本編
昼休み。
いつものメンバーと昼食をとるため食堂に来ていた。
ここの学校の食堂は割と美味しくて安い。
正直そこら辺のご飯屋さんより数倍は美味しいと思う。
俺はいつも通りカツカレーを頼み席に着く。
「またそれ?飽きないねぇ」
と言ってきたのは遊馬舞波。
身長は175cmと背が高く全体的にスラリとしている。
モデル級に整った顔立ちをしていてみんなで遊びに行った時なんかもしょっちゅうナンパやスカウトされている。
まぁ、全部本人が断っているのだが
綺麗な銀髪は腰まで下ろしていておしとやかな雰囲気を出している。
だが実際の性格としてはヤンキー気質なところがあり少し怖がられている。
まぁ、そこがいいんだとかで好きな男子も結構多いらしい。
俺には全く理解できないが。
「これが一番上手いからな」
と返事をしスプーンを手にとる。
実際ここの食堂はカツカレーが1番美味しい。
俺も最初の頃はラーメンや唐揚げ定食、うどんなどを頼んでいたが一度カツカレーを食べてからカツカレーしか食べていない。
そのくらい美味しい。
それぞれみんなが昼食を食べているとスマホの通知音が鳴った。
チラッとスマホの液晶画面を見てみるとNoaさんからだった。
食べるのをやめ返信をしようとすると
「食べてる時にスマホするな」
と舞波に言われた。
「ちょっとDM返すだけだからさ」
と適当に流そうとすると
「DM?またネットの人?」
と聞かれた。
「あーそうそう」
あえて面倒くさそうに返事をすると
「面倒くさがってんじゃないわよ!」
と舞波がスマホを取り上げてきた。
「あ返せよ!」
「食べ終わったらあげしてあげるわ」
「チッ」
と聞こえるように舌打ちをすると
舞波が何かしたかしら?と言うような目で睨んできた。
慌てて目を逸らしカツカレーを食べようとすると
舞波が
「Noa?誰これ」
と聞いてきた。
「最近DMで仲良くなった人。てか勝手にみるなよ」
「へー女の人?」
「そうそう。もういいだろ。返せよ」
と言って舞波の手からスマホを取り上げる。
というより取り返す。
「あっ」
と舞波が声を出した頃にはスマホは俺のポケットに入っていた。
そんなことをやっていると明菜に
「2人とも早く食べなって。昼休み終わっちゃうよ?」
と言われた。
時計をみると昼休み終了まで10分を切っていた。
同じテーブルの武也と和季と明菜はもう食べ終わってお盆を片している。
2人揃って慌ててご飯を食べる。
「あんたのせいだからね」
などと舞波に言われたが無視して食べ続けた。
やたら絡んでくるんだよな。こいつ
などと心の中で文句を言ってやった。