励ます会の帰り道
私の頭皮ハゲ面積が増しております。つまりハゲ増す会です。
嗚呼、励ます会とはなんなのか。
(↑本編とは全然関係ない抜け毛ホラー)
「元々は書籍化記念の打ち上げ予定で店の予約したけど、励ます会になっちまったな」
「でも、次、応募したら、書籍化確実だよ」
「私、挿絵のイラスト用意するね」
「……ありがとう、みんな」
そして、少人数の飲み会は解散となった。
「ほんと、チャットルームの近場の人達が集まってくれてよかったねぇ。ほら、帰ろっか」
「う、うん」
私は、彼女と一緒に帰り道を歩く。
彼女は、私の推し作者。そして私は、彼女のチャットルームを運営している管理人だ。
友人としても付き合いが長いので、こうやって二人で歩くことも多くなった。
「ねぇ、どうしてあんなことしたの?」
「あんなこと?」
「チャットルームの新参の人のことよ」
少し前にチャットルームに入室してきた男が、彼女に対して失礼な発言をするので、別ルームでメンバーと口裏を合わせて、ボコボコにしてやったのだ。
「え?だって、あの人。入ってきた途端にエラそうなこと言ってきてうっとうしかったじゃない」
「でも、謝ってたよね」
「謝罪も軽い感じで、誠意とか感じられなかったし」
「批判された私が、許しているのに。エクストリーム謝罪みたいになっていたよね」
「……別にいいじゃない。そんなの」
彼女がこんなに怒っている姿は、はじめて見る。
「あの人がね……今回の書籍化の担当者だったんだ」
「え?」
鈍色の刃物が、私に突き立てられた。
刺されたのか、お腹が凄く熱い。
「今まで、ありがとう。でも貴方をユルセナイ」
鈍色の刃が、私の首筋を斬った。
(おしまい)
就活でSNSの裏垢をチェックされて、採用見送りとかありましたねぇ。よく似た感じで、書籍化するにあたって作者の周囲にややこしい狂信的なファンがいた場合も、出版後にトラブルの元となるから採用を見送るとか聞いたことがあります。
最近の就職活動は売り手市場ですけれども、書籍化となると使えそうな作者は、よりどりみどり……。どうせほとんど売れないし。
怖いですね、恐ろしいですね、ホラーですね。ちょっとだけ実話が混ざっていますね。書籍化より友人の方が大事と思う私は間違っているのですかね。
そして、7月9日の活動報告に載せたイラストを使うつもりが、使えなかったので残念です。