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>>>>>多目的ホール
涼風「………………………樹先輩?」
涼風は息の無い樹を見て涙を浮かべる。
樹の身体は心臓部が貫かれており、辺り一面血の池だ。
涼風「樹先輩………起きてください……」
返事のない樹に何度も問いかける。
涼風「………樹先輩、樹先輩!!」
涼風は樹を背負い、部屋を出る。
涼風「(早く……早く……保健室で……手当てを……)」
廊下に樹の血がぽたぽたと垂れ落ちる。
涼風「(絶対助ける……もう少し我慢してて下さいね……)」
長重「……む、涼風……何をして………っ!樹……!」
涼風「樹先輩は僕が助けます。絶対に……」
涼風の目は虚ろだった。
そんな涼風に長重は、
長重「涼風……、樹はもう……助からない……」
涼風「助からない……?どうして………?」
長重「もう、樹は死んでいる……」
涼風「死んでない……先輩は死んでない………」
長重「涼風!現実から目を逸らすな!!」
涼風「うるさい!!!!!!!!!!」
普段は大人しい涼風が長重を睨みつける。
涼風「樹先輩は……強いんです…!!こんな所で息絶える訳……無いっ!!!」
長重「………涼風」
涼風「先輩は僕の全てなんです……。お願いだから……僕から先輩を奪わないで……」
涼風は長重の横を通り過ぎる。
長重「………………………これが、生き地獄か」
長重はただ、涼風を見つめるしか出来なかった。




