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10話-2
-同日-AM11:37、歩道
「………」
汗が…止まらない
夏だから……暑いから……そんな理由じゃない…
人とすれ違う度に恐怖を感じる
(…私の足は…歩けても…走れない…
…襲われたら…
……………襲われる?)
何故…私は…そんな事を考えてるの…確か私は…事故で…
事故……?違う………
(私は………)
-ペタン-
私はいつの間にか地面に座り込んでいた
(…私は………何故…?)
…そうだ…あの日も…こんな暑い日だった…
-数年前8月某日-昼、歩道
その日…私は…
暑くて仕方なかったから…
アイスでも買いに行こうと出掛けたんだ
…それで…それで…
交差点で信号待ちしてた時だった
悲鳴がすぐ近くで聞こえたんだ
悲鳴のしたほうを見ると
包丁を持った男に
誰かが刺されて倒れていた
…男は通り魔だった
男はこちらを見ると
今度はこちらに狙いを定めた
…そして、その標的が……私だったんだ…




