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________お風呂場 巴 夏目 千景
巴「不自然な所は無いですね…」
夏目「随分、広い風呂ですね。大浴場だ!」
千景「こらこら、夏目。状況が状況なんだから楽観的に考えない」
夏目「いやぁ、平和な部屋作りなんで修学旅行気分になっちゃいました!」
巴「まあ、あまり他の隊の人たちとは関わらないもんね。部隊ごとに学科も実技も違うし、雑務や食事くらいじゃなかった?」
夏目「そうですねぇ、あんまり他の人たち知らないから新鮮です!巴さんのいる医療部隊はやっぱり薬学に長けてるんですか?」
巴「そうだね、薬草とかの種類や調法、座学ばかりだったなぁ。あんまり実技は苦手だから」
千景「巴にはよく世話になったよ。僕たち特攻部隊は闇雲に攻撃して怪我ばかり増えるからね。治療時も巴に当たる日は嬉しかったなぁ。まあ人選が人選だから…」
夏目「ああ…四季雨先輩は煙草片手に危ない治療、摂津は不器用で適当過ぎるし、村雲は血見るだけで発狂してましたもんね」
千景「巴だけはまともで良かったよ」
巴「私の部隊、濃すぎませんか?」
_________食堂 桐生 紫野 摂津
桐生「ねえ、摂津。何で静かなの?お前らしくないね」
摂津「…………アンタのせいです」
紫野「えっ、摂津先輩…桐生先輩がいる時静かになっちゃうんですか!?」
摂津「ばっ…お前………!!」
桐生「へえ…俺がいるとそうなるんだ…へえ、成程ねぇ…ふーん」
摂津「ち、違いますよ!桐生先輩、古株だから緊張してて喋れないんですよ!」
紫野「あれ、でも摂津先輩……この間、『あの性悪糞野郎、古株だからって調子に乗りやがって』って言ってましたよね!」
摂津「お前、もう喋るな!!」
桐生「ふーん、摂津……じゃあ今日はたっぷり親密上げてこうか。お互いの」
摂津「やだあああああああああああああああ」
紫野「あらら」
___________各寝室 蘇芳 樹 影虎
影虎「蘇芳は夜明るく見えてるの?」
蘇芳「えっ…い、いえ…そこまでは…物の形がはっきり見える程度です」
樹「いいなぁ!僕も偵察時に夜だと見えないからやる気失くすんだよねぇ。蘇芳も偵察部隊に来ればいいのに!」
影虎「確かに、何で蘇芳は後衛部隊なんだ?お前、夜目が効くなら偵察部隊が適切だろうに」
蘇芳「いえ…その…………」
樹「ん、僕の顔に何かついてるのか!!」
蘇芳「ひっ…………な、何も…すいません!!」
影虎「…………あー」
樹「おっ、あそこにトランプがある!!」
影虎「樹先輩のパワフルさに着いていけなく入隊拒否した感じね」
蘇芳「…………僕には樹先輩が眩しすぎて…ちょっと苦手です」
影虎「元気の塊だからなぁ…あの人」
蘇芳「…はい」
影虎「ところでさ…」
影虎「さっきの暗闇で何を見たの?」
蘇芳「…………え?」
影虎「俺もお前ほど夜目は効かないが、暗殺部隊のメンバーであるから多少の夜目は効く。さっき、俺にはぼんやりとしか見えなかったけど…村雲が踏んだあれって何?」
蘇芳「それは…………」
影虎「人間の一部とか?」
蘇芳「……………………っ!?」
影虎「答えて」
蘇芳「……………手首…です…」
影虎「へえ…あんなところに転がってるなんて…不気味だね」
蘇芳「もう、腐敗していました…」
影虎「と、すると…この施設は俺らがここの来る前にも使われていたってことか…手首が落ちてるなんてびっくりだけど…まあ、追々分かってくるか。悪いな、蘇芳。嫌なこと思い出させちゃって」
蘇芳「先輩…僕の兄貴…………ずっと連絡不通なんです。メールも既読しない、電話も出ない…何か…あったんですかね…」
影虎「…………どうだろうね。まあ、この間の佐助先輩の死とは関連深いんじゃないか?」
蘇芳「何で知って…!?」
影虎「俺たち暗殺部隊は情報が回ってきやすくてね。詳細までは分からないがあの事件ももう耳には入ってる。お前には悪いが…兄貴、死んでるかもな」
蘇芳「……………」
影虎「まあ、真相は分からない。気落とすなよ」