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邪神な日常  作者: ちかーむ


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7/28

邪神と黒土竜


ラストワンコなラストは相変わらずわふわふしてて俺の癒しだが…いい加減会話の仕方を忘れそうなのでなんとかして話し相手が欲しい。


ラストは癒し担当だからラストにはわふわふのままで…って考えると人の形の生き物か…それとも魔物を育てるってのもあるよな。


俺は召喚獣の黒虎でやらかしてから慎重になりすぎているのかもしれない。

もしかしたら今の俺は歴代邪神がいるとしたら節約特化の安物買い邪神になっているかもしれない。

安物買いの銭失い邪神になっていないことを切に願っている…


なので、ここらでどーんといくべきではないか!


このいくが逝くにならないように慎重に事を進めたい。



さて、なんでこんなことを急に言い始めたのかと言うと…なんと!召喚獣に竜種っていうカテゴリーが増えていた。

どうやら俺の邪神レベルは気付かぬうちに上がっていたらしい。多分邪神生きてるだけで偉い的なアレだと思う。


暗黒竜 ーーーーポイント

黒炎竜 ーーーーポイント

黒土竜   260ポイント

黒幻竜    975ポイント

屍竜     360ポイント


邪神竜…ドラゴンとか夢溢れるよなぁ…無理だけどって思ってた頃が俺にもありました。

とはいえさすがにポイント出てないどころか表示すらない奴が多い。これから期待大である。


とりあえず密室で火は俺死ぬ可能性が高いからやめておこう。

屍竜…密室空間に臭うものは断固拒否である。


残るは土と幻。


幻は…ポチった事実が幻だった…っていうポイントだけ持ってかれる可能性があるのでやめよう。見えないっていう可能性もあるし。


残るは土か〜うーん、260ポイントは微妙だな。

土竜も室内飼いなのってどうよ?って感じがする。


動くだけで砂とか土とかパラパラ落ちそうじゃね?いや、でも召喚獣ってことは普段はしまっておけるってことだろ?

なら部屋が汚くなるのはファーストインパクトの時のみ…うーん…やっぱり竜はまだ止めておくか…


悩む俺の視線の先でタネを植えた苗床がツヤリと光った。


ぐりどん…そうか、お前には土が必要なのかもしれないって思った時が俺にもあったな。


芽が出ないのはオレは茸じゃないんだから植えるのは苗床じゃねえよ!土を寄越せ土を!!ってことか!


散々迷ったが決まれば早いのが邪神カタログの良いところだ!!即日対応、即日発送、即到着だからな!!


「いでよ土竜!!」


ジャシーン!!


俺の声に反応するように邪神ルームの床に毒々しい蛍光紫で描かれた魔法陣が出現した。


その中央がパアッ!と勢いよく光った。


こっ…これは…今までにない演出!!さすがは竜、ポイント低くてもドラゴン!ファンタジーの上位キャラ!!輝きが違うぜ!!!


俺のテンションは爆上りだ。


光が収まって見えてきたシルエットは…


えっ…ちっちゃい…


小型犬サイズの香箱座りしてる耳のない猫?

いや、ネズミ?モルモット?

え、俺頼んだの竜だよな?


光が収まるとそこには丸みを帯びた紫灰色のボディに赤紫に光る毒々しい鋭い鉤爪をもった…


モグラが居た。


目はない。まあ、モグラだからな。



俺は膝から崩れおちた。


土竜…土竜…

あ〜読むよね、モグラって。


危ねーこれもしやこれミミズの可能性があったってこと?ならモグラで良かったよな。

うん、土の竜でモグラね。 


………



「なんでだよ!!!マジなんなんだよ!!返せよ俺の160 ポイント!!」


俺はそう叫んだあと悲しみに打ちひしがれペチペチと床を叩いた。

そんな俺をラストがフキュンフキュン鳴きながらペロペロしてくれる。


ラストお前マジ良いやつだな…少し立ち直れた。ワンコの癒しパワーすごい。


あーあ。

つうか、せっかく呼び出してこの態度良くなかったよな、すまんな黒土竜。



「とりあえず名前つけるか…」


モグラといえば…モグラ叩き?タタキ?ボッコ?いや、流石に酷いか。


モグラ叩きといえば某ゲームセンターシリーズはモグラじゃなくてモアイが出るんだよな…トニーでもよくね?

