朝になると
子犬に赤ちゃん、『ほっこり牧場』の姉御サチに押し付けられ奮闘する俊哉だが実は音楽に興味ある。
乳兄弟の昴と久々のライブへ、そしてトウマの事務所の社長、アゲハの住む『蝶屋敷』に泊まる。
「あんたは、飲酒運転して捕まったらどうするのよ。」
部屋の外に出た瞬間、アゲ姉の怒鳴り声がひびく。
下をのぞくとトウマさんと昴の前に仁王立ちのアゲネエがいる。
「酔いは覚めてから乗ったから問題ねえよ。」
トウマさんがいいかえす。
「まったくあんた達は、どうしもないんだから。」
ウミ達の散歩から帰ってきた春樹がその横を通ろうとした瞬間、ウミがトウマさんに突進した。
「ウワッ、わかったわかった。悪かったからかんべんして。ウルフ助けろ。」
春樹は首をすくめてアズキを連れて逃げていく。
「ああ落ちつけお前。」
トウマさんの上で大興奮のウミをはがして昴がなだめる。
「ちょっと春樹、ウミをふいてやって。ああもうそこ掃除しといて罰よ罰。」
どうやら水が大好きウミはびしょ濡れで帰ってきたようだ。
仕方ないなあ。
昨日使ったバスタオル片手に降りていく。
「僕の使いふるしでよければあるけど。」
その瞬間しまったと思う。
「トーシーヤー、てめえ無視するんじゃねえよ。おかげでこの有様だろうが。」
何をやったんだか、背中が泥だらけでウミを抱えたのでびしょ濡れだ。
「風呂、入る。」
マイペースの昴はスタスタと風呂場のほうに歩いていく。
アレなんか忠告しなきゃ行けなかった……
「ワーなんでワニがいるんだよ。」
あっそうだった恐らく瞳さんのとこから預けられたミドリさんがいたんだった。
因みに彼女はワニだ、爬虫類好きの長男、高盛のペットらしい。
「ああ、ミドリさんが龍馬の必殺剣を浴びたから獣医に診せにいって安静だから預かってるの忘れた。俊哉、かまれなかった?」
「僕が入った時は水風呂で大人しくしてたけど。」
基本的にミドリさんは噛まないけど。
必殺剣て……龍馬さん居合いやるときは気をつけようよ。
「アゲハ、こいつ退けろ。ワッ、エサじゃねえ食うなよ辞めろ。」
昴の悲鳴にトウマさんが吹き出す。
「ああ、ハイハイ、ハール、ミドリさんのゴハン持ってきて。俊哉、ウミを犬部屋連れていって、シャンプーしてくれる臭いわ。」
たぶん池にダイブしたんだろうな。
ウミを抱えて、シャンプーまでする羽目になる。
ヤレヤレ。
相変わらず騒動に巻きこまれる俊哉だった。