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12. 隣のとなり

「そういえばさ。百々瀬くんの下の名前って珍しいよね」


休み時間。

隣の席に座る亜久さんがそう話しかけてきた。


たしかに僕の名前はかなりレアモノかもしれない。


”百々瀬となり”。

それが僕のフルネームだ。


少なくとも僕はこれまで17年間生きてきた中で、同じ名前の人に出会ったことがない。

やっぱりSSR級そんなありがたいものではないがに珍しいのだろう。


ちなみに気になる名前の由来は、というと。

かつて両親が学校で隣の席同士だったことが出会いのきっかけだから、らしい。

なんか適当に決められてやしないか、僕の名前。


「…そんなバカな話があるかって思うけど、一応マジメに考えたらしいよ」


「私は素敵だと思うけどな、”となり”っていう名前。なんか安心する」


ありがとう、亜久さん。

君のその一言で、自分の名前を好きになれた気がするよ──。


そして。

亜久さんはじっと僕の顔を見つめ、イタズラっぽく目尻を細めてみせた。


「これからもよろしくね、”隣のとなり”くん?」


「…うん」


こうやって名前を揶揄われたことは幾度となくあったけど、不思議と亜久さんに言われても悪い気がしない。

むしろ、嬉しいくらいだ。


素敵な名前をありがとう、お父さん&お母さん。

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