表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

眠れぬ月のために

 あれからどれくらいの時間がたったのだろう。早く眠らなければ、眩しい世界に飲み込まれてしまう。いくら目を瞑って拒んでみても、瞼の裏側にまで赤く届く強い光。わたしを消し去る強烈な光・・・。そう、やはり朝が嫌い。


 目を覚ますと、目の前の景色はさほど変わっていない。それでも、とても長い夢を見たような気がする。深い暗闇にわたしは独りで居て、なにもせずにただそこに居る。わたしがそこに在るかどうかは、わからない。でも、わたしは確かにそこに居る。きっと眠りについたのは、夕方に似た朝方なのだ。

 厚手のカーテンが外部からの光をほとんど遮断したわたしの部屋。完全な暗闇ではない。眠たさを合わせてもちゃんと部屋の中だと分かる。それなのにカーテン一枚を閉めてしまえば、わたしの心と外の世界は完全に遮断されてしまう。


 今日は何をしよう。とにかく何かしなければ、どうにかなりそうだ。コージは昨日会ったばかりで、なにより自分から誘うのも嫌だった。珍しく今日は、独りで呑みに行く気分でもない。

 気晴らしに掃除でもしようと、窓をすこし開けた。季節は夏から秋になろうとしている。陽が落ちれば心地よい涼しい風が吹くのだ。日中閉めきりで、まがまがしく溜まっていた何かが外へ逃げていくようだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