夏(1)
話は夏まで続きました。
このあともベタすぎ注意報は外せれませんよ!
では、続きをどうぞ
━━━━━━━━夏━━━━━━━━━━
なんとも暑い
「いってきまーす」
広が玄関を出ると秀が待っている。今日は、終業式だ。
明日からは待ちに待った夏休み。宿題は早めに終わらせる派の広である。
「そいえば大会の日の帰りに言っていた彼女って誰なの?」
なんともストレートな質問を広がした
「映画研究部のヒロイン兼、編集の嶺岸 美波 だよ」
広はクラスが違うため分からない。
でも、秀が言うには大人しめな髪が長く
キレイな女子らしい。やっぱりヒロインだけあって可愛いらしい。
となりのクラスでは、少し有名だと聞いた
「やっぱり付き合うと楽しい?」
「楽しいよ」
言葉で言わなくても顔を見て分かった
学校に着いた
「今日は一学期最後の授業です」
その海先生から言われた言葉に時の流れの速さを感じていた。
午前中に宿題を配られて校長先生の話を聞いて帰る
「しっかり楽しむんだよ。でも安全第一だよ」
海先生が念入りに言う
そして午前中が終わると広は冬美に呼ばれ秀は美波に呼ばれた。
陽向は、誰にも呼ばれないと思っていた
「ねぇ陽向、今日は一人なの?」
陽向に声をかけたのは同じ陸上部高跳びの柴崎 沙羅だった。
「どしたんだ?」
この瞬間、陽向は自分の歯車が回るなんて思っていなかったのだ
「そのね、私…」
急に沙羅が照れ始めた
「陽向のことが好きです」
陽向の胸にハートの矢が刺さった。実は陽向も恋をしていた
いつかは、広たちに言う予定だった。
最初は教え合うだけの仲だったが徐々に距離が近くなっていき、いつの日か、お互いがお互いを思うようになっていた
「こんな俺で良ければ喜んで!」
相変わらず元気に答える
沙羅はポニーテールでフレンドリーキャラ
簡単に言っちゃえば陽向の女子バージョンだ
すごく二人は気が合う
その頃、秀は…
「八月二日空いてる?」
と美波に訊かれた
「まぁ映画の撮影がなければ」
相変わらず落ち着いて答える
「良かったら海に行かない?」
その言葉がハートの矢になり、秀に刺さった
秀は恥ずかしがりながらも
「いいよ」と答えた
その頃、二人で帰っていた広と冬美は喋りながら帰る。
「明日、広の家に行っていい」
「いいよ」
宿題を二人でやることになった
広は、すっかり国語を克服していた。もちろん冬美のおかげだ。
冬美も広も順位が上がってきている
ピピピ目覚ましがなる
広は慌てて起きるが夏休みのことを思い出した
ホッと息をつくとすぐに着替えて、部屋を掃除し、朝ごはんを食べた。
ピロリン、広のスマホが鳴った
今日は、いつもおじゃまさせてもらっているから、うちに来ない?
という冬美からのメールだった
朝ごはん食べたらすぐに行く!