トニー…トニーからのスコット?ブラウン?いや、モグラのトニーのほうがしっくりくるな…

呼ぶには長いか?


モグラトニー?

むしろ後半をとってラトニー?

モグ・ラトニーかっこいいな!


いや、でもこれは戒めとしてモグラの形は残そう…土竜と書いてモグラと読む…この俺の失敗を…


「よろしくな、モグラトニー」


撫でるとうっすら毛が生えてた、しっとりとしてこれはこれでわるくない。


なんか…お前蝶ネクタイとグラサンが似合うんじゃねぇ?目ぇめっちゃショボショボしてそうだし。暴言はいちまったからな、お詫びにジャシってやるか。


えーっと、まずは…服飾か…

俺はパラパラと邪神カタログを捲る。


邪神ボウタイ 80ポイント

邪神ネクタイ 145ポイント

邪神タイ (黒)25ポイント


ネクタイは違うとして、ボウタイってなんだ?棒?


ん?なんか次のページの邪神花冠の説明文長いな。ふむ、5000ポイントか…


そのうち女の子出てくんのかな…ん?


邪神花で編んだ花冠、与えられた者は邪神の権能の一部を使用できるようになる。

へぇ〜これ凄いな。

そのうちこんなの与えられる相手が出るのか…道のりは長そうだな。まずは会話ができる相手が必要だな…


あえず今は邪神タイ(黒)でいいか。


安いし服飾品のカテゴリーでそうおかしいこと起きないだろ。


とりあえず様子見で俺は邪神タイ(黒)をポチった

一番安いし、タイって言うんだから首に巻けるだろってことで。


ジャシーン!!


ビチャッ ビチビチビチ


って、鯛!!黒鯛!!

まさかの生魚!!!


まっっったこのパターンかよ!!

黒虎でブラックタイガー(ウシエビ)出てきてタイ(黒)で黒鯛出るのマジで紛らわしいからやめろし。

しかも今回服飾!!おまえ絶対服飾じゃないだろ!!


鯛がお洒落アイテムとして許されるのは恵比寿様だけだろ。


「まじか〜また海鮮か…」


ちょっと海鮮はエビで飽きてるんだよな…黒くていいからチョロギでないかな。縁起物がフツーに出るならチョロギいけるだろ。


今回唯一の救いは黒鯛が普通のサイズであるってことか…おれは遠い目になった。


ビチビチと跳ねる黒鯛とモグラトニーの距離が近くなった瞬間…


バクゥゥ゙!!


突如モグラトニーの顔面に亀裂が入りタコ足のように開いて黒鯛を絡め取った


「ひぃっ!」


え?もぐらって口があんな風に開くの?

捕食の仕方完全にミュータントじゃん、

いや、こいつ絶対もぐらじゃないだろ!

クリオネの食事風景と同じ系列の衝撃お食事風景だったぞ?


口に閉じ込めた鯛からゴキュッボギョッって音がする。あー咀嚼されてる、絶対咀嚼されてる。


うわ~、いや、まじか。


まさかの展開過ぎるな。

モグラトニーが魚食うとか…

しかも鱗取ってないし…大丈夫か?鯛の骨は硬いと有名なのに…


ペッ


モグラトニーは何か吐き出した。

骨が硬かったのか…しかしこいつはちょっとお行儀が悪いな。


まず同居のためには教育が必要だ。

教育係は…

「ラスト、こいつは今日から新しい仲間になったモグラトニーだ。先輩としてよろしく頼むぞ」


後輩の指導をラストに丸投げした俺をラストはえー?みたいな顔で見上げてくる。

うむ、かわいい。


おれはもっしゃもしゃとラストの頭をなでる。


ラストとモグラトニーのサイズ差はピレネー犬とチワワくらいの差である。

いや、犬で例えるのは無理があるな。


実際のラストは…ヒグマくらいあるのでモグラトニーの大きさは豆柴くらい?んん?豆柴はラストか?なんか余計にわかりにくいな。


そもそも俺はヒグマの実物を見たことがないわけで…サイズも完全にイメージでしかない…


というかモグラトニーって言いにくいな、もう愛称はラトニーでいいか…


キャヒーン!!


