お前、甘利さんのこと好きなの? 快晴視点
主人公の友達のお話です。
放課後の教室はのんびり時間が進んでいる気がする。
「で、お前、甘利さんのこと好きなの?」
「そんな大声で言うなよー」
親友の大起優意が焦ってる。おもろ。
俺、江指快晴は、完全帰宅部の高校一年生だ。
優意とは出席番号が近くて、仲良くなった。
「お前はモテるからこんな気持ちわかんねーんだわ」
「テヘ」
「クソー!」
自分で言うのもなんだが、モテる。結構モテる。でも、彼女はいない。みんなのアイドルくらいで終わるからだ。でも、逆に人の恋愛とかに首突っ込むほうが面白い。ドラマみたいで。
優意が恋する甘利さんというのは甘利月乃という学年トップでかわいい女の子だ。頭も良く、運動神経も良くというエリート中のエリート。高嶺の花の代表ポジだ。
「お前、甘利さんに手届くと思ってんの?」
「うぅ」
優意は頭を抱える。まあ、コイツもかわいい男子な感じだけどな。
「頑張れよ。面白い恋愛リアリティーショー作ってな」
優意の頭をわしゃわしゃするとウゼーと手を払われる。
「俺も彼女ほしー」
「顔は良くても、帰宅部はなー。俺、女だったら、付き合わねー」
「うっせ。お前さ、今日部活ないっていっても、外周くらいしてろよ」
「もちろん! じゃ、行ってきまーす! じゃね!」
ダダっと廊下を走っていく音が聞こえる。
「大起‼ 廊下走んなー!!」
「すいません!」
うわ、アイツ斎藤先生に怒られてやんの。
いつまで教室残ってんだって叱られないように帰るか。リュックを肩に掛けて荷物をまとめるとやっぱ、斎藤が来た。
「江指! お前もいつまで残ってんだ!」
定型文だなー。
「サーセン。帰るんで見逃してください」
颯爽と廊下を走る。後ろから斎藤先生の怒声が聞こえた気がするけど、どうでもいい。
俺は、親友の恋物語を追いかけてやる!
私、主人公の友達って好きなんですよね。ただの好みなんですけど、見守っている感じが。