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>>>>>後衛部隊寝室
磯波「…………紫野。四季雨だけが出てきたことで嫌な予感はしたが…本当に…………」
八柳「必ずゲームごとに犠牲者が出るようになってます。これから先、何が起きるんでしょうか」
蘇芳「…………澪都?」
澪都「このゲームが終わる時、何人生き残ってるんだ…………」
八柳「澪都、落ち着いて」
澪都「落ち着けるわけない!!!!俺は自分が死ぬのは耐えれる…、でも、皆が死んでいくことは耐えられない…!それに、この間みたいに休憩時間にも誰か犠牲になる。…………もう、どこも安全な場所はない!!」
蘇芳「澪都…………」
磯波「…………お前らは一番、自分の命を優先しろ。この先何があろうと」
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磯波「(皆、もう精神的に辛くなってる。こいつ等を守るのは俺なんだ。だから、平常心を持て…。もう、誰も死なせたくない…………)」
磯波は廊下に出ると、そこには零の姿があった。
零はにっこりと笑って話し出す。
零「今日は、ごめんなさい。その………」
零は笑顔だが、手は震えていた。
磯波「…………少し、話さないか?」
零「…………はい」
磯波と零は空き教室に入る。
零「手、弾いちゃって………怪我、してないですか………?」
磯波は零を真っ直ぐ見つめた。
磯波「…………嫌な事、思い出させてすまなかった」
零「…………ぇ」
磯波「お前の事、何も分かってやれなかった……あんな事があったのに軽率だった。申し訳ない」
零「なんで…貴方が謝るんですか。やめてください。………軽蔑しましたか、俺の事」
磯波「しない。俺はお前を尊敬する」
磯波は零の頭を撫でた。
磯波「お前は強いよ。でも、少しは甘えてもいいんだぞ」
零「…………っ」
零は肩を震わせて、磯波の服を掴んだ。
零「ごめん、なさい………少しだけ、このままでいさせてくれませんか?」
磯波「ああ、気が済むまで」
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少しすると、落ち着いたのか、零は話始める。
零「俺が男娼だった。あの話は、本当です。今でも、手を掴まれたり、後ろから襲われるのは、あの時を思い出して凄く怖い」
零「俺の本当の父は、金に目がない人だった。5歳の頃、父の友人を家に招いて、俺を使って金を稼いだ。その時は、5歳だった。………そこから毎日、何人もの人に代わる代わる相手させられた。そんな俺の噂を聞きつけたのか、ある貴族が俺を買ったんです。100億で。父はあっさり承諾した。貴族の元に連れてかれても、俺の日常は変わらない。ずっとずぅーと、地下に幽閉されて、光なんか見ることは無かった」
磯波「誰かに助けを求めなかったのか?」
零「………1人居たんです。俺を助けてくれた人。俺を光の下に連れ出してくれた。でも………俺を連れ出した罰で殺された」
磯波「…………っ」
零「俺の目の前で首を刎ねられた。その時、悟りましたよ。………俺の味方は居ないって。その後も、トップの夜伽の相手として施設に来た。どこに行っても、俺の存在価値は変わらない。俺は………ずっと【人形】として生きて来た」
零は涙を流した。
零「俺は………こんなの望んでなかった。いくら高価な物や美味しい物を与えられていても、異形の愛で狂わされて……男娼として生きていくのを強いられてきた。俺は……俺は……普通に生きたかった……!」
磯波は零をそっと抱きしめた。
磯波「よく頑張ったな。もう、ここには苦痛は存在しない。…………お前の敵は居ないんだよ。ありがとう、話してくれて…」
零は磯波のぬくもりに目を見開いた。
零「(こんな人が……家族だったらよかったのに……)」
零は涙を拭うと吹っ切れたように笑った。
零「ありがとうございます、磯波先輩。澪都たちが貴方を過大評価する理由が分かりました。…貴方は本当に優しいお方だ。……ねぇ、先輩。貴方になら、話してもいいのかもしれない」
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零「ある日を境に……トップの夜伽の相手は無くなりました」
零「それは5年前、俺があの日……トップの部屋に行ったら、そこには【誰かに殺されたトップの姿】があったんです」
磯波「トップが……!?」
零「でも、施設には当たり前の様に、あの人は居る。きっと、卒業式の時もいた筈です。俺の見間違えじゃなかった。確かに、あの日……死んでいたんです。それが、今回の事に何か関係があるかは分かりませんが。この状況は…絶対に偶然じゃない。……真実が隠されている」
磯波「…………真実」




