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水瀬雫は引き抜きたい5

私立聖泉学園は都内から少し離れた山に囲まれた湖の畔に立てられた学園だ。政界や財界などの要人の子供や、才能溢れる若者が全国から集まっている。寄付金や学費による資金も潤沢であり、各設備も充実している。教室は冷暖房完備、プールは屋内の温水プール、食堂は一流シェフが調理を行なうなど生徒が快適にすごすことができるようになっている。リムジンやヘリコプターなどで通う生徒もいれば、親元を離れ各自の別荘などで暮らす場合もあり、居住区に併設されて各種商業施設もつくられている。


「では、わたくしはここで。雫さん、また放課後に」


稲穂先輩と私は校門の少し手前でいつもと同じようにわかれる。もっと、いっしょにいてくれてもいいのに。校門の前では、リムジンが列をなしていた。校門をくぐると、赤レンガがが敷き詰められた道になっている。両脇には庭師たちが毎日世話をしている木々がならんでいて、とても美しい。正面には噴水があり、きらきらと陽光が反射してとてもきれいだ。

噴水の前には、腕章を付けた生徒が数名ならんでいて、生徒たちに挨拶をしたり、話しかけたりしていた。

「あらあらあらあら、朝からナンセンス!オンボロ寮の貧乏人が来ましたわ」

「うわぁ」

髪を巻いた金髪の少女が口元を扇で隠しながらやってきた。あーあ、朝から最悪だ。

「おはよう。コロネ頭。今日もカタツムリもびっくりな縦巻きね」

「なんですって!ナンセンスなご挨拶ですこと」

黙っていれば、フランス人形のような美しいが、彼女とわたしは犬猿の仲だ。彼女の名前は金剛寺阿吽(こんごうじあうん)何かと食ってかかってくるクラスメイトだ。どこかの地主の娘らしいが、なにかと競いたがってきて、嫌になる。

「いっつも、いっつも、喧嘩売ってきて、あんた」

「オーホッホッホ!伝統ある学園に貧相で貧乏なあなたは似つかわしくなくってよ?あら?あなた、手をけがしたの?」

わたしの左手を指さす。

「これは。ちょっと。朝」

「へー。そうなの。セバス。」

脇に控えていた初老の男に話しかける。

「はいお嬢様」

「この者を保健室へ」

「ちょ、いいって!大丈夫だから!」

「これだから、貧乏人は。唾を付ければ治るとでも?この学園はドクターも超一流ですのよ。そんなこともしらないのにこの学園に通っているなんて、ナンセンスですわ!」

彼女は言い放つ。なんか一言一言余計な一言がつくな。

「いいから、いってくるのですわ!セバス。つれておゆきなさい。」

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