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夏ふたり  作者: 白猫ノ夏
14/17

第二章の4!


私の計画は前日の夜、つまりお祭りが終わったあと既に動き始めていた。

まず思いついた須藤純也を怖がらせる、をどうやって実行に移すかだが、それもすぐに思いついた。

確か私の記憶が正しければ去年の春ごろにくっ付けることに成功した超が付くほどの歳の差カップルが居たはずだ。

なんとその歳の差・・・九十二歳!

普通はありえない、赤ちゃんとお爺さんが結婚しない限りこんな歳の差生まれやしない。

だったらなぜこんな歳の差が生まれたかは全部を語ると長くなるから、重要な部分の殆どを省いて語ろう。

昔々それは美しいお姫様が居ました。そのお姫様は死にました。

省きすぎだが気にしない、気にしない。

お姫様は死んだのが二十一の時だったので、この世に未練がありすぎて困るくらいの人でした。幽霊でした。

まず一つ目の未練はなんとなく嫌いだった織田信長を殺してみたいな〜的な暇つぶしくらいのことでしたが明智光秀の体を意図も簡単に一時的に乗っ取り焼き殺しました。

そして後日、明智光秀から抜けました。すると姫が抜けたことにより狂ってしまった明智光秀は味方に「く、狂ってしまった奴が仲間とかで良いのか!」と言われすぐに殺されてしまいました。

そんな可愛そうな明智光秀に姫は救いの手を差し伸べました。

「明智光秀、貴様!私と旅に出ようぞ!」

狂いながら死んでしまった明智光秀は死んでもなお狂っており

「は、はいぃご主人様ぁどこまでも付いていきますぅ・・・うへへぐふふ」と完璧にドMとなってしまった明智光秀は姫の仲間(下僕)になることをあっさりと了承すると、姫から新しい名を貰った。

「下僕ナンバー一番!あなたは今日から光子よ!」と女につけるような名前を与えた。

「ご主人様ぁ〜叩いてぇ縛ってぇお願いぃ」こうして姫とドMの冒険の旅が幕をあける。

わけが無かったのだ。

姫とドMの冒険は始まってたった三秒で終わった。

なぜそんな早くに冒険が終わったかも説明すると長いから語ることは無い。

あれこれあって七十年くらい経ったある日の天界第二十四区幽霊保管施設の第四ブロックで事件は起こった。

それはいつものように姫が下僕調教を行っていた時だった。

「ほら!そこの下僕ナンバー二百五十番、ヒナオ!もっと優しく舐めなさい!下僕ナンバー四番、宝泉武(ほうせんぶ)が嫌がっているじゃない!足はそっと踵部分を左手で軽く持って右手で土踏まずの部分を相手がくすぐったくないように手を密着させながら持ってそれから爪を舐めて次に指と指の間を、そして最後に足の裏を舐めて、って何回言ったらわかるの?下僕ナンバー一番、光子しか完璧に出来ないってどういうことよ!」と怒鳴り散らしていると、その日ここに来る予定の下僕ナンバー五百二番が到着した。

姫はいつもと同じように

「早く私の前まで来なさい下僕ナンバー五百二番!」そう言い放つと下僕ナンバー五百二番は付けているガラスで出来た仮面を取るなり

「この僕を下僕と言って良いのは姫様だ・・・け・・・・・姫様!ご無事でしたか!」そう姫に言った。

どうやら仮面の下僕は自分の姫を守っていたのだが、ある日姫が禁忌のゲームをやってしまったことにより異次元空間に引きずり込まれたのだと言った。

そして仮面の下僕はどうやら姫を自分の姫と間違えているらしく・・・勘違いから始まるラブコメディっていう展開がこのあと繰り広げられ、めでたく二人は一人の恋愛天使によって結ばれましたとさ、おしまい!


幽霊の二人を結んだ恋愛天使は私、北風氷柱。

驚かすのに必要な人材は姫の下僕を使わせてもらおうとしているのだが、肝心の姫が今どこにいるのかわからない。

どこかの幽霊屋台で飲んでいてくれると良いんだけどな〜などと思いながら歩いていると幽霊屋台で姫の姿とついでに下僕ナンバー一番を見つけた。

私は急いで姫に駆け寄り挨拶をする。

「こんばんは、私の大切な人ぉ」

酔っていた。めちゃくちゃ酔っていた。私を夫と間違えるほど酔っていたのだ。

これはチャンスとばかりに私は姫に下僕を三十人ほど貸して欲しいと言うと酒臭い息を吐きながら

「いいわやぁ〜あなたのお願いなら、ひっく、何でも聞いちゃうぅ、ひっく」とあっさり了承してくれた。

これで人材確保完了!あとは場所の確保だけど・・・

「えーっと、おじさん!この辺で古くて森の中にある映画館って無い?」と期待せずに聞いてみると意外な答えが返ってきた。

「あー確か隣町に親子の幽霊がやってる映画館があったはずだけど・・・」

「えっ!おじさん、本当?」

「本当、本当」

なんかあっさり人材と場所を確保できたし明日の朝一で彼に手紙を渡すだけとなったわけで今日は帰って寝て明日になるのを待つとしますか!とこれが前日そして今は待ってます。

