表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夏ふたり  作者: 白猫ノ夏
13/17

第二章の3!

えっとまた忘れてしまいましたが、今回は面白いですよ〜・・・・・たぶん・・・

一回くらいは笑う・・・はず


私が逆神社に着いたときはまだ始まってすぐだったらしく人があんまり居なかった。

とにかくさっき貰ったヒントを有効活用しなければと思い頭の中で整理してみた。

新型のゲーム機 → 遊園地で純也が喋くっていた → 純也が欲しいもの → 絶対に手に入れる!となった。

これで目的は決まった。

今日はお祭りでゲーム機を手に入れる!と考えては見たもののどうやって手に入れるのかが問題だった。

周りを見渡せば、しゃてきに三角くじ、紐引きにクレーンゲーム・・・クレーンゲーム?

まぁ片っ端からやってけば手に入るだろう、そう思った私はお祭りという名の戦争を甘く見ていた。

そうお祭りは客と店の戦争、戦場では殺るか殺られるかの戦い。

お祭りもそれと同じ、取るか取られるかの・・・戦いだ。

そんなことを考えている時間が勿体ないのでさっさと銃撃戦場しゃてきの場所まで兵士(親子連れなど)を避けながら向かった。


しゃてきというのは本当に戦争だった。

小学生くらいの子供たちが「落ちろ!落ちろ!」と受験生に対しては絶対に言ってはならない言葉を吐き散らしながら、敵兵(景品)を打ち落とそうとしている。

子供たちが狙う敵兵は大物の大佐クラスの奴ばかりで落ちる気配が全く無い。

とにかくここに目当てのものがあるか確認するため敵のトップのおじちゃんに

「すみません、この中に新型のゲーム機ってありますか?」そう私は聞いた。

「あーこの真ん中にあるこれが最近出たゲーム機だね」敵のトップでありながら丁寧に答えてくれた。

なんと優しい敵のトップなのだろうか、尊敬に値する人だ〜と考えた自分がお馬鹿だ!

