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ミメーシス・エイドロン  作者: すばる
1章

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29/30

自慢

その後、終電を失った俺はこの家で一夜を明かし……しいなを恋愛対象として見られるようになっていた


やべぇ、やべぇよぉ…一晩中耳元でしいなに愛を囁かれて、反対の耳では延々と俺の声で『しいな愛してるよ』と聞かされ続けて…愛してるよがゲシュタルト崩壊を起こして脳を侵して、正常な判断ができなくなり始めていた…できる限りあの家には近づかないようにしよう……

こんな生活が1ヶ月も続いたら、一回鬱を経過してからしいなを女神のように信奉する信者が誕生するかもしれない…


フラフラと、寮に帰って、共有スペースにピザを置く。

ルナを連れて、訓練場に向かって、ジャージに着替える


「どうしたの?エルス君が誘ってくるなんて」

「まともな精神を……取り戻したくて……」

「何があったの…?」


ジャージ姿のルナを見て、脳内に水色の萌え袖が投影される


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!消えろぉぉぉぉぉ!!!煩悩よ消え去れぇぇぇぇぇぇ!!!」


顔を青くして、木刀で頭をボコボコにする。

シールドが割れて、木刀が額に当たって血が流れる。


「エルスくんが狂っちゃった……」


頭がクリアになって、脳内からしいなを追い出すことに成功する


「よし、今度こそやろう」

「え、その血の処理はしないの…?」

「え…?うわ、血出てんじゃん…なんでだ…?」

「自分を木刀で殴っておいて覚えてないのなんなの…?」


一回血のことは無視してジャージに着替える…

ジャージを見ると、胸がざわついたが嫌な予感がして意識を逸らす


「ふぅ…ふぅ…早く構えろよ…」

「なんで凶暴化バーサクしてるの…?ちょっと怖いんだけど…」

「早くしろっ!俺が俺じゃなくなる前にッ!!!」

「ゾンビウィルスに侵された人やめな?……まぁいいや。やろっか」


ルナの木刀の軌道を見てから、受け流す


「あれ?『ラプラスの悪魔』は使わないの?」

「……あ、忘れてた」


帽子屋に言われて不思議の国では外してあったんだった

『ラプラスの悪魔』を発動して、木刀を構え直す


「あれ、エルスくんなんで泣いてるの…?嫌なことあった?」

「え……?」


帽子屋のことを、三月ウサギのことを、ハンプもダンプも、みんなを思い出す時は笑おうと思ってたのに……涙が出ていた


「今日のエルスくん、情緒が不安定だね…やめとく?」

「いや、やろう」


涙が、頬を伝って…床に落ちる


踏み込んで、木刀を振り下ろす。

木刀を投げつけて、木刀を生成しようとして……作れない


「アァァァァァァ忘れてたァァァァ!」


木刀を回収させてもらえなかった俺は、ルナに一方的にボコボコにされて終わった…


その後はルナが相手をしてくれなかったので寮に帰った…


「今日のエルスくん…変だよ?なんか変なものでも食べた?」


闘技場からの帰り道、ルナが訪ねてくる。


「いや、大丈夫だ。ちょっと頭の中が整理できてないだけだから」

「そうなの?なんか困ったことがあったら言ってね」


寮について、ルナと別れて部屋に戻る


「あれ?なんで、帽子が……?」


ベッドの上には、不思議の国で帽子屋が作ってくれた帽子が置いてあった。

不思議の国から、持ち帰れたのだろうか…しいなの物もあるから、明日にでも持って行ってやろう…

今日はしいなに会う予定もないしな…って違うッ!しいなはまだちっちゃいからッ!変な目で見ちゃダメだからッ!

帽子を持ち上げると、中からがさりと袋が落ちてきた。

明らかに入りきらないサイズだったんだけど…?


