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夏ふたり  作者: 白猫ノ夏
7/17

第一章の7!


野球と野球拳の違いをキッチリ北風に教え込んだ僕はお祭りがもうすぐ終わってしまう時間になっていることに気が付いた。

「やばっ!もうすぐ花火が始まる!」と僕は大きな声で言った。

僕が大きな声で言ったのには理由がある。

周りが人でいっぱいでうるさいからだ。

そうこの逆神社のお祭りで驚くところはゲーセンだけじゃない。

花火もすごいのだ。

どこがすごいかってのは数を聞けばわかる。

神社のお祭りで一万発は普通ありえんだろ?でもここは普通の神社じゃない、そう逆神社なのだ。

年中、何人もの人がここにお参りに来るものだから儲かるのなんのって、それにこの町は少し田舎って部分もあるから少しでも都会から人を集めたいって思いがあるのだろう、だけどこれは少しやりすぎだと思う・・・が、そんな一人の住民の声も空しく毎年のようにこの町には「た〜まや〜♪」などと言う声が、むしろ騒音がこの町に鳴り響くのだ。

普通は苦情の一件や二件きても良いはずなのだが全く来ないのだ。

しかも苦情が来ないのに対して御礼や良いところの電話が殺到。

それが原因かは知らないが年々お祭りの規模は今も拡大し続けていた。

花火を打ち上げる数も年々増えていき一万発にまで達したというわけだ。

そしてこれからその花火が打ちあがろうとしていた。


ドーン!


それを合図にしたかのように周りが一気に騒々しくなる。

そんな中、僕の隣で次々と打ち上げられる花火を真剣に見つめる北風が居た。

僕は花火が打ち上げられている間ずっと北風を見ていたそのせいで気付けなかった。

途中、北風の出したサインに気付くことが出来なかった。


花火の最後の一発でその場にいる大勢の人がいっせいに


「た〜まや〜〜♪」


その騒音がお祭りが終わったことを知らせた。

僕の隣で北風はお祭りが終わっても少しの間は空を見上げていた。

まるでこの町との別れを惜しむような眼差しで。

でも僕のそんな考えは北風の言葉ですぐにどこかへ消えてしまった。

「ありがとう、一緒に居てくれて、これ・・お礼。」と言いながら北風はぬいぐるみの詰まった紙袋の底をあさり始めた。

あさること十秒。

北風はお目当ての物を取り出した。

それを見た僕は「あっ!」と声を上げてしまった。

それは僕が今回のお祭りのクレーンゲームで取ろうとしていた物だった。

新型の携帯ゲーム機、それを北風は僕に差し出してくる。

「えっ?いや、あの・・・貰って良いの?」こんなときに欲が出てしまうのが僕の悪い癖だ。と自覚していながらも言ってしまった自分がどうしようもなく情けない。

だが北風はそんなことを気にせず「うん!」とだけ答えた。

そして僕は新品の新型の携帯ゲーム機の入った箱を手に取る。

すごく嬉しかった。

欲しかったものを手に入れた嬉しさよりも好きな人から貰ったということのほうがすごく嬉しかった。

僕は北風に「ありがとう!」と言うと北風をその場に措いて走って家まで帰った。


次の日、僕の家の郵便受けに北風からの手紙が入っていた。

措いていった罰の言葉と今日の午前十時に隣町の駅に来てと書かれた紙が入っていて、おまけにホラー映画のチケットが入った恐怖の手紙だった。


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