と、すぐに返事してすぐに朝ごはんを食べ終えた。
ドキドキしながら扉を開ける
すぐ向かいなのになんだか一歩目がでない
鼓動がとてもよく聞こえる。
トコトコとゆっくりと足を進めていき
冬美の家へ進んで行った。そして門の前に立ちフーっと深呼吸
今、広は好きな人の家の前にいる
そんなことを思うとドキドキが大きくなる。思い切って人差し指を伸ばす。
ピーンポーン
その音が広の心に響いていく
ガチャと扉が開き笑顔で
「どーぞ」と冬美が言った
どーぞ、そんな短い言葉が心のハートに刺さる。可愛すぎる。
そして、ゆっくり中へ入って行った
「今日なんかゴメンね」
広が急に出した言葉だった
「そんなこと、言わなくても」
笑いながら冬美が言う
午前十時、夏休みの宿題が始まった
黙々と進める宿題だけど話は進まない
そんな中、時計はチクタクと進んでいく
「ねぇここどうやって解くの?」
冬美に訊かれた。冬美は数学をやっていた。
広が数学が得意なことを知っている。
「ここは、これを代入して━━━━」
広は、一生懸命教えた
「あーなるほど」
すぐに理解した
その後は、また黙々と進んだ。だけど、広は進まない。ドキドキが止まらない。
代入をすることを教えただけなのに陸上の大会ぐらいに緊張した。
十二時になった
二人ともお腹が空いている。
「ひろ~お腹空いた?」
「まぁ空いた」
「なら、作るね」
「あ、え、つく、え、おね、えー!」
動揺が隠しきれない
相当嬉しいのだ好きな人の手料理。これまでにない幸せを感じている。
「じゃあお言葉に甘えて」
冬美がキッチンへ行った。広もついて行く
材料は、ご飯に卵、ケチャップ、ベーコンに玉ねぎだ。
そう、オムライス
「なんか緊張しちゃう」
広が近くから見ているからだろう
すると、広は冷蔵庫からチーズとバターを持ってきた
「油じゃなくて代わりにバターを使うと風味が良くなるよ」
と、冬美に伝えて渡した
「へー試してみる」
そしてケチャップご飯が出来た。あとは卵だ。
「薄く優しく」
そんなことをボソボソ言いながら卵を焼く
そしてケチャップご飯の上に乗せようとした
「ちょっと待った!」
勢いよく広が止めた
「卵を乗せる前にチーズを」
と言ってチーズを乗せた
「チーズ溶けないよ?」
「大丈夫!ケチャップご飯と卵の余熱で溶けるよ」
すると、チーズがみるみる溶けていきご飯と上手く絡む。
「完成した!」
「うまそー」
広は、目を輝かしている
「いただきまーす」
2人が声を合わせて言った
「うまーーー」
広が思わず立ち上がって言った
「油の代わりにバターで卵の前にチーズいい情報を手に入れた」
ニコッと笑って広を見た
「でしょー」っと自慢げな顔をして言った
広は、あまりの美味しさにすぐに食べ終えた
「ごちそうさま」
皿を片付けた
冬美は、ゆっくりと食べているけど広を見て少し焦りながら食べ始める。それに広が気づいた
「焦らなくていいよ」
広が焦りながら言った
「ありがと」
ニコッと笑った。やっぱり可愛いな、と広が思う。
午後からも順調に勉強が進む
チクタクと時計の針が進む。一時間が経ったくらいに広が
「国語のこの問って」
やっぱり広に、国語は分からない
「そこはね、前半の文をしっかり読むこと」
「なるほど」
冬美は相変わらず教えるが上手である
会話が終わるとまた、黙々と勉強を始めた
そして、午後の三時になり二人の宿題は全て終わった
「やっと終わった」
広がお父さん座りをしたまま後ろに倒れた
「大変だったね」
冬美が言う
「だけど今回の宿題は、冬美が教えてくれたから早く終わったし、楽しかった」
「私も広に教えてもらえたから楽しかったよ」
と、またもやニコッと笑って言った
「まだ外、明るいしなんか遊んでく?」
「いいの?」と目を輝かせる広
「うん」冬美は首を縦に振った
ゲームが始まった。
広は意外だがゲーム音痴だ。冬美は意外だがゲームが上手い。広は宿題だけでなくゲームも教えてもらった。
カーカー
カラスが鳴き始めた。六時だ。日も少しずつ沈んできている。
「じゃあ帰るね。今日は、ありがと」
