メガシンカ場外
『第一競技、寮長戦!!』
「え、?」
グラウンドの中央に集められた俺と他の寮長は睨みあっている。
俺、今からなにさせられる感じですか?
あ、そうなんですね、バトルロワイヤル形式なんですね。
いつから?今から?
おぉう、ちゃんとスケジュール見ておけば良かった。
「クカカッどうした?人間、怖気付いたのかぁ?」
「あぁん?ついてないわ。ちょっとびっくりしてるだけだわ」
「エルスはなににびっくりしてるんだ…?」
「スケジュール、を見て、なかったんじゃ、ないかな?」
「流石に阿呆すぎないか?」
阿呆で悪かったな!
ふざけていた俺たちは、準備の鐘が鳴って口を閉じる。
木刀を構えて、鐘がなるのを待つ
ーー再び鐘がなって、ルルを除く3人が飛び出す
俺は、フェリスに向けて振り下ろされたヴァリスの爪を弾く。
敗北条件はたった二つ。
自分がまとったシールドが割られるか、体の半分以上が場外に出ること。
「真っ先にお姫様を狙うなんて、悪いドラゴンでも気取ってんのか?」
「カカッ!絵本に出てくる龍は皆姫様を攫うものだろォ?」
「ただし、全部助けに来た騎士に殺されてーー」
爪に纏っていたシールドを砕きながら、俺は笑う
「ーーめでたしめでたしだ」
「敵の姫様を守って騎士を気取るのか?間抜けなやつだな」
「あいにくと、俺は守るものがあった方が燃える性質なんだ」
「もう、守るものはいないけどな」
振り向くと、そこにフェリスはいなかった
「え!?」
どこにいった……場外で、呆然とへたり込んでいるフェリスを見つけた
「青いのか……」
「せいかい、だよ〜。ぴんぽん、ぴんぽん」
『ワームホール』から落ちて、その先に新たに生成した穴に落下するのを繰り返しながら、短剣やら手裏剣やらを投げつけてくるルル。
その全てを、『ラプラスの悪魔』で見切って避け切る。
「ちょっと、先輩、とりあえず一緒にあのトカゲぶっ殺してから一騎打ちしません?」
「なっ!せこいぞ貴様!?」
ヴァリスがなんか言ってるがしらない。
敵の敵は味方なのだ。
「うーん、いや、かな」
そうルルが言って、ワームホールから伸びてきた短剣が俺のシールドを割るために振るわれる
「あっぶねぇ!」
「えるすちゃんの、ほうが、あぶなそうだし」
無駄に意気のあった二人の攻撃が、一気に襲いかかってきて俺はそれを必死に避ける。
「うわぁぁぁぁ!敵の敵も敵だったぁぁあああああ!」
ら、『ラプラスの悪魔』がなかったら即死だった……
数瞬後、右に開く穴を確認して俺はそれに合わせて木刀で突く。
パリンッと、音が響いて自分で木刀に突っ込んだルルが脱落して、俺とヴァリスの一騎打ちになる。
「お前、人間か?」
「生憎と、人間だよ」
再び爪を弾かれたヴァリスが、飛んで距離を取る。
「特別だ、お前には、本物の龍を見せてやるよ。」
そういったヴァリスが気力のようなものを集めて、光り輝くとシルエットが大きくなった。
「オイオイオイ、ほのお/トカゲタイプのポケモンはメガ進化すんのか?」
光が収まると、東洋の神話に出て来るような龍が、そこには存在していた。
お前、トカゲじゃなくて蛇だったんだな……
「カカッどうだ?まだ人間ごときに龍がたおせるなんて夢見てるんじゃないだろうなァ?」
威嚇するように、炎を口から吐き出してヴァリスは言った。
ーーが、
「なぁ、これって場外じゃないのか?」
明らかに、体の半分以上が場外に飛び出していた。
「……」
「……」
静かに、光を纏って龍人に戻ったヴァリスは退場していく
あっけない終わりに俺も、他の寮生も口を開けなくなっていた。
俺は、審判の女性と顔を合わせて静かに退場した。
「まぬけトカゲ♪メガ進化場外♪盛り上がった空気を一瞬で冷ます瞬間冷却器♪メガトカゲはアイスブレスを覚えた!」
「ん、ぐぬぅ…」
「どうしたの?自信満々で、ドヤ顔晒して、そのまま、負けた気分を、絵本にしたらぁ?」
ルルがめちゃくちゃ煽っている…
ヴァリスの左右に『ワームホール』を開いてぴょこぴょこ顔を出しながら反復横跳び的な感じで煽っている。
眠たそうな顔なのにニマニマニヤニヤとウザい以外の表現が見つからない
「せんぱぁい、ねぇねぇ、今どんな気持ち?今どんな気持ち?ドヤ顔のアホズラ晒して自爆した気分はどうですかぁ?ねぇねぇ、ねぇねぇ?」
「殺すぞ?」
「きゃあ〜力以外に取り柄のない頭の悪いクソトカゲが力に物を言わせてくるぅ〜」
ふー、ふーと炎と吐息を混ぜながら吐き出すヴァリス。
俺はルルが作った『ワームホール』に飛び込みながら反復横跳び煽りに参加した。
とても気持ち悪いが、まぁ煽る方がたのしいからがまんする
「お前ら、なにもできずに場外した私を間接的に煽ってるのか?それとも、もはや私など眼中にないか?え?」
「「「スゥ……」」」
横から目のハイライトを失ったフェリスが口を挟む。
なにもいえなかった俺たちは、なにも言わずに席についた。
『第二競技ーー』
競技が進み、白の寮は赤の寮と点数で競っていた。
俺は一旦寮長の待合室から出て、白の寮の観戦席に移動する。
「あっ!寮長っ!見てくださいっ!今赤より上ですよ!!」
「おう、いいな。で、次で最後だよな?競技なんだっけ?」
「えっと、寮代表戦ですね。確かうちからはルナちゃんが出るはずですけど」
寮から代表を集めて、バトルロワイヤルをするらしい。
シールドが割れるか体の半分以上が場外に出たら負けか
……それ寮長戦と一緒じゃん?