「なんだこれ?」


よく見ると、赤茶色いそれは大量の茶葉だった。

帽子の中を見ると、紙が一枚が入っていた。


『エルスくん、吾輩は遠慮するなと言ったはずなのだがねぇ?茶葉が残っていた時は目を疑ったよ。吾輩達は世界の崩壊と共に消えるというのにこんなにあっても困るからねぇ。美味しい淹れ方は同封してあるから是非これを飲みながら吾輩を偲んでくれたまえよ。それじゃあね、エルスくん、さようなら。すぐ再会するような事にならないことを祈っているよ』


俺は、手紙を折りたたんで棚の一番上に丁寧にしまう。

ちゃんとラミネートして保存しよう。すでに涙で滲んではいるがこれは仕方がないだろう。

鍔が異様に広い帽子を頭に乗せて、茶葉を持って一回の料理用スペースに向かう


「寮長、なんすか?似合いすぎてらしくないっすよ?(笑)」

「センス最高だろ?」

「えっ!?泣いてる!?そんなに気に入ってたんすか!?」

「あぁ、いや、なんでもない。目に埃がダイレクトアタックしてきただけだから」

「へーてか、寮長紅茶飲むんすね。淹れてるの初めて見るっす」

「淹れるのは初めてだよ」


ついてきた寮生の分も、カップを出して、紙に従って紅茶を入れる


「えぇ〜初心者の紅茶って美味しくないんすよね〜」


そう言いながらも、離れないのはなんでなんだ…


「せっかく寮長がご馳走してくれるなら集っとこうかなって」

「おい、寮長って言ってもお前らより金ないんだぞ」

「やーいびんぼーにーん」

「それ、言う相手ミスったらいじめに発展するから気をつけろよ?」

「ウィーッス」


チャラい返事を返す寮生を横目に時間が経ったのを確認して、紅茶を注ぐ。


「ちなみに、これ、なんて名前の紅茶なんすか?」

「すまん、俺も知らないんだわ」

「えぇっ!?名前も見ずに買ったんすか!?」

「いや、友達からもらったんだよ」

「へー、寮長友達いるんすね」

「いるわ!」


帽子屋が入れたのより少し色が薄いそれを一口飲んでみる。

うーん、微妙だな…


「ん!?なにこれっめっちゃうまいんすけど!?なんで微妙そうな顔してるんすか!?」

「いや、友達が入れてくれたやつの方が美味かったから……」

「なんすかそれ!?めっちゃ飲んでみたいんすけど!?いいなぁ、今度会う時教えてくださいよ」

「いや多分、もう会わねぇよ」


それを聞いて、一つの結論に思い至ったであろう寮生が顔を伏せる


「すみません…そういうの無遠慮に突っ込んじゃって」


俺は帽子の鍔を掴んで軽く持ち上げて、寮生に向かって笑いながら言った。


「いや、いいんだ。これをかぶってるのもただお前に紅茶を飲ませたのもーー」


ーー友達のセンスを自慢したかっただけだからな

あとがき

皆様2日前ぶりです。すばるです。


そしてそして、なんと!1章、これにて終章でございます!

いやあ、29話ですか?いろいろ書きましたね……もはやネタ以外の何者でもなくなってしまった寮の先輩とか、何が面白いのか分からない体育大会とか…なんとか平定しましたけどエルスくんの風呂敷を広げすぎた不思議の国とか…2話前まではそこを書いてたはずなのにもはやとても久しぶりな気がします…

こんな拙い文章を数十万字も読んでくださった読者の皆様には感謝しかありません。本当に(倒置法)

それはそれとして、どうでしたか!?この1章!割と気合を入れて執筆推敲それぞれ時間をとっていたのですが!


面白かったところから、読み辛かった言い回しなどなど気になった点など随時お待ちしておりますので!ぜひコメントに書いていってくださるとありがたいです!

あとここの下っ側にある五個並んだ星も、面白かった分だけ押していただけると幸いです!

それ以外にも顔文字の評価なども励みになりますのでぜひとも押していってくださいね!


そして、次の更新の話なんですけど、実は2章は書き上がってはいるものの、推敲が全くできていないんですよね。なので次の投稿はお休みして、その間に推敲をしようかなと思っております。つまり、次の投稿は1月14日(水)になる予定ですのでご承知おきくださいませ!と言うことですね


それでは!1章の間付き合って下さった方ありがとうございました!また4日後に会いましょう!さらば!!

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