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11話-1
-同日-PM0:22、カフェ
「…お兄ちゃん、それだけでいいの?」
『…うん?十分じゃないか?』
俺はサンドイッチとコーヒーを頼んでいた
…出来る限り、食べる量は最低限必要な分にする
いつ何があるかわからない俺に取っては日常的にそうしていた
…この前のような事は無い限りは
「…で、でも、私のと比べて…」
瑠名の前にはオムライスとサラダとクリームソーダがあった
『…まぁ、瑠名は食べ盛りだろ?
いいんじゃないか?』
「いや、一つ違いなんだし
お兄ちゃんだってそうじゃないの?
これじゃ、私が食いしん坊みたいじゃない?」
『大丈夫だよ、太ってもいないし
誰もそんな事、思わないって』
「そうかな…でも…」
『…それに、ね
俺は瑠名が食べてる姿…好きだから
見ていたいのさ』
「ふぇっ!?」
『瑠名食べてる姿って可愛いんだぜ?』
「………」
瑠名は途端に赤くなって俯きながらオムライスを食べ始めた
俺はサンドイッチには手を付けず
頬杖をして
しばらく、瑠名を見ていた