13話-1
全てが消える…その刹那
沙夜が
姉貴が
俺のすぐ傍にいた
身体が吹き飛ぼうとしたその時、
二人が俺を外に押し出した
-9月12日-PM0:23、本部
-マリア視点-
『……藍坂君の容態はどうなの?』
「一応は安定して来ました
そろそろ目を覚ましてもいい頃だと思います」
『……そう』
「それでも、後三ヶ月は安静にしていないと…」
『…世界の管理者の技術を持ってしてもそれが限界…か…
それまでこの世界が有るかどうか…』
「……そもそも、"彼"でなければ、生きている…いや、存在している事自体がおかしいのです
……それを考えれば…」
『そうね…消滅弾の直撃は免れたとは言え…世界が消えたのに空間の歪みに押し潰されないなんて……世界の管理者でも有り得ない
…彼だから……藍坂…由月……アダムだからこそ…ね…』
「……ええ」
『…でも、目を覚ます前に世界が消え去ってしまえば元も子も無い…
……私が…出る他無いわね…
……例のモノ…準備は出来てる…?』
「一応は……ですが、完成はしていません
3分から5分が限界です」
『…まるで、変身ヒーローね
わかったわ
……"最後の戦闘部隊"である私達が…出なければ
…この世界を簡単に終わらせてはならないもの…』
「……指揮はどうするのですか?
貴女がいなくなれば…」
『…藍坂君に任せるわ
器は有るし……ね』