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異端のダークヒーラー、魔国幹部として人類を衰退に導くようです~金と知識を求めていただけなのに、なぜか伝説になっていました~  作者: 浅見朝志


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第228話 チィーッス、新人警備兵のあーしで~す!

「新人警備兵……?」



魔王城を守るのは、魔王軍とはまた別で組織されているガン・ケン直属の部下たちによって組織されている魔都警察の部隊だ。

魔都警察といえば記憶に新しいのは、俺がマスク・ザ・メロンとして対峙した魔都警察特殊機動隊──通称マトキの部隊長を務める機械人形種デウスたち。



……そこへ所属する者が、なぜ俺の部下に?



恨まれこそすれど、懇意にした覚えなどなかったハズなのだが。

なんて思っていると、



──コォン! コンコンッ!



独特で軽やかなノックの音がエメラルダの執務室内へと響き渡る。



「チッス~、エメちゃん! 入室してもいーいっ?」


「ええ。いいわよ、ちょうど『あなた』の話をしていたところだから」


「あーしの?」



そう言ってドアを開け現れたのは、赤く艶やかな肌が特徴的な鬼人種の少女。



「オトガイくんではないか」


「あぁっ! キウイっちだ!」



俺のことを見留めるやいなや、



「うえーい!」



オトガイは陽気に駆け寄ってきて軽くぶつかると、その肘を俺の肩の上に乗っけて、



「どったの? 休暇はっ?」


「まだ休暇中だよ。これから行く場所についての相談をエメラルダ殿にしていてね。君はいったいどうして?」


「あーし今お仕事中! 最近働き始めてさぁ」



そう言ってオトガイは、相変わらずの露出度の高い服装の、腕部分を見せびらかしてくる。

魔王城で警備兵として働く者がつけている腕章が巻かれていた。



……ということは、まさか。



エメラルダを見やると、コクリと頷かれる。



「そうよ。あなたの下へと配属を願い出てるのはオトガイよ」


「……それは驚いた」



思わずまじまじと、オトガイを見てしまう。



「超絶カワイー部下ができちゃって驚いたの?」


「いや、何故私の元に? と思ってね」


「えー、ナニソレ、つまんない反応!」



つまるもつまらないもない。

オトガイはアギトの娘なのだ。

アギトの元へと行くのが自然というものだろうに。



「あーしは、一番楽しそうな勤務場所に行きたかったのー」



オトガイはどこか少し不満げ唇を尖らせつつ、



「この前はあーしを置いてさ、エメちゃんもミルフォビアさんもシェスちぃもさ、みんな揃って王都に行っちゃったじゃん?」


「仕事に行ったのだが」


「あーしも部下だったらいっしょに行けてたかもじゃんっ?」


「まあ、たぶん……?」


「というわけで、これからヨロシクね! キウイっち!」



ニッコリ満面の笑みでピースをしてくるオトガイ。

まだ、配属を受け入れるとは一言も言っていないのだがね。

だいいち、俺はダークヒーラーなのだ。

であれば部下には、多少なりとも同じ属性を持った者を選びたいところである。



「キウイ、あなた最近、ゾンビ・ソルジャーが側近から抜けたじゃない?」



腕組みする俺へとそう言ったのは、エメラルダ。



「黒の森に行くなら、シェスの代わりとなる護衛は必要よ。ひとまず試験期間として連れて行ってみたらどうかしら?」


「……危険では?」


「どの口が言っているんだか。あなただってこれからその危険な場所に行くんでしょう?」



呆れ交じりにため息を吐かれてしまう。



「忘れているようだから言っておくけど、あなたは魔国幹部。本来なら、オトガイよりも危険な橋は渡っちゃいけない立場にあるのよ。でも、これまでの実績があるからこそ、私はあなたを信頼して任せることができている」


「まあ、確かにそれはそうですが……」



預かるのがアギトの娘、となると責任は大きい気がしてしまう。



「まあまあ、気楽に行こうよキウイっち。どんな危険かは知らんけど、あーしがパーペキに守ってやんよ~!」


「うーむ、不安だ」


「ヒドッ!?」



いくらあのアギトの娘とはいえ、オトガイはまだ二十にも満たない少女。

実力は一般魔族を上回っているだろうが未知数なところも多い。



「次世代教育の一環だと思って頼むわよ、キウイ。あなた、そういうのは得意でしょう?」


「……まあ、そういうことでしたら」



魔王代理の頼みとあっては、頷くほかない。

きっとこれもまた、何かの狙いがあってのことなのだろうし。



「それに加えて、絶対死の神術への対策もしないとね」


「対策?」


「ええ。すでに死んでいる者ならば、黒の賢者の神術も意味をなさないでしょう?」



エメラルダはクスリと微笑みつつ、



「魔国幹部のボグ・チェルノを盾として連れて行くといいわ」


「ボグ殿を……?」


「ええ。実力は申し分ないでしょう?」



確かにそれについては折り紙付きだ。

何せ西方エルフ戦線においてはたった一人で南のエルフたちを殲滅し、王国侵攻の際も人類側へと一番の死者を出したのはボグ・チェルノだったから。

だが、



「ご提案はありがたいのですが、しかし私はボグ殿と上手くコミュニケーションを取れる気がしないのですよね……」



言葉が通じている感触はないし、この前は診察しようとしたら途端に魔力を吸われたし。

何を考えているのかサッパリわからない。



「コツがあるのよ。それは教えてあげる」



エメラルダはほくそ笑むような表情で言う。



「あなたがボグの指揮を執ることができるようになってくれたら、今後だいぶ戦略の幅が広がるのよ。物は試しと思って挑戦してみてくれると嬉しいわ」


「はあ……」


「魔王城別館の屋上にボグの待機室があるから、まずはそこを訪れてみて」



有無を言わさぬ力強さがあるその金色の瞳から、エメラルダの真意はいまだに読み取れない。



……さて、どんな狙いがあるのやら。



魔王代理という立場を不安がってはいたものの、どうやら問題なさそうだね?

その腹芸だけでみればエメラルダも十分に魔王級だ。


いつもお読みいただきありがとうございます!

次のエピソードは「第229話 【Side:北の魔女】ポーション?」です。


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるのっ……!」


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次回は12/12更新予定です。

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