表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/36

8. 黒板消しあそび

すべての授業が終わったあと、つまり放課後。

今日の日直である僕と亜久さんは、黒板を掃除しているところだった。


「よし、もう黒板はいいんじゃないかな。あとは黒板消しを綺麗にして終わり」


「うん。これ凄い真っ白になってるもんね」


チョークの粉で汚れきった黒板消しを見て、亜久さんは小さく笑った。


「そういえばさ、学園モノの漫画とかでさ。黒板消しをドアに挟んで落とす、みたいなイタズラってよくあるよね」


こうやって。

僕は手にしていた黒板消しを、教室の入り口のドアに挟んでみせた。

僕の冗談に、亜久さんは面白がりつつも、


「やめなよ、百々瀬くん。先生が来ちゃったら大変だよ」


と軽く咎めた。


そうやって暫く黒板消しでワイワイやっていた僕らだったが。

ふと、亜久さんが何かを思い出したように口を開いた。


「あ、日直日誌!先生のところへ持ってかないと」


教卓の上に広げられた日誌を閉じ、亜久さんはそれを両手で抱えた。


「じゃあ私、ちょっと職員室行ってくるね」


「お願いしていいの?ありがとう」


僕の言葉に微笑を返し、教室を出ていこうとする亜久さん。

…待って、さっき挟んだ黒板消し──!


ポスッ。

意外と地味な音を立てて、黒板消しが亜久さんの頭上に落下。

ただちに真っ白な煙が辺りを覆った。


「亜久さん…!大丈夫!?」


けほっけほっ!

亜久さんは大きくむせこんでいる。


「ごめん、亜久さん」


「大丈夫、気にしないで…へーきだから…」


本当にごめん、亜久さん。

でも、まさかこんな形で引っ掛かる人がいるとは……思わなんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