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12話-7
『瑠ぅう名ぁあああッ!!』
「うあ…あ゛あ゛あ゛あ゛…あ゛」
-ズル…-
-ドサッ-
「くっ……はぁ……はぁ…
流石と言うべきか…
"藍坂瑠奈"……
単純に"能力"だけならトップクラス…私にここまでさせるとは…」
『る……な……』
瑠名は倒れたままこちらを見る
そして、数時間前と同じように
寂しそうに笑って
…その瞳の光は消えた
「瑠名…」
「「るーちゃん…」」
「そんな…」
『るッ…………』
俺はただ見ている事しか出来なかった
俺の中で様々な感情が巡る
哀しみ、後悔、自己嫌悪……そして、最後に残ったもの
それは憎しみだった
-プツンッ-
『……あ…あ…あああ…ああああああああああああッああ…!!
シルヴァぁあああああああああぁああぁッ!!』
俺は剣を手に取りシルヴァに斬りかかった
身体の痺れは無理矢理押さえつけていた
-パリィンッ-
両刃剣がシルヴァの目の前で砕けた
「貴様如き!」
シルヴァは槍を振るう
右腕が血しぶきを上げた
だが、俺はそのまま闘争本能のみで左手を伸ばす
「な…なんだ…なんなんだ…?
貴様は……」
『よくも…よくも…瑠名ををををををッ!』