とばっちり
子育てから開放されたと思ったら試験とバタバタしてやっと息抜きできると思ったのも束の間だ。
「誰ですか?まあ男のしょうぶん遊ぶなとは言いませんけどねこれは御法度です。」
学園長代理のギンがそういってバンと机をたたく。
ことの怒りは夜遊びから帰ってきた昴がソファーに寝かされた赤ん坊を見つけて面倒みてるとこにギンがきたことらしい。
「ギンギン、俺のわけねえだろうが年齢と母ちゃんのこと考えたら不可能だ。」
両手しばられて巻き添いにされたゲンさんがなげく。
「僕だって不可能だよ。女の子とデートしてる暇なんてないし。」
三人が昴を同時にみる。
「ギン、これはずせ。だから言っただろうが帰ってきたら寝かされたてたって。」
ギンが昴の前を竹刀でバンとたたいたので寝かされたてた赤ん坊が泣きだした。
当たり前だけど……ギンは虫の居所悪いと考えなしのとこあるから。
「コラー!あんたたちなにいじめてるのよ。」
ガーン!
小麦粉入りのボールが飛んできて昴にあたり僕とゲンさんは真っ白になってむせた。
「怖かったねえ。ごめんねえ。今、ばあちゃんのとこに連れて行くからねえ。」
フリフリエプロンドレスにワンピースいい年こいてロリターの女性は僕と昴の母である。
「イテェ、いつ産んだんだよ。まったくう。」
足も縛られているためひっくりかえった昴がなげく。
「ゲホ、姉さんゴホッいつの間にかまた産んでたんですかゴホッかんべんしてくださいよへークション。」
ゲンさんがこなにむせながら言う。
「預かったのよ。あのお人好しの色男から。」
一言いってあやしながらでていった。
ああ、掃除が……いっけんらくちゃく。
結局、マイペースな母親が父親のきまぐれに付き合い海外に行き、たよりのキクさんがギックリごしでダウンし、僕が菜穂の面倒をみるはめになった。
「人間てほんと成長ゆっくりだよね。」
うちの居候の小夜が箒かたてに言う。
「犬なんて一年たてば立派な成犬だもんね。」
菜穂にあげる離乳食を作りながサチ姉が言う。
「ハーイ、姫お待たせ。」
サチに任せると危ないので僕がとなりにすまる。
「アラアラさまになってるし。姫はいい子だねチカ坊なんて大変嫌いなものははきだすしあげくひっくり返すし。」
チカ坊まで僕が育てるはめにならなくて良かった。
「おいしいか?」
ニコニコ笑うのが可愛い。
なんでも食べてくれるので助かる。
「あっそうだコン助なんだけどさ。あの子すごいわ山の中でも走っちゃうんだから。」
馬が山の中てまた逃走したのか……ほんと動物て早いな。
今年生まれたから菜穂より年下なのに山の中をかけまわるとは。