『第八競技 寮代表戦』
赤の寮の代表は、ファル・ニコラメ。全体的に筋肉質で、うるさそうな男だ。
青の寮の代表は、斎木理恵。黒髪をおさげにした、眼鏡をかけたおとなしそうな女の子だ。
黄の寮の代表は、エスラニコ・メネヴァス・フネリエア。小太りで、なんだかすごく偉そうにふんぞり帰っている。
白の寮の代表は、舞台上でこちらを見てニコニコしているルナ。木刀を一人で振り回している。
あれは素振りのつもりか?なんかすごいことになってるけど…?
あ、偉そうにしてたエスラニコが腰抜かしてる……
ーーカァンと鐘がなってルナが動いて、遅れて残りの寮も動き出す
「『極性付与』!!」
斎木が何か才能を使って、彼女を中心に他の3人が弾かれる。
弾かれたファルとルナは武器を地面に刺してその場にとどまるが、エスラニコは吹き飛んで場外まで飛んでいった。
木剣を構えて、死角に回り込んでいたファルがルナに飛び掛かる
「見えてる」
振り向きもせずに木剣を片手でルナが受け止めた。
「んなッ!?」
死角からの攻撃を防がれたファルは驚愕に目を見開いた。
「おわり」
ルナが木刀を振り翳し、そのままシールドが割られるかと思ったがーー
「クカカッ、追い詰められてるじゃねぇかァ?ファルぅ……?負けたら訓練倍増しだからなァ?」
「えっ!?ふんぬうッ!」
ーー邪悪なトカゲの掛け声に気を取り直したのか、気合を入れ直したファルの体から湯気が立ち上がり、その中から腕が一回り大きくなったファルが姿を現す。
筋肉が……弾けた…!?
「フハハ!みろ!俺の素晴らしい筋肉をッ!!!」
サイドチェストで膨張した上腕二頭筋を見せつけている
え、いや、腕の筋肉しかデカくなってないからすっごいバランス悪いよ?なんか怖いよ??
「き、きもい……本体の筋肉が普通だから……うわぁ」
「なんだとッ!?」
腕を振り回したファルがルナに近づいて、両者勢いよく弾き飛ばされる。
「んっ!?」
「うぬぁ!?」
なんとか場外に出ずに耐え切った二人は顔を見合わせーー
「あいつ、だよね?」
「だろうな」
二人の視線が、斎木に集中する
「え、えっと、てへっ?」
目を逸らした青の寮の生徒に、いつの間にか接近していたファルが腕を振りかぶる。
ルナはなにもしないのかと思ったら、思いっきり木刀を振りかぶっていた。
え、投げるの……?
立て続けに彼女を襲った二人の攻撃を碌に受け身も取らずに喰らった青の量の生徒のシールドが割れる。
「あれ?弾かれると思ったのに」
「フハハッ!筋肉の力だろうなぁ!これで一対一だなッ!」
腕力に頼り切っているファルにルナは木刀(投げたはずなのにいつの間にか持ってた)で応戦しているが、これ……攻撃を受けるだけでシールドけずれてない?
赤トカゲといい、きんにくんといい、赤の寮って脳筋しかいないから自慢のパワーすらまともに発揮できないんだな…かわいそ…
「で、その精一杯飾り付けした腕で、なにができるの?」
太い腕を振る以外の攻撃をしなくなったファルに、ルナが問うた。
確かに、最初は死角に回り込んでたりしたもんな。
その返答はーー
「ふんっ!!(前歯キラッ)」
ーーダブルバイセップスにて行われた
額に青筋を浮かべたルナが、無防備なファルに木刀を振りかぶる
「だからさ」
変わらず、歪すぎるそれにいやそうな顔をしたルナの木刀はその無防備な体をついて、あっけなくシールドを割った。
試合終了を告げる審判の掛け声とともに、白の寮の勝利が告げられる
「筋肉は、均等につけなよ」
俺の周りで歓声が上がり、遠くからトカゲの血管が切れる音が聞こえる。
とても爽快である。
グラウンドで行う競技は全て終わり、残すは『寮対抗戦争』だけ。
正直、白の寮の寮生だけでルルとフェリスならともかく、ヴァリスが倒せるとは思えないからいかにますを集められるかが勝負の鍵となるだろう。
グラウンドを移動して、そのグラウンドよりさらに巨大な建物に俺はひっくり返った
地の文でのキャラの呼び方があんていしてないです。
本当に情けないですね。
ちなみに、未来では基本的にエルス君の使っている呼び方で固定しているつもりです。
時々ぶれているかもしれませんが…(汗)
こんな保険かけてるあたり未だ情けないですね。
こんな情けない作者ですが、作品には全てを込めていますので、私のことは嫌いになってもミメーシス・エイドロンのことは嫌いにならないでください……!!
では、2日後に会いましょう!
それでは!さよーならー!!
コメント・評価ぜひおねがいします!!
作者のモチベーションがアップします!
更新頻度は上がりませんが作品のクオリティーがあがりますよ……!!
あ、コメント評価できない方も大好きですよ。
作者はアクセス解析みながらにやにやするタイプなので。




