表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/100

5. 購買めいぶつ!

”購買名物!巨大カツサンド”──。

僕は、そう書かれたポスターの前に立っていた。

100円玉を2枚握りしめて。


『百々瀬くん、お願い。購買で買ってきて欲しいものがあるの』


午前中の授業が終わり、昼休みに入ってすぐのこと。

僕は亜久さんからお使いを頼まれた。


彼女のお望みは、ウチの学校の購買部で売られている”巨大カツサンド”である。

一つ200円というお手頃価格ながら、分厚いパンにはみ出んばかりの大きなチキンカツがサンドされた、非常にボリューミーでコスパ抜群の逸品なのだ。

このカツサンドが以前から気になっていたという亜久さんだが、


『女の子が買うにはちょっと…ね?』


とのことである。

そんなわけで、僕が代わりに買いに行くことにしたのだ。


「巨大カツサンド、ひとつ下さい」


購買部のおばさんに200円を渡し、無事カツサンドをゲット。

そして、教室へと戻ると。


亜久さんは、凛とした佇まいで僕の帰りを…否。カツサンドの到着を待っていた。

まさかこんな可憐な少女が、”購買名物”を欲しているとは誰も思うまい──


「買ってきてくれてありがとう。さあ百々瀬くん、召し上がれ」


へ…?


カツサンドを受け取った亜久さんは、それをそのまま僕の眼前に近づけてきた。


ん???

ドウイウコト…?


「こんな凄いの自分じゃ食べられないから…。私は百々瀬くんが食べてるのを見てるだけでいいの」


言われるがままカツサンドを頬張る僕を。

亜久さんは、すごく幸せそうな表情で見守っている。


本当に、なぜなんだ…。

”いっぱい食べる君が好きなんだ”的な?いわゆるデブ専的な…?

意味がわからないよ、亜久さん。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