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邪神な日常  作者: ちかーむ


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邪神と埃



超絶お役立ちフローラルマウスわんこことラストとモフモフしながらごろごろ過ごし、気が向いたら黒虎ウシエビを食べていたけれどいいかげんエビ食に飽きた。


犬にエビをあげていいのかっていう疑問もあるが、俺がエビアレルギーを発症しそうな勢いでエビを食べている。


邪神だし、喰わなくても死なないし、ちょっとしばらくはエビを封印しようと思う。


冷凍してるからいけるやろ。


そう、俺は冷凍庫教の信者である。冷凍したら時が止まるから大丈夫だろ。


太陽ないし、窓の外は暗いし、そもそもめったに邪神社会の窓も開けないし…

1日という概念がすっかり薄れて、寝たい時に寝て起きたいときに起きる怠惰すぎる生活。


アグレッシブな模様替えが発生しない限り掃除もせずにゴロゴロダラダラするだけの邪神らしい怠惰な生活を送っていたが邪神ルームが少し汚れてきた。


ちょっと、いや結構埃っぽい。


床のあちこちにふわっとした埃の塊がちらほら、それがラストが尻尾を高速で振る度にふわふわと舞い上がる…


多分この部屋の埃の主成分はラストの毛だ。


謎空間の癖に埃が出るとか不可解であるし邪神ハウスは掃除しないと汚れるとかそういう現実感は薄めにしておいてほしかった。


俺は邪神カタログで邪神全自動掃除機を…買おうとして高いからやめた。

邪神ほうきと邪神塵取りをジャシーンと手に入れた。


駆け出し邪神の俺に便利家電はまだ早かった。

ちなみに掃除機はカタログに邪神掃除機(台風型)となっていた。


…それは吸引力の変わらないただひとつ!なヤツなのか?

と思いつつも台風という単語に嫌な予感しかしないのでポチる予定はない。

サイクロンだろうがハリケーンだろうが邪神カタログにろくなものはない。

しかも発生現場は邪神ワンルームだ。

危険しかない。


狭い邪神ルーム、ささっと軽く掃除したら俺の髪の毛とラストの抜け毛とかが集まってふわっとした塊ができた。


なんかまっくろほにゃらに似てる。



「ホコリすげえな…」

俺邪神なのに抜け毛あるんだな…って思いつつ俺は埃を邪神社会の窓ことチャックをあけて真っ暗闇に棄てた。


え?なんでゴミ箱にすてないのかって?それは至ってシンプルな理由、この埃実はゴミ判定がされないからだ。


邪神カタログは基本的に梱包とは無縁だからゴミは出ない。

料理のゴミはささっと作業中にまとめると気づいたら消えている。勝手に跡形もなく消えている。不思議現象だかありがたいのでこれからも気にせずいきたい。


じゃホコリがなんでゴミにならないのか?ってことなんだけど…ここで発生するホコリの主成分はラストの毛と俺の髪の毛だ。


ラストを俺がなでて抜けた毛をぱぱっと払うだろ?んで、床に落ちた毛はそのまま床に落ちていく。

でもラストがカカカッって後ろ足で体をかいた時に出た毛はそのままフワって消えるんだよ。


俺に至っては邪神ボディ仕様なのか基本的な生理現象が無くなってる。

マジ気づいたときびっくりしたから。

気づくのに結構かかってそれに対してもびっくりしたけどな。しかも髪はなんでか伸びてるからな。


まあそれは瑣末事なのでいいとして…


長くなった髪の毛が指に引っかかって抜けたときそのまま床に落ちて消えなかったんだ。


つまり俺が意図的にとった抜け毛は消えない。ということだ。

このホコリの主成分は俺とラストの抜け毛である。たとえ偶然でも俺が意図的に抜いてしまったと判定されるらしく…捨てようがないのだ。

つまり…選択肢はひとつ、この部屋の外に飛ばすだけだ。


この下にある諸々を考えるとなんかすまんなって感じだ。

きっともうアイツは土に還っているだろう…とおもいたい。


「高く、遠くにとんでけよ」


下にあるシの死体ボディにかかると悪いからさ。もう土に返ってるかもしれないけどさ。


埃は闇にとけるように消えた。


しかしマジで…どうなってんだろな、チャック(邪神窓)の先の空間は。異空間?それとも外なのか?つうか外…だよな?…燕尾なつばめのエンビーは元気に飛んでったし?


エ、エンビーは棄てたわけではない。断じて捨てたわけではないぞ?

あいつに合った広い世界に飛び立たせた訳であって…

おれと一緒に狭いこの部屋で暮らすより広い場所のほうが…新しい出会いもあるわけで…


……優しい人に拾ってもらってね。

は犯罪者の台詞ですっていう言葉を俺はシラナイ。


ほら、俺邪神だし?




さて、部屋もすっきりしたし水でもやるか。


俺は日課の水やりをするために邪神コップに入れた水をタネ入り苗床にちょぼちょぼとかけた。


相変わらず変化なし…若干…水分を吸って苗床が膨らんだような気もするけど…

気のせいなだけかもしれない。



芽が出る気配は相変わらずない。




うーん、何が足りないんだろうな?

俺の横で座り込んでるラストは俺の顔を見て?って感じで首をかしげてる。


あれ?この感じ、こいつなんか知ってんじゃねぇ?


ご主人なにしてるんですか?的な顔かと思ってたけど…

ご主人何無意味なことしてるんですか?って顔か?


「なぁラスト、これ、なんで芽がでないかわかるか?」


ラストはきゅーん?て首をかしげた。


くそう、かわいいじゃないか。


疑惑はただの気のせいだったらしい。

そういえば発芽条件って植物によって違うんだよな。

冬くらい温度を下げないと芽がでないって聞いたことがあるし。


…冷蔵庫に入れてみるか?


……ぬちゃぁっとした赤黒い苗床が冷蔵庫でツヤリと光るのを想像してウッとなる。

無理、食べ物入れているところにこれ入れるのマジ無理。冷凍庫教の信者だけど無理だ。


悩みながらアイスのハズレ棒…ではなく邪神塔を見た。


「あれ?」


まっさらな白木だったハズレ棒が苗床についたところから黒く染まり出している。

茶色いようなグレーのような…風雨に晒された卒塔婆カラー。


「カビか?」

よくよく見てもわからない。

元からかすれ気味のぐりどんの「ん」が消えかけている。


「これが発芽メーターだったら解りやすいのにな」

まあ、そんなうまいことないか。

もう少し待って発芽しないなら失敗だし、

…カビたら…捨てりゃいいか


どでかい不法投棄はもうしてるからな、今さら苗床捨てたって変わらないだろう。


え?良心の呵責?いやー俺邪神だし。




俺は掃除と廃棄手前のぐりどんの観察を終えた。






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