彼が来るのをかれこれ一時間待っています。

約束の時間を既に三十分オーバーしています。

私が頭の中で須藤純也を拷問に掛けていると、噂をすればという感じで三十分遅れの彼のご到着です。

「遅い!」と言った私だったが、この暑さで怒る気力も体力も残っておらず、彼の遅れた言い訳を聞き流し幽霊たちに今からそっちに向かうことを「ルルルルル♪」とチャネリングして伝えると彼を連れて映画館に向かった。


映画を終わって明かりが付いたときに私は目を覚ました。どうやら途中で寝てしまったようだ。昨日遅くまで起きていたせいだろうと思いながら目を擦って彼の方を見ると、彼は私の顔を少しニヤけながら見つめていた。

気持ち悪っ!と思いつつも心の奥底から好きが溢れ出し、埋め尽くしてしまう。こんな気持ちになるのは彼と出会ってから何度目だろうか?一々そんなことを数えている暇など無い私にはわからないことだが、そんなことは今の私にはどうでも良いことだった。

彼は立ち上がると私の手を掴み、この朽ちた映画館からすぐに出たいと言う感じで劇場を出た。

朽ちた映画館を出るとそこは来たときと変わらない森の中で相変わらず夏の日差しが私たちの水分と体力を見る見るうちに奪っていった。

それから森を少し彷徨った後、誰も居ない砂浜に辿り着いた。

私は思わず彼の横を抜けて海の方へ走っていきながら器用にサンダルを砂浜に脱ぎ捨てると砂が熱いのでぴょんぴょん跳ねながら、服を着たまま海に走っていきダイブした。

ざっぱーんという音と共に海に抱かれた。その時に自分の一つのミスに気付いて少し恥ずかしくなった。

荷物ごとダイブしていたのだった。もしもの時のために予備の着替えを持ってきていたので迷わず服を着たままダイブしたのだが、肝心の着替えまでもが濡れてしまっては着替えを持ってきた意味が無かった。

こうして私は自分をアホだと認めざる負えなくなった。そんな私にも、せめてもの救いは以外にも訪れた。

私が海面からひょっこりと顔を出したところに海水を頭から浴びた。彼が私と同じように服を着たままダイブしたらしかったが、彼が私と違うのは荷物を置いたところくらいで他は私となんら変わりは無かった。そんな彼に私は冷たい口調で

「バカじゃないの?」そう言い放つと、彼はそのお返しとばかりに

「それは北風もだろ?」と言い返してくる。

それから数秒の沈黙のあと彼が笑い出したのにつられて私も久しぶりに声を上げて笑ってしまった。


それから遊んで、遊んで、いっぱい遊んで夕日が空を海を砂浜を森を僕たちを真っ赤に染めてしまうまで遊んだ。

彼の「そろそろ海から出よう」と言う言葉が無ければずっと遊んでいただろう。

明日は天界に帰る日だから今日を楽しまなくちゃと思いつつもそれを上回ってしまう不安。

そう明日は天界に帰る日なのだから今日の内に彼に想いを伝えて・・・それから私は、彼はどうするのだろうか?

彼の記憶から私が消えてしまっても、私の記憶から彼が消えることは無い。

果たして私は耐えられるだろうか?湧き上がる不安に、弾けそうな好きに、耐えることが出来る?無理。服を乾かすために低い木の傍まで行って服を脱ぐ間ずっとそんな自問自答の繰り返し。そして出た答えはネガティブな今の私らしい答えだった。

「私、明後日には居なくなっているから、明日で大切なもの探しは終わるから」それに対しての彼の反応を確認したあと私は裸の状態で驚いた顔で私をボーっと見つめる彼の前まで行くと彼のことを押し倒し馬乗りの状態で

「明日、私を殺して・・・・」その言葉は私の一時的な感情の欠片だったのかもしれないし、そうじゃないかもしれないけど、その時の私はその言葉で彼を引き裂きめちゃくちゃにしたかっただけだった。

ずるいよ!と言いたかったのかもしれない、誰かにいつでも恋することが出来る彼がずるい。

私を忘れて他の人とお話ししたり、食事をしたりするのが嫌!この行き場の無くなった感情を今すぐにでも誰かにぶつけたかった。

「明日、午後三時にあの遊園地で待ってる。」だからそう言い残すとすぐに私はまだ乾いていない服を着ると荷物を持って来た道を戻った。

彼は私を追ってくることは無かった。


いかがでございましたでしょうか?

狂ってしまった人がいたり、なんやらと

今回はそんな話しでしたが第二章は残すところあと二回で終わってしまうのです。

大変です。

次にここに載せるお話を書いてないんですよ。

なんてことだ!

大変だ!大変だ!大変だ!

と、言うほど大変な事態ではないのですが・・・

まぁ、書けるよね、一週間くらいあれば・・・

無理かな・・・無理だね。

クリスマスくらいまでには書いておきたいね。


と、そんな感じの独り言でした。

あと少しだからHPの残ってる人は最後まで読んでください。

残ってない人は回復して読む気になったら読んでください。

それではまた次回!

ドロンッ!ごほっごほっ・・・ドンガラガッシャーン

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