第二章の1!
第二章 夏ふたり
1
私の名前は北風氷柱、歳は十六歳で高校二年生らしい・・・。
確かに私が生まれてから十六年の月日が経てば私の歳も必然的に十六になるだろう。
だか、私は人間とはすこし、いや、かなり違っていた。
私は生まれたときからこの姿だし、まず死なないというか死ねない。
なぜなら私が天使だからだ。
しかもただの天使なんかではない、恋愛天使なのだ!
私の所属しているのは天界第二区域十四番管理所の恋愛天使の観覧車という場所だ。
そこで私は恋愛天使長をやっていた。
なぜ過去形かと言うと部下に実力の差を見せ付けてやる!とか変なことを考えた私が誤って人間界に落っこちてしまったからだ。
それからの日々は大変だった。
一度人間界に落ちた天使はそれから半年を人間界で人間として過ごさなければいけなかった。
半年たてば恋愛天使の観覧車から天界に帰ることが出来る。そして人間界で関わった人間は私のことを私は人間のことを忘れてしまうのだが私はまずは学校に通うべく校長その他の記憶を改ざんして去年から私が学校へ通っていることにした。
それからの日々は本当につまらないものだった、彼に会うまでは。
そう学校に通い始めて三ヶ月が経ったある日、私は彼に一目惚れをしてしまった。
普通なら「恋愛天使なるもの一目惚れなどと言う邪道な恋愛意識を持ってはならん!」と言うはずなのだが、この時ばかりはそうも言ってられなかった。
私は彼の笑顔を見た途端、あまり無い胸に矢が突き刺さった。
クッションのような柔らかさのものが無いためか矢は思った以上に深く刺さり抜けず、その時に私はこれが恋の矢のだと気付いた。
気付いたときにはどんなことでも手遅れな場合が多くて、つまり私はすでに恋に落ちていた。それが禁断の恋だと知っていてもなお私は彼に惹かれていった。
「恋愛天使なるもの恋愛は見守るものでありするものではない!」この言葉は恋愛天使が生まれてすぐに聞かされる言葉だ。
正直嫌って程、聞かされていたのでわかっていたつもりなのだが、どうやら恋というのはいつも予測不可能なものらしい。
私が恋をしてから二ヶ月と半分ちょっとたったある日、私は遊園地で遊んでいた隣を歩いている須藤純也、私の想い人と共に。
そして私の想い人はなにやら疲れているようだった。私が
「大丈夫?」と聞いても彼は
「だ、大丈夫・・・」と答えるだけでそのあとは何にも喋らなくなってしまった。
だから私は最後くらいはじぇっとこーすたーという乗り物に乗るのを止めて、元私が所属していた恋愛天使の観覧車に乗ることにしたのだ。
待ち時間のときの彼は少し元気だった。
私がそう思ったのは彼はなにやら考え事をしながら私相手に新型のゲーム機がどうのこうのと喋くっていたからだ。
まぁ器用というか不器用というか人によって意見が分かれそうだな〜とか思っているうちに観覧車の密室空間が目の前まで来ていた。
そして私と彼は密室空間に閉じ込められて天高くへと上っていく、私と彼は椅子に座ることはしなかった。
彼が何を考えてるのかわからないが私はふと思った、ここで彼に告白しちゃおうと。
前にも一回彼に告白しようとして結局、嘘をついてしまったことがあった。
そのときはたしか補習帰りで私が彼を呼び止めて人気の無い公園に連れてった。
そこで告白しようとして止めた。
どうせ付き合えたとしてもすぐに私たちはお互いのことを忘れてしまうのだ。
それならとその時、私は思いついたことを彼に言った。
「一緒に大切なものを探して!」まぁ嘘は吐いてない、大切なものとは彼との思い出だったのだから。
それから私は毎日のように彼との思い出作りに励んでいるのだった。
だけど今回は思わぬ妨害が入ってしまったが為にまたもや失敗してしまった。
その妨害の正体は私が昨日、今日のことが楽しみで眠れなかったことによる睡魔のだった。
私は勇敢にも睡魔に立ち向かったのだが、私は立ったまま睡魔に敗れてしまった。
そして私を深い眠りから目覚めさせたのは彼の
「なんで聞いてないんだよっ!」という大声だった。
その時、私はその大声に驚いて思いっ切り彼を蹴ってしまった。
まぁ不可抗力ということで良いかな? 良いということにして、そのあと二人は無言で密室空間から出ると遊園地をあとにして、それぞれの帰路に着いたのだった。
ついに第二章が始まりました。
そして今回の後書きはここで終わります。
ってことは、ないです。
えっとですね。
第二章のほうが面白いと思います。
第一章よりも笑いにこだわりましたので・・・
それでは後書き終わります。