大義名分
人気急上昇中のとあるアイドルグループ
そのメンバーの一人が緊急会見を開いた
女が場にあらわれると一礼
シャッターライトの光で会場が白く包まれた。
いつもは可憐でゆるふわなオーラが、
正装の力で堅くまとまりのあるオーラを印象付ける。
アイドル「今日はみなさんにお伝えしたいことがあります」
アイドル「C子のアイドル活動停止の理由についてです」
アイドル「この会見はグループとは無関係であり、私の意思でこの場にきています」
C子は同じアイドルグループの一員であり、
先月より体調不良を理由に活動を停止していた。
ファンたちは公式に詳細の発表を求めていたが、今日まで新しい情報はない。
ゆえに、この会見は、ファンたちからの大きな注目を集めていた。
アイドル「私たちのグループでは、ある人物を中心にイジメが横行しています――」
アイドルは語った
同グループで切磋琢磨しているB子が、C子を執拗にイジメていたことを。
B子のことを、よきライバルだと思っていただけに、とても悲しいということを。
***
会見後の反響は大きく、
SNSを中心に、彼女の告発を称える声が伝播した。
ほどなくして、B子はグループを脱退。
C子は、徐々に表舞台に顔を出すようになった。
――――――
A子は、C子の家にきていた。
A子「んーじゃ、そろそろこれからのことでも話し合おうか」
時計の針はまもなく10時をまわろうとしていた。
カーテンから覗いた夜空には、星がまばらに輝いている。
C子「まずは計画通りに進んだことに乾杯」
A子「いやー、C子には恐れいったよー」
C子「もともとは演技派を目指していたわけだし」
C子「でも、意外とプロデューサーの素質もあるのかも」
A子「C子は何でもできるもんな~」
A子はアイドルらしからぬ行儀で、
缶ビールをグイグイと飲んでいる。
...
その姿を見たC子は
話を急ぐことにした。
C子「まずはあなたが得た戦利品の整理から」
A子「うぃ!」
C子「1に知名度、2に印象、3にB子の人気の一部...って、聞いてる?」
A子「うぃ!」
C子「...」
漫画の世界じゃあるまいし
さっき飲み始めたばかりじゃない...
でも、こういうところが才能でもあるのよね。
C子は頭を抱える素振りをみせたが、ほんの一瞬だけ。
今日はA子と楽しく飲むことに決めたのであった。




