『第二章〜気付き〜』
『第二章〜気付き〜』
何が起きたんだ?
これはまだ夢の中なのか?
もし夢だとしたら、僕は未だかつてこんなに現実味を帯びた夢を見たことがない。
いや、待てよ。
そもそも小学生に戻ったとしたなら、なぜ起きた場所が実家じゃないんだ?
今住んでいるアパートでもない。
いったいここはどこだ!
真相を突き止めるために僕は知らない家を飛び出した。
ミーンミンミンミン...。
セミの鳴き声が夏らしさと共に今日の暑さを物語っている。
今日は何月何日なのだろうか?
暑さ的には8月初旬といったところか。
僕は右ポケットに入った携帯を確かめた。
ディスプレイに表示された文字を見て僕は驚愕した。
2023年8月7日。
ジャストだ!
いやいやいや!そこではない。
...え?ええ!?
身体だけが小学生に戻っているということなのか?
そもそもそうだよな。
小学生まで時間が遡ったとしたなら、携帯なんて持っているはずがない。
しかもガラケーでもなくスマートフォン。
僕が小学生の頃のことを思えば、まだこんな科学は進歩していないはずだ。
はぁ、いったい何が起こっているんだ...?
夢なら覚めてくれ。
特に面白みもないが平凡な生活に戻してくれ。
自分の顔を叩いても、頬をつねっても駄目だ。
.........目覚めない。
僕は、自分が今どこにいるのかも把握できていない。
そうだ!
携帯のMAPアプリで自分の家を検索して、まずはそこで作戦を練ろう。
スマートフォンのロックを顔認証で解除する。
そして、MAPアプリを.........ない!
ないなら MAPアプリをインストールしよう。
ん?アプリストアがないぞ?
このスマートフォン自体、何かおかしい気がする。
画面に表示されているのは、まるでゲームキャラクターのステータスのようだ。
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2023年8月7日AM8:20
Player アキラ
Level 7
HP 21
MP 14
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理解が追い付かない。
Level7?
齢7才ということか?
その時、一つの仮説が生まれた。
「...パラレル...ワールド?」