なごむ昼下がり
とある職場の休憩室。
二人の女性が向き合って話していた。
片方は料理本を片手に。
もう片方はぼんやりお菓子を食べながら。
料理本を持っていた方の女性が小さな冊子を取り出す。表紙にはまぁるい形の赤いものが何個か並んだ絵が描かれている。
「へぇ、どこの王子様の話?アジア?みょうたいし?」
差し出された女性はお菓子を食べながら尋ねた。
「王子様違う。それはみょうたいしじゃないし」
太子は王子様。
けれど明太子は食べ物だ。明の王子様ではない。
そんな昼下がりの休憩室。