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______探索終了
真狩「お前たち、久方ぶりに沢山喋るからってろくに探索せず雑談のみで戻ってくるとは…呆れたぞ」
「「申し訳ございません」」
真狩「まあ、いい。この部屋は仕掛けは無いと考えていいだろう。俺が見張っておくから、お前らは寝室で少し休め。朝方には脱出策を考える」
皆、部隊ごとに寝室に向かい、状況を説明し合った。
静月「しかし、綺麗に掃除されているね」
八柳「誰か住んでいたんでしょうか」
紫野「うーん、こんな地下で人が住んでいたんでしょうか…ましてや隠された通路の先にあるなんて怪しいですよね。娯楽グッズも沢山ありますし」
澪都「監禁されてても、こんなに充実した物が揃ってるなら暮らしていいかも!」
八柳「いつまでここに居るか分からないのに呑気だな」
澪都「何も起きてねえじゃん!悩むだけ疲れるって。教官もいるし、変な野郎が来ても俺等ならこてんぱんに倒せるだろ?そうっすよね、磯波先輩!」
磯波「いつもいつも油断してはいけないと言っているだろう。今この状況は明らかに異常事態だ。あの会場に入った瞬間の睡眠薬の霧…確実にテロ犯行だ。今頃どこで誰が見てるか分からない。変な隙を見せるなよ」
澪都「なあ、蘇芳…このテレビの下にうふふな本があるぜ!最高!!」
蘇芳「駄目だよ、澪都…皆もいるし…」
澪都「見ていいっすか?」
磯波「この状況で!いいという訳!無いだろっ!没収だ!!」
澪都「わぁー!ケチー!」
磯波「このマセガキが…!」
八柳「あの…磯波先輩……、この間の事件話した方がよろしいのでは」
磯波「………………」
八柳「状況が状況ですし、あの事件と何か繋がりがあるのなら…皆には周知すべき情報だと思います」
磯波「……………そうだな。静月、紫野。お前らに言う事がある。1年前、座学や訓練、雑務が休止になり自室待機の命令が下された時の事を覚えているか?」
静月「ああ、澪都君がお酢入れて壊した時でしたっけ?」
澪都「そこ覚えて無くていいでしょう」
磯波「あの日…佐助先輩がいらっしゃったんだ」
紫野「えー、そうだったんですか!?自分も会いたかったです!」
磯波「あの日……………佐助先輩は自害した」
紫野「……………え」
静月「自害…ですか…?」
磯波「千景先輩から…部屋に入るなり様子がおかしく、自らの手で首を刈り取ったと聞いた。俺と八柳が着いた時にはもう、首と体が離れた先輩だけだった。その場は澪都も蘇芳も見ていた。信じられんが間違えのない事実だ。その調査もあり、自室待機命令が下されたんだ」
静月「あの待機にはそのような意味が……通常ですと、この島を出た卒業生はもう二度と戻ってくることは無い筈です。何故、先輩はまた島に…」
磯波「分からない。ただ、佐助先輩は蘇芳と楪の顔を見ると何かに恐れ怯えてた様だ……。間瀬先輩の名前を出していたと…」
紫野「間瀬先輩って佐助先輩と同じ特攻部隊の…、そして、蘇芳先輩と楪先輩のお兄様ですよね」
蘇芳「うん。兄貴と佐助先輩は凄く仲が良くて、いつも二人で居た……あんな顔するような相手じゃないのに…」
磯波「死んで償うと言っていたらしい…」
八柳「償い…何かの過ちを犯した…。それが間瀬先輩と繋がりがある。…蘇芳のお兄様は…その…もう…」
蘇芳「死んでいるかもしれない。考えたくないけど…佐助先輩の手で…」
磯波「蘇芳には悔やまれるが…その推理が正しい可能性が高い。しかし、あの様に仲が良いお二人がそんな事をするとは思えない。何かに巻き込まれたんじゃ…」
紫野「……巻き込まれたって。今この状況と同じなのかも」
磯波「拉致されこんな地下に閉じ込められてるのは裏がある。だから、皆気を抜くんじゃないぞ…………って、澪都、何吞気に漫画読んでるんだ!」
澪都「新刊ありました!これ読みたかったんですよねぇ」
磯波「危険な状況下で呑気に本なんか読みやがって、いいか!澪都!俺らはこれからどんな危ない事に巻き込まれるか分からないんだ。頼むからしっかりやってくれ!」
澪都「そんなこと言っても、何も起きて無いじゃないっすか。起きた時に考えましょう」
磯波「それじゃ遅いんだ!」
八柳「先輩…、今は少し休憩しましょう。いつでも戦えるように。俺が番してますから、ゆっくり休んでください」
磯波「……いや、俺が起きてる。皆は寝ていろ」
八柳「それじゃあ、先輩の負担が大きいです」
磯波「少しは先輩を頼れ。そして信じろ…………ほら、早く寝な」
そう言い、磯波は部屋を出て行った。




