手紙
真っ二つになって傾いたテーブルの上では、ポットがお茶を垂れ流して赤茶色のそれは机から血が流れているようだった。
それを跨いで超えた俺は、頭を失って、力無く項垂れる帽子屋の体を抱き上げる。
「何で…勝手に死んでやがるんだよ…!?」
喉から、掠れた声が漏れる。
声にならない絶叫が、森に吸われて辺りは静寂を保っていた。
「なんでっ!なんで…俺に、守らせてくれ無かったんだよっ!?お前ら……戦いは不向きだとか言ってたじゃねぇか…!頼れよっ!」
そうだ…たんすの一番上…見に行かないと…しいなを、守らないと…
家に戻って、広場の惨劇をしいなに見せないようにしながら、帽子屋の家に入る。
箪笥の一番上を開けると、二枚の紙が出て来た。
一枚目はこの世界からの脱出方法。
そこには、女王が持っている世界の鍵を使わなければいけないこととかが記されていた。
「おいおい、帽子屋…3日かかるんじゃねぇのかよ…まだ、2日も、経ってねぇぞ…?」
いやに、冷静な脳内で帽子屋の言葉が反響する。
『吾輩を待つ間はそこの家で過ごしてくれたまえよ。君たちの安全は吾輩が保証するからねぇえ』
あの時から、こうなることがわかっていたのか?
なら、どうして言ってくれなかったのか、脳内で疑問が水泡のように浮かんでは消える。
疑問の答えを求めるように、もう一枚の折り畳まれた紙を開く。
そちらには二人からのメッセージが書かれていた。
『やあやあ、エルスくんとしいな嬢、君たちがこれを読んでいるということは、吾輩達は君たちを守る選択をしたのだろうね。
おそらく、というか確実に吾輩達は死んでいるのだろうが、吾輩達は後悔などはしていないよぉお?くれぐれも、自分を責めたりしないでくれたまえよぉお?後追いなんてもってのほかなのは、君たちもよぉく理解していると、吾輩達は信じているからね?
あんまり吾輩達が多く語っても君たちをここに留めるだけだろうからねぇえ、一旦、連絡事項だけを伝えさせてもらうとしようか。
まずねぇ、吾輩達を殺す笑い猫だが、君たちを探してるみたいだよ?すまないが、理由は吾輩にもわからなかったがね。
君たちは鍵を求めて女王の所に行くのだろうが、十分に準備するとよかろう。
あと、おそらくだが、しいな嬢はこの世界において重要な役柄を担っているようだよ。吾輩は、笑い猫が君たちを探す理由はこれじゃあないかと思っているが過信はしないようにねぇえ?当然、こんなことは言わなくてもわかっているだろうが、死んでも彼女を守りたまえよ。奪われたり、殺されないようにね。
あぁ、それと吾輩の家にあるものはなんでも好きに持っていってくれたまえよ。吾輩のコレクションしかないが、何かの役には立つだろうさ。
遠慮なんて無粋なことはしないでくれたまえよ?どれも死者には無用の長物だからねぇえ。吾輩達の形見とでも思ってくれたまえ。
特に、ソファのそばの長机に置いてある帽子なんかは君たちに似合うように作ってみたのだが、お気に召すといいのだが
それじゃあ、最後に一言ずつ記して締めるとしよう。
エルスくん、吾輩は直接言っているだろうが君は何があってもしいな嬢を守ることだね。これは、役柄がどうって話ではないよ。君は守る物があってこそ輝くタイプなのだと吾輩は知っているからねぇえ。
最後はは僕からっ!えっとねっ言いたいことはたくさんあるけどっ!僕はエルスのことが大好きだよっ!だからっ!僕のことは笑って思い出して欲しいかなっ!じゃあねっ!バイバイっ!』
どこまでも、彼ららしく取り繕わない手紙を見て、俺は声が出なくなる。
握る手に力が入り、手紙の端がグシャリと歪む。文字の上に、斑点が刻まれるのを見て、俺は自分が泣いていることに気がついた。
無理矢理に、笑顔を作って振り向くと確かに机の上にはツバの広い中折れ帽とキャスケットが二つ目立つようにおいてあった。
しいなにキャスケットを被らせて、もう一つを俺も被って鏡を一瞥する。
「俺、三角帽も似合うのかもしれねぇな」
帽子を被ったまま俺は、椎名を連れて外にでる
「……二人を埋葬する?」
「あぁ、当然だ」
まだ、目から涙はこぼれそうだったがこれ以上二人を野晒しにしておきたくなかった。
外に出て、二人をいるのかわからないが獣のおもちゃにされることがないように深く掘った穴に埋める。
なぜか帽子屋の頭だけがいくら探しても見つからず、日が暮れた頃に諦めて、穴を埋めて上に墓石代わりに俺の木刀を刺して墓碑とした。
「帽子のお礼だ。帽子を見せに、また来るから、それまではこれで身を守ってくれ」
そう言って、手を合わせる。
振り返って、暗い森の中を歩き出す。
夜が明けてから出発することも考えたが、その時間も惜しかった。
「それじゃあ、王城を目指すか」
頷いて、俺の手を握ったしいなの手は、震えていた。
「……笑い猫は、どうする?」
「懲らしめるよ。なにがあっても」
しいなの問いに、俺はもっと酷い答えが浮かんだが、濁した。
しいなに、まだ幼い少女に、そんな汚い感情を見せるのは良くないからな。
帽子屋の手紙のとおりならこの世界から出るには、女王が持っている鍵とやらが必要らしい。
王城を探して歩いていると看板が現れた。
都合良くに王城を指している看板に従って歩き出すが、少しすると目の前には反対をさす先ほどと同じ看板があった。
「どう言うことだ…?」
「……どっちかの看板が嘘ついてる?」
二人揃って首を傾げていると、何かが近づいてくる足音がする。
「わあ!みてみてよ兄さん!とても可愛い女の子がいます!」
「わあ!本当です。とても可愛い女の子がいますね。」
すぐに刀を作って、警戒するが聞こえてきたのは気の抜ける会話だった。
みなさまどうも、すばるです。多分…すばるです。
戦闘シーン的なものが苦手です。脳内にあるものを文字に起こすのが難しすぎます…ボキャ貧ですボキャ貧
ボキャ貧といえば、うちの弟のボキャブラリーが情けなくて面白いんですよ。
すっごいクソガキなので、すぐにバカだとかアホだとかって言ってくるんですけど、それ以外にボキャブラリーがないから「すばるばか!アホ!えっと…ばぁ〜か!」みたいな感じで可愛らしいんですよ。
それと、投稿再開したばっかなんですけど、新作書いてます。多分、投稿し始めるのは1月末くらいになると思います。全然嗜好が違うのでこっちで使えなかったネタを消費したいですね。
あ、最後に昨日活動報告にも乗っけたのですが、めるちゃんのキャラデザ…というか設定を書き込みまくったラフ的なものを描いてみました。絵心が微塵もないので正直見苦しいものではありますがここの一番したにもURLをはっつけておきますのでぜひ、一見してみてくださいまし!(挿し絵はみたくないかたもおられるかも知らないので設定しないで起きます。)
では、2日後に会いましょう!
それでは!さよーならー!!
コメント・評価ぜひおねがいします!!
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更新頻度は上がりませんが作品のクオリティーがあがりますよ……!!
あ、コメント評価できない方も大好きですよ。
作者はアクセス解析みながらにやにやするタイプなので。
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