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大起くんのこと好きなの? 詩織目線
「じゃ、月乃は大起くんのこと好きなの?」
幸呼は照れたようにコクッと頷く。
私は春日井詩織。甘利月乃の親友だ。月乃はかわいいし、何でもできちゃう。だけど、恋愛のこととなると手も足も出なくなるのが彼女のかわいいところ。つい応援してしまう。
「今度話しかけてみたら?」
「そんなことできたらしおちゃんに相談しないよー」
「じゃあ、あれは? 江指くん使うとか」
江指くんと大起くんはカップルかというほど仲良しな大親友なはず。江指くんから情報を聞き出せばいいのでは?
「江指くんって女子人気すごいじゃん。私が話しかけるなんて。どーなるか分かったもんじゃないよ」
月乃は首をブンブン振っている。あんただって同類だと思うけど。
「まあ、目の前で落とし物でもしてみたら? 拾って渡してくれた時にありがとうって言うみたいな?」
「しおちゃんすごい! やってみる!」
単純なことしか私も知らないが。恋愛に対して無知すぎる彼女にはそれくらいが丁度いい気がする。
頑張れよ。心の中でそう応援するのだった。