そう思うのはそう長くはかからなかった。

十発・・・それは三百円の銃撃戦しゃてきでは多いくらいなのに・・・

「なぜ落ちないの?」

そう私は全弾を命中させた。

なのに新型戦闘機(新型ゲーム機)は倒せ(落ち)なかった。

「これは私には向かない・・・」と呟きながら銃を置き銃撃戦場から離れた。

このときに私は始めてお祭りの恐ろしさを知った。

兵士(親子連れなど)がさっきの数十倍・・・くらいの数に増えていたのだ。

その軍隊を私はするりするりと避けながら運を味方につけても絶対に勝てないギャンブル(三角くじ)の行われている場所へと向かったのだった。


賭博場じゃない場所に着くとさっきと同じように

「すみません、この中に新型のゲーム機ってありますか?」と今度はおばちゃんに聞いた。

するとおばちゃんの目がギラリと光った・・・気がした。

「え〜とこれがそうじゃなかったかしら」と言ってさっきとは違う色の新型ゲーム機を紹介してくれた。

なるほど色違いもあるのか、それで全ての色を集めて応募すると何かが貰えるしくみなんだ!やっと理解できた。

理解(?)した私はディーラー(おばちゃん)にチップ三枚(三百円)を渡してからカード(くじ)を引く。

そして出てきたのは・・・

一等だった。

おばちゃんは驚いて目を見開く、そして手に持っていたベルを慌てて鳴らすと

「お、大当たりー!」と大きな声で周りの兵士(親子連れなど)たちに伝えたのだった。

そしてついに念願の新型ゲーム機が・・・

「はい、これが一等の今人気のホラー映画のチケット十人分と遊園地の一日パスを二人分」

手に入らなかった。

なぜなの?なんで手に入らないの?と景品の置いてある棚を見ると新型のゲーム機は二等の棚にあった。

じゃあもう一度やればと思い私が並ぼうとしたとき、おばちゃんが本日二回目の鐘を鳴らして兵士にこう伝えた。

「二等!二等も出たよー!」

それはここも終わったことを告げていた。

「私って運が悪かったのね・・・」私はそう呟くと列に並ぶのを止め、今度こそ取るという思いを胸に秘め次の戦場に向かうことにした。


次は・・・帯・・・いや紐引きだ。

帯だと確か「あ〜れ〜おだいかんさま〜」とかいう遊びになるはずだ。

昔、兄に教わったことだがこんなときに思い出すとはなんか嫌、と言うのも昔、まだ何も知らなかった私が兄とやった遊びがそれだったのだ。

その遊びの楽しさはわからないが恥ずかしさだけはその時たっぷり味わったのでわかっていた。

帯の話はそれくらいにして、紐引き場に兵士(親子連れなど)を避けながらやっとのことで辿り着くと空には既に月が見えた。

まだ明るいのになぁ、と一旦和んだところで戦闘開始!

今回の戦いは学校で皆が体操着で行う戦争内で使われる綱引きに似ていた。

敵と見方が紐を選んで引っ張り合いをする、それが紐引き!

私は景品の中に宿敵の新型ゲーム機を見つけると早速列に並ぶ。

早く番がこないかな〜♪などと鼻歌交じりで歌いそうになるのを堪えながら待っていると自分の番が次にまで迫っていた。

私の前にいる小さな兵士(男の子)がどこぞの特撮ヒーローの赤色の人形を持って喜びながら親の元へ走っていくと、ついに私の番が来た。

私はさっきからずっと握り締めていた三百円を今度は優しそうな、おねえさんに渡すと慎重に紐を選び始めた。

慎重に選ぼうと思っていたわりに早くに選び終えてしまった私は、自分の運はさっきのギャンブルで信じられなくなったのばかりなので、今度は勘に頼ることにしたのだ。

そして選んだ紐を引く、すると新型ゲーム機の箱が動いた・・・だけだった。

結局取れたのはゲーム機ではなく、私の前の小さな兵士が取っていった、どこぞの特撮ヒーローの今度は黄色の人形だったが、それを私は手に入れてしまった。

「私って勘も外れる天使だったの・・・」戦隊物では何かと影の薄い黄色の人形を手に私はそう呟くともう元気の残ってない体で最後の戦場へとトボトボと向かった。


最後のクレーン戦争で決着をつけようと私は思った。

まぁどっかで聞いた事のある名前だが今はそんなことを気にしている場合じゃない。

クレーン戦争は一回が百円で難しさによって台が違うので新型ゲーム機が一番入ってそうな難しいクラスに私はイキナリ挑戦しようと、とても短い列に並んだ。

私は並んでいる間に貰った紙に書いてある説明を読むことにした。

クレーンゲームは難易度が三段階で簡単なのが手の形、普通が三本指のアーム、難しいのが一つの指の先に吸盤で全部景品がカプセルの中のチケットと交換でカプセル内に錘が入っており難しい!でも難しいには新型ゲーム機の他にソフトなどもあるから、みんなゲットしてくれよな!とすごい元気のなさそうな文字たちが筆で黄色い紙に書かれていた。

