を乱射し始めた相手のレーザーは『ラプラスの悪魔』のおかげで全て避けられる。
まじラプラスさんさまさまっすよ。足でも揉みましょうか?ゲヘヘ…
おぉい!無視すんなや!?返事しろよぉ!!!
「なんで当たらねぇ!?掠りもしねぇのはおかしいだろ!?」
「MGUBUすごいな。BUの性能がわかんないからなんとも言えないけど、命令を入力してからのラグが全然ない」
「ごちゃごちゃ言ってねぇで当たりやがれっ!」
後退しながら撃つ相手を追いかける。
あいつ頭悪いのかな?当たらないんだからやめればいいのに…
『ラプラスの悪魔』と『英雄の素質』のおかげで、お粗末な銃げきの間を縫ってBUの目の前まで接近した。
「ひッ!!な、なんで、なんであたらねぇんだよッ!?」
「才能のおかげだよ」
「くそうッ!卑怯だろっ!才能持ちはっ!!」
「あ゛ぁ゛!?お前も不意打ちしただろうが!」
「それはベクトルが違う卑怯だろッ!?てか声怖ェわ!!!」
自分のことを棚に上げて、他人にあたるのは本当に良くないことである。こいつは自分の声が怖いことに気がついていないのだろうか、まったく…
そのまま、一度もレーザーに当たることなく相手のBUの目と鼻の先まで近づいた俺は、こちらに向いた銃口を切り落とした。
わあ、すっぱり…ギコギコはしません
「一度刃が入ったら、スーーーッ」
「ヒィッ!?何言ってんだよ!?」
「うん、地上と同じ感じで振れてるな」
「な、なんでそんな金属製の刃ですっぱり銃口が切れるんだよッ!」
「才能の効果…かな」
「テメェの才能はどう見ても別物だっただろうがッ!適当こいてんじゃねぇぞカスガッ」
突然男がピンクのベストを身につけた筋肉自慢の芸人を馬鹿にし出したので、腕と胴を接続する動線を切断してから、拘束した。
面白いのにな…オード◯ー…一体何が気に入らなかったのだろうか
拘束したBUを背中にくくりつけてから、ゆっくりとMGUBUのマップに従って宇宙船があるであろう場所に帰った。
結局、宇宙船に戻るまで3時間くらいかかったし、めるにもめちゃくちゃ怒られた…
『もう勝手な行動はしません』と誓約書を書かされて、その日は解放された。
襲ってきた男は、なんか収容部屋とかいうのに入れられたらしい。なんか、暗くて寒い感じの怖い部屋だった。
途中で寄る星で引き渡すんだとか……報奨金とかが出るのかな?
それから1週間、宙賊を退治したりしなかったりしながら銀河を渡っているとついに一度星に着陸した。
初めての地球以外の星だ。ワクワクとドキドキが止まらないぜ
あとがき
どうも、すばるです。
今回、ちょっと実験的に結構戦闘描写中にネタを詰め込んでみたのですが、読みにくくなかったでしょうか?
実は、今回の章はあんまりシリアスしたくないので、ネタ多めで書こうと思っていまして…と言ってもすでに二章は短めにしているのでもう描き終わっているのですが。もし読みにくいという声が上がるようでしたら、書き直して行こうかなと思っておりますので、コメントやら何やらで教えていただければなと思っております。
今回、ネタ多めで書いていく上でYOUTUBEに上がっている作業用漫才を執筆中に聞いていたのですが…めちゃくちゃ面白いですね。NONSTYLEやら、金属バットやら、適当に流して聞いていました。
そしたらですね、座っている時間の半分以上執筆の手が止まっていました。
気づけば1話書くのに普段の2倍以上の時間がかかっていたんです。本当は1日で二章の原案だけ書き切ろうと思っていたのに1日目が終わった時にまだ7話しかかけていませんでした。ちなみに、2章は16話あります。2日目には、なんとか原案を書き切りましたが、ちょっとぐちゃぐちゃすぎて推敲するときに困りましたね。それはもう、ほんっとうに困りました。
キーボードで打っているため割と誤字をするのですが、1文の中に4個誤字があったりして、その文章で何が言いたかったのかもはや意味がわからなかったりして。俺は何がしたくてこの文章を書いたんだよっ!?って突っ込みながら推敲していました。
そして、ちょっと気になってしまったのでチャッピー(Chat GPT)にお願いして、誤字をピックアップしてもらうと、約5万文字のなかに両手両足の指を2往復しても足りないくらいの誤字がありました。
もしかしたら、チャッピーも気づいていない誤字があるかもしれないと思うと背筋が凍りますね。誤字報告待ってます。
よくないですね。ながら執筆。全く集中できていなかったみたいです。
ながらといえば、うちの家食事中にテレビをつけない家だったんですよね。見たいテレビがあっても、誰かがご飯を食べてたらつけちゃダメっていうルールがあって。勝手につけたりすると、本当に烈火の如く怒られたんです。
だから、俺とか弟が夜8時くらいから始まる番組に見たい番組がある日は、帰ってきた父をご飯の前に風呂に入らせたり、色々と策略を巡らせていました(笑)
ここまでこのルールが徹底されている家って少ないとは思うのですが、中学2年生で友人の家に泊まりに行くまでそれが普通だと思っていました。
読者のみなさまの家ではどうでしたか?
食事中のテレビ禁止に限らず、普通だと思ってたけど実は変なルールだったこととかありませんか?
もしあったら、この話の感想とともに感想欄において言ってくださいまし。
…今回のあとがき長いですね?言いたいことがたくさんあってついつい書きすぎてしまいました。
では、皆様も何かをしながらで失敗をしないよう気をつけてくださいね。
2日後に会いましょう!
この話が面白い、続きが読みたいと思ってくださった方はこの下にあるお星様をぽちーっと押していってくださると、作者が大喜びします。
…え?いやいや、別に人生リセットされたりはしないので。是非ともお願いします。
では、また。




