夏に芽吹くコスモス番長〜センチメンタルラバー〜
馴染みのチャリ屋で 蟹頭啓造と運命の出会いを果たした私は、彼と共に果てしない旅、すなわち「サウザンドドラゴンロード」を歩むことになった。
旅立つにあたり彼に旅の意味を尋ねた。
すると彼は、下痢ツボに味噌を塗りたくられた顔で肘を舐めながらこう言った。
「ポン基地さん、僕は足が速いんですよ。」
なにが言いたいのか分からなかった。本気で彼は頭がおかしいと思った。しかし、この言葉には深い意味が込められている事に私は気づいていた。その意味を考えるあまり、私は彼の前で5分ほどブラジル体操をした。しかし、答えはでない。彼は微動だにせずわたしを見つめている。その表情はまさに、毘沙門天の膝であった。
答えを出せずに苦しんでいる私を見かねた彼はヒントをくれた。
「ポン基地さん。炊きたての米を美味いと言う人は果たして人間と呼べるでしょうか。それは、もう魚卵以下ではないですか?」
全く意味が分からなかった。
意味が分からなかった私は、おもむろに彼の前で鳩胸の舞を舞った。舞いながら何故、地球は丸いのですか?とSiri に問いかけて見た。
Siri「セイヤソイヤ」
私はiPhoneをジャイロ回転で小宇宙へと投げた。
その時だった。彼は開幕投手に抜擢された桑田のような声で私に言った。
「それですよ。ポン基地さん。それが旅に出ること、つまり寺息子としての使命を果たすという事なのです。」
私は泣いた。涙が止まらなかった。なかなか止まらなかったのでサイの形態模写で誤魔化した。
「行きましょうか。ポン基地さん。」
そういうと彼は走り出した。私もセグウェイに乗り彼の後を追った。
5日ほど経ったところで彼は口を開いた。
「ポン基地さん。見てください。目の前にあるあの門こそが寺息子の使命を果たす第一歩。つまり、サウザンドドラゴンロードの入り口です。」
私はそびえ立つ門を目の前に膝から崩れ落ちた。
何故ならそこには伝説のストライカー「右京」がいたからだ。
右京「プリプリ刺身」
「ポン基地さん。彼を倒さなければあの門は開きません。行きますよ。」
そういうと蟹頭啓造は走り出した。
つづく。