私が紙に書いてあること全部に目を通すころに順番が回ってきた。

まずは百円を入れる、それからレバーを前に倒しアーム(吸盤付の棒)を前に進め適当なところで止める。

今度はレバーを横に倒してアームを横に進めカプセルの真上に持ってきたところでレバーから手を離す。

アーム(吸盤付の棒)が下りていきカプセルを吸着!そのまま引き上げ私のほうへと戻ってくる。

あと二十センチで穴に落ちるってところでカプセルが落ちてしまった。

だがこのクレーンゲームはあと一回だけチャンスがある。

もう一回に全てを賭けるしかない、そう思った私は気合を入れるためチャネリングをする。

「ルルルルルルルルルル♪」

いつもの倍、ルと言ったからきっと出来るはずだ。

そして私はレバーを握り最終決戦に挑んだ。

もう一度レバーを前に倒し前に進めてカプセルの上で止める。

それからレバーを横に少しだけ倒しすぐに手を離すと運任せのゲームへと突入した。

アーム(吸盤付の棒)がカプセルを取った、あとは穴まで持ってくるだけアームが揺れる。

私は心の中で落ちろ!落ちろ!と必死に念じていた。

ここは逆神社だからお願いごとは逆のことを・・・

ついに私の前にある穴にカプセルが落ちた。

こうしてクレーン戦争は私の勝利で幕を閉じた・・・はずだった。

景品を交換した私はクレーンゲームの魅力に惹かれまくっていた。

簡単なやつのぬいぐるみを全部取ったときには私の周りにはぬいぐるみのたくさん詰まった紙袋が何個かあり空の紙袋も二十枚近くあった。

そんな時に後ろから

「あの北風?」そう私の名前を呼ぶ須藤純也が居た。

私は驚いてポカンとした顔で彼の顔を見つめてしまう。

そして慌てて口から出た言葉が

「あっ!須藤くん・・・だっけ?」だったのは失敗だったと思う。

実際に失敗だったのだ、また彼の叫び声を聞くことになったのだから


「忘れてただけかっーー!!」


その叫びは周りの人全員を私たちの方に振り向かせるほどの大声で放たれて私のか弱い耳に届いた。

周りからの視線攻撃に耐えられなくなってきたのか、彼は私の手と私の取ったぬいぐるみの詰まっている紙袋をしっかりと掴むとその場から離れて近くの誰も使わなさそうな小さな公園(ほとんど広場)に走って逃げ込むと彼は私と紙袋を放す。走ったせいで汗だくの私はぬいぐるみ達と共にその場に寝転がった。

ちなみにぬいぐるみは紙袋から零れ落ちてその辺に転がった。

「北風・・・ごめん、疲れた?なにか飲み物買ってこようか?ラムネで良い?ちょっと待ってて買ってくるから!」寝転がっている私を見ながら焦って自分ひとりで話しを進めて飲み物を買いに行こうとした彼を

私は今にも泣きそうになりながら寝転がった状態のまま彼の足を両手で強く掴んで

「いやっ!行かないでっ!どこにも行か・・・ないで・・・・・よ」そう弱々しく叫んだ。

その時、彼に会えてホッとしている自分が居ることに私は気付いた。

だからすぐに私は手から力を抜きあっさりと彼の足を解放した。

そのあと私は泣いてしまった。

私の心のどこかで彼に会いたいって思いが疼いていたのだろう、お祭りでゲーム機を取ろうとしている間ずっと。

なんか彼に申し訳なく思った私は彼の手を両手で包むように握って

「ごめんね、止めて」そう言うと立ち上がって彼に抱きついた。

彼の顔は一瞬で真っ赤になってしまった。

でも彼はすぐに私を突き飛ばして、その場に崩れ落ちてしまった。

私は何とかその不意打ち攻撃を耐え抜いた。

そこから先は彼とのお喋りで過ごしてしまい、お祭りの最後にやる花火が近づいていた。

私たちが居る公園の周りも騒がしくなったあたりで花火が夜空を彩る。

私はこの花火で彼に教えてあげるつもりだった。

私が探している大切なものの正体を教えるつもりだったのに、なんと彼は花火が始まってから「た〜まや〜♪」という歓声が上がるまで私のことをチラチラと見ていて花火で書かれた言葉を見ていなかった。

だから私は彼の気を引こうと

「ありがとう、一緒に居てくれて、お礼あげるから・・・」といいながら私はぬいぐるみの詰まった紙袋の底をあさり始め、あさること十秒たちやっとお目当ての物を取り出した私は、頑張って取った新型ゲーム機を彼に渡した。

「えっ?いや、あの・・・貰って良いの?」と彼が遠慮しながらもそう言うので、欲しがっているのがよく分かって面白かった。

それで私は彼を許そうと思った・・・一瞬だけ。

彼は新品の新型の携帯ゲーム機の入った箱を手に取るとすごく嬉しそうな顔で

「ありがとう!」と言うと私をその場に措いて走って行ってしまった。

その時、私の心に彼を怖がらせるという思いが生まれた。


次の日、朝早くに彼の家の郵便受けに手紙を入れておいた。

措いていった罰の言葉と今日の午前十時に隣町の駅に来てと書かれた紙とギャンブル(三角くじ)で当てた。ホラー映画のチケットが入った恐怖の手紙というやつだ。


笑っていただけましたでしょうか?

笑えた人も笑えなかった人も、暇そうに次を待っていてください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