一話 ─New Record ─
こっちでも書いてみようかと思い。
──ここはどこ?
まず、目が覚めてそう思った。わかることは、自分は今瓦礫の上に寝転がっていることだけだった。
起き上がろうとすると、正面から光が差していることに気がついた。
出たら何かあるかもしれない。そう、軽い気持ちで光へ歩いた。
「っ...!」
急に明るい場所に出たからか、眩しすぎて見えなかった。けど、だんだんと目がなれてきた。
え...。
言葉を失った。それはそうだろう。誰だって初めてこれを見たら言葉が詰まるはずだ。
ビルや家と言った建物が崩れていたり、植物におおわれていた。そんな、綺麗で幻想的とも呼べる景色が急に視界に入ったのだから。
「何、してるの?」
後ろから声をかけられ、自分でもビックリするほどの速さで振り向いた。そこには、肩ぐらいまである白髪に白い目を持った─中性的な顔で性別は解らなかった─人が立っていた。
こちらをまじまじと少し驚きを含めた視線を向けていたが、納得したようにうなずいた。
「君さ、もしか閉め目が覚めたばかりかな?」
「あ、えっと...はい...。」
「そっか。ちなみに、名前は?」
名前...、あれ?自分の名前って何だ?それだけじゃない。目覚める前のことの記憶が一切ない。いや...細かくは違う。自分のことに関する記憶がない。自分が生きてきた世界のことはわかる。だから周りの建物がビルってわかるわけで──。でも自分の年齢だったり名前だったり、そういう記憶がないのだ。いったい、どういうこと?
「...その様子だと、なにも覚えてないみたいだね。やっぱ君も、来世なのかな。」
「来世...?」
「うん。この場所にたまーにだけど、記憶がない人がいるんだよ。その人のことを"来世"って呼んでるんだ。大体の人が"別の世界から来た"って言われてることでね。」
そう、その人が言った。
...ちょっと気になることができた。
別の世界、つまりこの世界は自分が住んでいた世界とは違うものということだ。実際、この光景に違和感を抱いているし。
「ねえ、ここってどういう世界なの?」
──これからこの世界での相棒であり、大切な人の一人になる彼は言った。
「ようこそ、デベステッド・世界へ──。」
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大体一章辺り10~20話、サイドストーリーは5~10話ぐらいでやってみようと思います。
気楽に書いてゆくのでよろしくお願いします。