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11話-5
-同日-PM11:58、自宅
俺はリビングで皆とテレビを見ながらくつろいでいた
すると、そこに瑠名が何かを持ってやって来た
「はい、お兄ちゃん」
『ん?
あ、これは…』
瑠名はニット帽を差し出していた
…やはり、漆黒だった
『ありがとな
…じゃあ…せっかくだから…』
俺はかぶって見せた
『どうだ?』
「…うん!よかった!
似合ってるよ」
瑠名は満足そうな顔をしていた
『そうか、なら、よかった』
俺はかぶったまま居た
すぐに脱ぐ気はなかった
その時、時計に目が行った
『…なんだ、もう12時か?
……待てよ、いくら何でも早過ぎないか?
この時計、間違ってないか?』
「え……間違ってないみたい…」
姉貴が携帯を見て言った
『え?
…でも、さっき飯食ったばかり…』
「おかしいね、それは」
「それは、おかしいね」
「…どうなってるんでしょうか?」
「いくら、何でもおかしい気がするよ、お兄ちゃん」
『ん?
………………!』
(…時間が…経つのが早い…
…時間の…加速か!?
まさか……
反逆の使徒!?)
その時だった
リビングの中心に電撃と共に"ミイラ男"が現れたのは
第11話 少女が信じたモノ