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12話-4
先程の俺の行動はこうだ
短剣…ナイフの刃が砕けた瞬間
とっさに俺は俺の形をした精巧な人形を精製した
そして、自我だけを人形に残し、俺自身は影に隠れた
…俺の能力による幻術だった
それにより、奴は俺の人形を俺と認識し
俺を見失った
どうやら、俺の能力…完全に効かない訳では無いらしい
「………」
『………』
剣は奴の心臓を捉らえた
…はずだった
「……フ
ふふはははッ!
思った通りやはり、私達は似た者同士と言うものらしい!」
『…!!』
-パサッ-
呪札だけを残し
"ミイラ男の中身"は消えていた
(--------背後!!)
俺は振り向いた
銀色の髪の男が槍を短く持っていた
俺はとっさに剣を振り抜いた
-キィィイインッ-
金属の激しく擦れる音
奴は俺のすぐ近くに居た
互いの瞳が交じりあった
奴の瞳は……血の様に朱く…けど血の様に不純な色をしていた
次の瞬間
-ブォッ-
『!?!!!』
俺は吹き飛ばされ後ろに下がる
だが、
後ろには二本の槍が精製されていた
-ズグッ-
『がはッ!!』
槍の刃が両腕に刺さり
俺は身動きが取れない
「…さらばだ」
奴はそのまま、俺の心臓を貫いた