表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

新世紀の殉教者

スペースDJが気にかけていること

作者: keisei1

 今は消えた朱紅の娼婦


 一夜限りの僕と君


 窓の外では鳥が舞い


 老いた夫婦が抱きあって



 ウェイトレスはカフェを運び


 ウェイターはあの娘に夢中なのさ 


 痺れるほどの葡萄酒を 


 胸の中に注ぎ込んで



 「愛」と呼べるものは


 どこかへ落としてしまったけれど 


 孤独好きな君のことは


 このスペースDJが気にかけてるのさ



 ガソリンの匂いが


 鼻孔くすぐる 夜明けには そう


 エアタクシーが迎えに来て


 君を誰も知らない場所へ



 オイルの香りが


 立ち込める そんな夜明けには


 タイムマシーンが迎えに来て


 君を想い出の あの場所へ



 ただ運んでくれるのさ 


 僕と君は他人となって


 朝もやで また孤独の最中へ



 名前も知らない君と


 身の上も明かさない僕と


 一晩だけの情事で


 何を分かり合えるというの



 「永遠」と呼べるものは


 どこかへ無くしてしまったけれど


 気紛れな君のことは


 このスペースDJが気にかけているのさ


 

 アスファルトの匂いが


 目を眩ませる そんな夜明けには


 機械仕掛けの馬車が迎えに来て


 君を誰も探せない場所へ



 ガスライターの香りが


 心を震わせる そんな朝には


 タイムマシーンが迎えに来て


 君を懐かしい郷愁の場所へ 


 

 ただ運んでくれるのさ 


 僕と君は見知らぬ人へ


 成り変わり また孤独の最中へ



 いつも見ていた景色が


 色づいて 見えた時


 君は一人きりの心地よさで


 煙草を吹かすのさ


 

 子供たちの歌声が 響き


 輪になって踊る道化師が


 また笑顔を見せた時


 スペースDJはもう一度宇宙の片隅へ



 そして僕は塵と消えるのさ




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