とりとめもない俺の思考を遮るように、後輩を指導していたはずのラストの悲鳴が聞こえた。

振り返ると…



ラストの触手がラトニーのキモい口にインしていた。


「う、うわーー!!ラストのぷにハンドが麺みたいにチュルチュルされてるぅぅ!!コラッ!ラトニー!!ストップ!ストップラトニー!!!ペッしなさーい!!!」


後頭部をパーンとしたらラトニーは食べるのを諦めてラストのぷにぷに触手をずるぅぅっと吐き出した。汚い。



しかし顔面だと思ってた所がぱっかり割れて口になるとかありがちホラー展開マジやめてほしい。よく見ると細かい歯が生えていてキモさ倍増だ。


「おまえなぁ、先輩食うなよ。食べるなら食べ物にしろ。エビをくえ、エビをエビならたくさんあるから」


俺もラストももうエビは食い飽きたからな。

ラトニーは冷凍庫から出しだヒエヒエのエビをミュータントみあふれる姿でもぐもぐ食べた。


「さて」


冷凍庫の中はすっからかんだ。ラトニーはエビを全て調理する間も待てずにそのまま食ってた。

土竜もぐらなのに。

鮮度は高いが淡水の甲殻類とか生で食うの危なくない?とは思ったが…

土竜もぐらだし今更か。


確かモグラは自分の体重の半分くらいのご飯を食べると言う…しかも主食はミミズと昆虫。ここにミミズはいない、もちろん虫もだ。

12時間胃に食べ物がないと死ぬという命がけのフードファイター。


室内飼いとの相性は絶望的である。


ポイントを貯めて生活…そう、完全ポイ活しかしてない俺は即破産する。

飼う前から既に飼育崩壊が見えている。


つまり……選択肢は一つしか無い。


俺はジャッと壁のチャック(邪神社会の窓)を開けてにこやかに振り返った。


「さあ、モグラトニー、あっちで腹いっぱい食べてくると良い」


真っ暗だけどエンビーが空に行けたんならラトニーは土の中をイケるだろ。


邪神の召喚獣なわけですし?しかも160ポイント。今までより段違いに高いのだ。


底力に期待したい。


達者でな〜と見送り(奈落にしか見えないけど)ラトニーのこれからの活躍を期待して送り出した。


ああ、これもポイ活なのか…


俺は邪神社会の窓からコツコツ貯めたポイントで手に入れた土竜をポイッとした。

なんて虚しいポイ活…




室内を振り返ると

「ん?」

ラストが手の先で何かをチョイチョイってしてた。


チュルチュルされてた触手は仕舞われてる。


ラストの黒いあんよの先には魚の形をした白いものがあった。

はっ…!これは…


「鯛だ!!…それ、鯛の中の鯛だ!!」 


うおー珍しい!!

これは胸鰭を動かす時に使う骨…魚の形に似ているから鯛の中の鯛と言われるレア骨!!


俺はじめてみたな〜うわーピチってはねた。

鯛の中の鯛って骨なのに生きてたんだな〜流石鯛の中の鯛って名乗るのも頷ける…




………んなわけあるかい!!




え、なんで生きてるわけ?

まじで生きてんの?

骨なのに?

本体なくても生きていけんの?

邪神ミラクル的な?

え、ちょっとマジで意味がわからなさすぎる。


俺が悩んでいる間も時折ピチッと跳ねるタイの中の鯛(骨)

うむ、ちゃんと魚のかたちをしている。骨なのに見れば見るほど愛嬌がある。


俺は細かいツッコミはさておき、いそいそと邪神金魚鉢を購入して邪神水道水を入れてそっと骨を入れた。


部屋の真ん中にある邪神ちゃぶ台の上にどん、と置いて観察する。


鯛の中の鯛は水の中でふよ〜っと沈んでくるりと一度回った。


案外かわいいじゃないか。


鯛って海水だけどこれ真水…淡水だな。

まあいいか、もう骨だし。浸透圧とか関係ない存在になってそうだ。


しばし観察していたが鯛の中の鯛はよく水のそこに沈んでいる。

どうやらヒレがないから泳ぎにくいらしい。

ヒレどころか身もないけどな。


ピクって僅かに動いている鯛の中の鯛(骨…見れば見るほど


「鯛だ…」


土竜は居なくなったけど鯛の中の鯛(骨)がペットになった。


邪神ちゃぶ台に顔を乗せて俺と一緒に金魚鉢を覗いてたラストの鼻先をコショコショした。


まったりゆったりのんびり。

あー暴れない同居人最高。


そして俺はラストの腹で再び惰眠を貪った。




俺の邪神ポイントの0の数がとんでもなく増えつづけていることに気付かずに。





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