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第2話  滅びの歌

頑張りました。

 マウザー王国は突如侵攻してきた魔王軍に滅ぼされた。

 また、フランキ帝国の将軍、李春華も魔王軍に捕獲された。




 ‐フランキ帝国‐

 

 「同盟国であるマウザー王国が滅亡、国王のレイレナード三世も討死しました。また、我が国の将軍、李春華も魔王軍の手に落ちた模様。」

 

 伝令兵の報告をつまらなさそうに聞くのはまだ年齢が二桁にもいかなそうな少年だった。

 彼の名は、ガルム19世。

 前皇帝の実子ではあるが、如何せん才能がない、努力をしようとする気持ちもない、何も考えないの無い無い尽くしなのである。


 「そうか(うるさい女がいなくなってくれてこちらとしては万々歳だな)。」


 考える事は捕らえられて残念、と言う事ではなく目の上のたんこぶがいなくなった事による喜びだけである。

 もう救いようがない。


 「陛下、春華の事は残念ですな。」


 声を掛けてきたのは、でっぷりと太った男が出てきた。

 常に気持ちが悪い笑みを浮かべていた。

 この男の名前は、ツバルス。

 皇帝が幼い事を良い事に私腹を肥やす、いわばただの公害である。

 

 「そうじゃな。」


 そう言うとガルムは伝令兵にさっさと行けと合図をすると玉座の背もたれに寄り掛かった。

 

 「陛下、このままではこの国も滅亡してしまいますな。まあ、あの小国よりも大きい我が国なら魔王軍を打ち払うことなどたわいもない事ですな。」

 「そうじゃな、そちの好きなようにせい。朕は面倒じゃ。」


 ガルムはそのまま玉座を降りると、そのまま広間を出て行った。

 その後ろではツバルスが厭らしい笑みを浮かべていた。






 一方、魔王軍では鬼たちが宴会をしていた。


 「はっはっは、弱い弱い。人間など弱すぎる!」

 「言うな言うな。あんな奴ら、我らの姿を見ただけで慄きおって。」

 「つまらん戦いだったが、戦いの場を与えてくれた新魔王様には万々歳じゃ。」

 「それにしても、人間どもはバカなのか?人類の切り札を斬り捨てるなどと。」

 「だが、儂らには関係のない事よ。」


 話し言葉はこうだが、ここに居る鬼は全員女である。

 まあ、鬼と言う種族はこういう種族なのである。

 その宴会の最中にラッパの音が聞こえてきた。


 「ん?もしや、魔王様の率いる軍が来たのかの?」

 「そうみたいじゃぞ?」

 「先頭にあの禍々しい聖剣、いや魔剣を持ったお方がおるからの。」

 

 魔王軍本隊が到着したと知るや、鬼たちは宴会を中断し、その場で立ち上がる。

 魔王は馬から降りると鬼たちを見回して、口を開いた。


 「諸君、ご苦労だった。今日は英気を養い、明日からの戦闘に備えよ。」

 「「応!!」」

 「あと、貴様らに朗報だ。我が妃の禁術により、生まれ変わった男が貴様たちの同胞となる。剛鬼、挨拶をしろ。」

 「応。」


 剛鬼と呼ばれた鬼は前に出ると、その筋肉を誇示しながら名乗りを上げた。


 「我が名は『剛鬼』。魔王が直臣にして、一が矛なり!!!」

 

 その空気を震わせるような声は中庭で宴会をしていた鬼全体に響き渡った。

 その直後、その鬼の中でも一際体の大きい女の鬼が現れた。


 「あー、アタシはこの鬼族を纏める『閃鬼』だ。アンタの力を知りたいが、今はアンタと親睦を深めたい。」

 

 閃鬼と名乗った鬼は剛鬼の右手を握ると、そのまま自分が呑んでいた場所に連れて行く。

 その際、剛鬼は魔王に助けを求めるような目をしていたが、魔王は苦笑一つで見送った。




 次の日、魔王軍は陣形を整え、魔王の出陣の合図を待っていた。

 魔王は深呼吸をすると、腰の魔剣を抜き、フランキ帝国の方を指し、大きな声で「出陣」と言った。

 それと同時に、魔王軍が動き出す。

 その足音はまるでこれから起こる滅びを象徴していた。

次はフランキ帝国との戦です。





それではご感想などをお待ちしております。

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