「こちらこそ」
二人は玄関に行く
「じゃあね」
「ちょっと待って」
広を止めた
「忘れ物しちゃった?」
「違うの」
少し冬美が照れている
「夏休みに広と海に行きたいな」
声が小さかったが広には、よく聞こえた
「ぬー」
変な声が出したあとに広は焦って言い直す
「いいねー!楽しみだ」
冬美は、ニコッと笑って
「考えといて!じゃあね」
「分かった!じゃあね」
と、広が扉を閉めた
広は自分の家に入るとすぐさまガッツポーズをした
ピロリン
急にゴメンね
と、冬美からのメールだ
大丈夫!俺、海大好き
とすぐに返事をした
なら、良かった
と、絵文字付きで帰ったきた
そんなことを話しながら寝るまで
メールをしていた
広が寝ようかなと、思って布団へ行くとピロリンと秀からメールが来た。
明日、陽向と勇気と俺で広の家に行きます
という一文のメールが来た
オッケー
すぐに返事をした━━━━━━━━━━
ピピピ目覚ましが鳴る
そして今日もいつもどうり着替えて朝ごはんを食べ終え歯磨きをし朝の8時からやっているドラマを見ていた。
ピーンポーン
インターホンが鳴る
扉を開けると陽向と秀と勇気がいた
広は、こんなに早くから来ると思っていなかったのでビックリしている
「朝早くからゴメンな」
秀が謝った
「全然大丈夫だよ!それより中に入りやー」
と、言って中へ案内した
「おじゃましまーす」
3人が言って入っていった
広がみんなの分のお茶を用意した
「で、なんで来たんだ?」
「実は海に誘われてな彼女に。嬉しいんだけど2人だと恥ずかしくて」
と美波に言われたことを話した
「え!」
広が急に驚く
それは、そうだろう。広も昨日、海に誘われた
そして何かの意図を感じた
「俺も冬美から海に誘われててさ」
それを聞いて秀がビックリして秀も意図を感じた。
「たしか、冬美と美波って仲いいよな」
と、勇気が言った
冬美と美波は、クラスでよく一緒にいる
そして四人で出した結論は
美波が海にデートをすることを冬美に
相談し、美波も二人だと恥ずかしくて冬美を誘った。そして女子二人で男子が一人だとバランスが悪いから秀とも仲がよく冬美とも仲がいい広が誘われた。
となった。それはそれで解決をすると
「俺、彼女が出来たんだよな」
陽向がボソッと呟いた
「おーーーーー!」
秀と、広が驚き
「おいてくなよ~」
と、勇気が笑いながら言った。
海の話はどっかいき、みんな陽向の彼女のことで陽向に質問攻めが始まった。
「名前は?」「どうやって出会ったの?」などの質問攻めをくらう陽向
「もう、分かった。全部自分で話すから」
と、質問攻めにうんざりして全てを明かすことにした。
広も勇気も秀もみんな目を真ん丸にして話を聞いていた。
「それで、どうするの?」
と勇気が陽向にまた、質問した
「どうするってなんだよ」
「海、誘うか?」
陽向は顔を真っ赤にして、上を向いた
「この幸せ者め~」
っと広と秀がいじる
「二人も好きな人おるだろー」
と照れながらも言い返す
「じゃあ誘うに決定ね」
勇気が急に立ち上がり言った。
そして他の三人は右手の拳を高くあげて「おー」と声を揃えて意見一致した。
そのあとは、いつも通り家で遊んだ。相変わらず広はゲームが苦手なためまったく勝てない。
「うわっ!もうこんな時間!」
陽向が時計を指さして言った
「ヤバい、ヤバイ」
と秀たちは急いでカバンに荷物を詰め込み勢いよく背負った。
そのまま玄関へ四人とも走っていき、広は、みんなを見送った。
みんなを見送って玄関を閉めた広は走って自分の部屋へ戻った。そしてスマホを手に取り冬美にメールを送る。
海に行くの決定!しかもあと二人メンバー追加で
と絵文字いっぱいで冬美にメールする。
返信は早かった。
メンバー増える!それは嬉しい
冬美もメンバーが増えることに賛成してくれた。広は少し嬉しかった。
そのあとも、海の話盛り上がり寝る寸前までずっとメールをした。
だが事件は起きた。ここで歯車が外れることなど誰もが予想をしていなかった。
読んでいただきありがとうございます!
なかなかベタでベタじゃない。