表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/136

第15話 マカロン


「何よ」

「いえ、何も?」


 レイの訝しむ表情にむっ、とティアナは頬を膨らます。

 ふい、と視線を逸らしたレイは、自分の前にあるお茶菓子達に眼を留め、表情を変えた。


「これは……!」

「アフターヌーンティセットよ。何か食べたいものはあるかしら」


 色とりどりのデザートに、ソワソワと落ち着かないレイを面白そうに眺め、微笑みながらテレサは声をかけた。


「私もいただいてもよろしいのですか……?」

「えぇ、もちろんよ。ね、ティアナ?」


 いきなり名前を呼ばれたティアナは少し驚いた表情でレイを見る。

 小動物のような仕草をするレイを見て、ティアナはたまらず微笑んだ。


(なんだ、この子、こんなにかわいい仕草もできたのね。ちょっと意地悪してやろうかとも思ったけど……。なんだか、悪い気がするわね)


「いいわよ、別に」


 頬杖をつき、2人の様子を眺めるティアナの表情は、とても穏やかなものだった。


「で、では、こちらを……」

「マカロンね?」


 レイが小さく指し示した、白と紫のマーブルカラーをしたマカロンだった。

 テレサはマカロンを小皿に移し、レイに差し出す。


「はい」

「ありがとうございます……!」


 小皿を受け取り、皿の上にちょこんと座っているマカロンを、レイは色々な方向から眺める。

 そして、レイはマカロンを両手で掴み、恐る恐る一口だけ口に含んだ。


「……!」


 ぱぁ、と明るくなった顔で、レイはテレサを見る。

 思わず笑みがこぼれたテレサは、食べていいのよ、と1つ頷いた。

 その様子を見て、レイはマカロンに顔を戻し、もう一度、1口だけ食べた。


「お兄様! これ、この、まかろん? ってお菓子、すごく美味しいんですよ!」

「あぁ、知ってる。ゆっくり食べろ」


 そう言ってレイの頭を優しく撫でるハルの姿は、妹思いの温和な兄そのものであった。


(この2人、こんな表情するんだ。お兄様って呼んでるし、すごく仲がいいんだろうな……。いいな……。って何を考えてるの私!!)


 突然頭を横に振る親友を見て、テレサは首を傾げる。

 ティアナに声をかけようと口を開きかけ、テレサは動きを止めた。


「お、ここにいた」


 そこに響いたのは聞きなれた低い声。

 教室以外では姿を見ることのない幻の存在、ドレットがそこにいた。


「「ドレット先生…!?」」


 教室の外にいる姿を初めて見るティアナとテレサは驚きを隠せず、後ろに仰け反る。

 そんな2人を迷惑そうに見た後、改めてテーブルを囲む4人をそれぞれ順に見つめたドレットは、1枚の紙を差し出した。


「ティアナ、ハル、あと銀髪。お前ら、魔術格闘祭に出ろ」


 紙を受け取った4人は、内容を確認する。

 それは、既に名前を書き込まれ、申込み処理を済まされたエントリーシートだった。


「「「はあぁあぁぁ!!!!???」」」


 力なく告げられた言葉に、既に終えられた申し込みに、3人の奏でるハーモニーは食堂全体に轟いた。




第7話の内容を大きく変更いたしました。

よろしければご確認くださいm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